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ブルックス ブラザーズがピッティで見せた、
200年の歴史が醸す“凄み”とは?

2018.02.26

柴田 充 柴田 充

ブルックス ブラザーズがピッティで見せた、<br>200年の歴史が醸す“凄み”とは?

ピッティ・ウォモは、いまやイタリアのメンズファッション展示会という枠を超え、世界中からバイヤーやジャーナリストが訪れるインターナショナルイベントに成長しています。そこから発信されるトレンドや情報は世界の注目を集め、その圧倒的な影響力からショーやイベントの舞台として選ぶブランドも少なくありません。

ブランド創立200周年を迎えたブルックス ブラザーズもそのひとつ。今回歴史あるヴェッキオ宮殿のサローネ・デイ・チンクエチェントで単独のショーを開催しました。

ニューヨークを起源にするブランドにふさわしく、フルオーケストラによる『エンパイア・ステイト・オブ・マインド』が流れるなか、ランウェイではメンズとウィメンズのルックを披露。ネイビーブレザーやレジメンタルタイ、キャップといったさまざまなアイコンをモチーフにしたモードなスタイリングを展開し、その自由な発想や豊かさにアメリカンブランドの本質を強く伝えます。

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さらにランウェイに隣接する会場では、ブランドの膨大なアーカイブが展示されました。なかにはアメリカ大統領リンカーンが着用したコートのレプリカなど200年の歴史を伝える貴重なアイテムも。カテゴリーごとに並べられた展示は、マニアならずとも見る人それぞれのブルックス ブラザーズとの思い出をよみがえらせるに十分であり、ブルックス ブラザーズこそ日本人が初めて出会った本格的なアメリカントラッドだったことをあらためて実感しました。

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1979年8月31日に、アメリカ国外としては初の店舗が青山(現在の青山店)にオープン。

こうして本拠地ニューヨークではなく、あえてピッティをアニバーサリーイヤーのキックオフに選ぶことで、メンズファッションにおけるブランドの軌跡と変わらぬ位置づけを世界へとアピールしたのです。

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プロフィル
柴田 充(しばた・みつる)
フリーライター。コピーライターを経て、出版社で編集経験を積む。現在は広告のほか、男性誌で時計、クルマ、ファッション、デザインなど趣味モノを中心に執筆中。その鋭くユーモラスな視点には、業界でもファンが多い。

Photograph:Mitsuya T-Max Sada
Text:Mitsuru Shibata

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