腕時計
SIHH2018 ジュネーブサロン・レポート
モンブラン
2018.03.14
新作時計の初春到来を高らかに告げる恒例の「SIHH(ジュネーブサロン)」が1月15日から19日まで開催された。昨年は毎年3月に実施される「バーゼルワールド」からジラール・ペルゴとユリス・ナルダンが移行。今年もエルメスが新しく参加したほか、カレ(Carré des Horlogers)と呼ばれる特設会場に17ブランドが出展。大型パビリオンを構える18ブランドと合わせて、過去最多となる35ブランドが競演した。ラグジュアリーな雰囲気の中で静かな熱気が漂う会場で発表された新作から、魅力的なモデルを紹介していこう。
ミネルバ160年のレガシーを祝う「1858コレクション」
筆記具の名門であり、1997年から時計にも本格進出。ハイエンドな複雑時計から若者向けの手頃な価格帯まで、幅広いバリエーションを展開してきた。
2007年にはクロノグラフなどで知られる伝説的なマニュファクチュールのミネルバを傘下にしており、そのレガシーを継承するコレクションを追加。今年はミネルバ創業160周年にあたるため、伝統的なスピリットやデザインを「モンブラン1858」「モンブラン スターレガシー」「モンブラン タイムウォーカー」の3コレクションに搭載している。
このうち「モンブラン1858コレクション」は、1920~30年代の軍用や登山用時計からインスパイアされたクラシカルながらも堅牢なスタイルが特長。良き時代の冒険旅行をコンセプトにしているという。
直径40㎜のオートマティック、42㎜のクロノグラフ、42㎜のワールドタイム、そしてモノプッシャークロノグラフが2種類の合計5タイプをラインアップ。最もベーシックな「モンブラン 1858 オートマティック」は、ステンレススチールのケースに経年変化を楽しめるブロンズカラーのベゼルを組み合わせており、独特のヴィンテージ感が魅力だ。ベージュのステッチ入りコニャックカラーのエイジドカーフスキンが良く似合う。このストラップは、フィレンツェのモンブラン自社レザー工房「プレテリア」で製作。
ワールドタイマーの「モンブラン 1858 ジオスフェール リミテッドエディション 1858」は、24時間で一周する北半球と南半球を象った2つのドームを時計の上下に配置。12位置の北半球ドームは反時計回りに、6時位置の南半球ドームは時計回りに回転。ドームには地図、その周囲には24時間の目盛りがあるので、世界の時間が把握できる。カラーコントラストで昼夜の別も表示。立体感の高い個性的なワールドタイマーなので、これを腕にすれば様々な場で話題になることは間違いない。ケースも経年変化を楽しめるブロンズ製。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/モンブラン コンタクトセンター 0120-39-4810
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。