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ミラノで知る、イタリアンブランドのこれから――

2018.02.23

柴田 充

キートンが贈る新ブランド「KNT」を率いる、キートンCEOの双子の息子。

この数年来イタリア取材で実感するのが、ブランドにおける世代交代の動きです。80年代からの成長を支えた先代に代わり、新たな世代が台頭しています。いまや一族経営のファミリービジネスであっても、若い後継者となれば、幼いころから常に家業が身近にあるだけでなく、ファッションビジネスを専門的に学び、マーケティングやファイナンスに長けることも少なくありません。そうしたビジネスセンスを備えたリーダーのもと、イタリアンブランドはさらなる発展に向かいます。そんな過渡期の胎動が感じられるのです。

これまでそうした世代交代により、成長を遂げた名門ブランドにキートンがあります。ミラノのショールームでCEOのアントニオ・デ・マテス氏に聞きました。

写真・図版
キートンCEOを務めるアントニオ・デ・マテス氏。

「世代交代というのは、当然迎える自然な流れですし、若い世代のアイディアを発揮させることでも重要だと思います。キートンも、創始者チロ・パオーネが若い人に新しいことをやるチャンスを与えてきたからこそブランドが伸びてきました。ただそこには同じアイデンティティをもち、考え方のベースが共通することが大切です。それがファミリービジネスの強みでもありますね。長いスパンで物事を判断するのも特徴で、一般的なビジネスマネージメントはどうしても短期になりがちです。その違いは歴然ですね」

2018年秋冬コレクションからキートンでは「KNT」という新たなラインが始動。率いるのはアントニオ氏の双子の息子ウォルター氏とマリアーノ氏で、スーツからジョギングパンツ、スニーカーなどアスレジャーをトータルで提案します。それは従来のキートンの世界観を損なうことなく補完するもので、まさにニュージェネレーションです。日本では新たに日本橋髙島屋にショップがオープンし、新たなファン層を広げることでしょう。

プロフィル
柴田 充(しばた・みつる)
フリーライター。コピーライターを経て、出版社で編集経験を積む。現在は広告のほか、男性誌で時計、クルマ、ファッション、デザインなど趣味モノを中心に執筆中。その鋭くユーモラスな視点には、業界でもファンが多い。

Photograph:Mitsuya T-Max Sada
Text:Mitsuru Shibata

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