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万年筆は男の武器。 その3

2017.08.16

万年筆は男の武器。 その3

万年筆は男の武器である――そう説いたのは、作家の池波正太郎。
万年筆は単なる筆記具にあらず。持ち主の人となりを雄弁に物語る“武器”なのだ。
また、万年筆でつづられた文章からは、書き手の姿も浮かび上がってくる。筆圧やかすれ、ちょっとした書き癖までもが、思いを伝える“武器”となる。
“書く”ことが、端末を“打つ”ことに取って代わられて久しい。そんな時代だからこそ、万年筆の意義を改めて見直してみたい。
いま、持つべき万年筆とは? 自分にふさわしい一本とは? 5回にわたるこの連載企画のなかで、きっとその答えが見つかるだろう。
第3回は、文章をつづる気分が華やぐことはもちろん、ポケットから取り出す仕草にも視線が集まりそうな、心躍る“色”をまとった逸品を紹介する。

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モンテグラッパ/ドゥカーレ ムラノ マーレ
銀細工に代表される伝統工芸が盛んなイタリアのヴェネト州で1912年に創業し、クラフツマンシップを生かした筆記具で評価を高めてきたモンテグラッパ。このモデルは、州都ヴェネツィアの伝統工芸品である、ムラノ・クリスタルへのオマージュを込めたもの。見る角度によって表情を変える、海を思わせる深いブルーが魅力的。¥35,000/モンテグラッパ(日本万年筆 03-3388-8611)

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プラチナ/#3776 センチュリー 金魚
富士山の標高をその名に冠した『#3776』は、国内最高峰を標榜するシリーズ。ペン先にも富士山のモチーフが刻まれている。現在では使われることが少なくなった、クラシックで発色性の高い樹脂素材、セルロイドをボディーに採用。スライスした板状のセルロイドを一本一本パイプ状に巻いて成型する独自の方法により、金魚を思わせる美しい柄を実現した。¥30,000/プラチナ(プラチナ万年筆お客様相談室 0120-875-760)

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ヴィスコンティ/ヴァン・ゴッホ コレクション ひまわり
画家ゴッホの生誕120周年を記念し、彼の傑作を着想源として製作されたコレクションのなかの『ひまわり』バージョン。石油系プラスチックではなく、環境に優しく、軽量で衝撃にも強い、植物性樹脂素材ナチュラルベジタルレジンを採用し『ひまわり』の印象的なイエローを味わい深く再現。マグネットロックシステムのキャップの使用感も小気味よい。¥34,000/ヴィスコンティ(ユーロパッション 03-5295-0411)

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ファーバーカステル伯爵コレクション/ギロシェ ターコイズ
創業は1761年。世界最古の鉛筆メーカーとして、筆記具をリードしてきたドイツのファーバーカステル。伯爵コレクションの『ギロシェ』は、プレシャスレジンの軸胴に、ジュエリーや銀細工で用いられる技法によって、ギロシェと呼ばれる波縞模様を刻んだシリーズ。新色のターコイズブルーは、男女を問わず手にしたくなる爽やかな気品をたたえた一本。ラッカーをかけて、職人が手作業で磨き上げた独特な質感も手にしっくりとなじむ。¥40,000/ファーバーカステル伯爵コレクション(ファーバーカステル東京ミッドタウン 03-5413-0300)

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カランダッシュ/レマン アマゾン グリーン
カランダッシュが本社を置くスイスのジュネーブを象徴するレマン湖。その湖面を思わせる、ゆったりとした丸みを帯びたフォルムを特徴とするコレクション『レマン』の新色。鬱蒼(うっそう)と生い茂り、神秘的なパワーまでも感じさせる熱帯雨林のジャングルをモチーフとした、深みのある『アマゾングリーン』をフィーチャー。¥75,000/カランダッシュ(カランダッシュ ジャパン 03-6804-3201)

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コンクリン/デュラグラフ アイスブルー
1898年にアメリカのオハイオ州で創業し、作家マーク・トウェインに愛用されるなど、一時代を築いたコンクリン。20世紀半ば以降は休眠状態にあったが2000年に復活し、再び愛好家の注目を浴びることに。『デュラグラフ』は、1923年発表の万年筆を復刻したコレクション。独特なパターンを有する、アイスブルーのボディーが、クラシカルにして個性的。¥12,000/コンクリン(ダイヤモンド 06-6262-0061)

掲載した商品はすべて税抜き価格になります。

Photograph: Tetsuya Niikura(SIGNO)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Text: Yasushi Matsuami

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