旅と暮らし

東京の真ん中、上野の森。近代建築を巡る大人散歩
その② 東京国立博物館〜前編〜

2018.04.17

写真・図版

1873年(明治6年)の太政官布達により、上野公園(上野恩賜公園)は、日本で初めて公園に指定された(このとき、芝公園、深川公園、飛鳥山公園なども一緒に指定されている)。

上野公園エリアに並ぶ、秀でた建築を巡る旅。
今回、訪れた東京国立博物館は、1872年(明治5年)にその歩みが始まる、日本で最も長い歴史のある博物館。本館をはじめ、平成館、東洋館、法隆寺宝物館(写真)、表慶館、黒田記念館などからなり、庭園も合わせて多彩な見どころを有している。

写真・図版
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12万270平方メートル(黒田記念館、柳瀬荘含む)の敷地に足を踏み込めば、正面には1938年(昭和13年)に開館の本館、左手には1909年(明治42年)に開かれた表慶館と、どちらも美しく堂々たる姿の建築が、訪れた者を迎えてくれる。

表慶館の裏手に回れば、池を手前に、整然とした美しさを放つ、法隆寺宝物館がたたずむ。

1878年(明治11年)に奈良県の法隆寺から皇室に献納された宝物、300件あまりを収蔵・展示する法隆寺宝物館。正倉院宝物と双璧をなす古代美術のコレクションとして高い評価を受けている。正倉院宝物が8世紀の作品が中心であるのに対し、法隆寺宝物館のものは、ひと時代古い7世紀の宝物が数多く含まれる。

1964年(昭和39年)に収蔵庫兼展示施設として開館。現在の建物は、1999年(平成11年)に設けられた。
モダンなイメージあふれる現在の法隆寺宝物館は、ニューヨーク近代美術館新館など美術館建築も数多く手がける谷口吉生氏の設計だ。

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ステンレスのフレームにガラス張りの開放的なエントランス。緑に囲まれ、人工池を配した明るい外観と、静寂な展示室が特徴だ。
法隆寺宝物館は2001年(平成13年)度の建築学会賞(作品部門)を受賞するなど、その建築でも高い評価を受けている。

1階は、名品である灌頂幡(国宝)や金銅小幡(重要文化財)を目の当たりにできる。そのほか、法隆寺献納宝物のうち6~8世紀までの金銅仏などを展示している。2階に上がれば、著名な竜首水瓶(国宝)や、鵲尾形柄香炉(国宝)、海磯鏡(国宝)をはじめとした金工作品などが見る者に悠久の時をさかのぼらせ、感銘のひとときを与えてくれる。
(いずれも2019年3月31日までの展示内容)

写真・図版
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春と秋の年2回、開放する庭園(写真)が、本館の北側に広がる。
日本庭園には、池を中心に5棟の茶室を配する。そのひとつに、円山応挙(1733~1795年)により描かれた障壁画(現在は複製)が施された応挙館がある。
桜の季節や紅葉の季節は、この庭園が美しく彩られる。
次回は、いよいよ本館を訪れ、その魅力に迫りたい。

<訪れた場所>
東京国立博物館
日本と東洋の美術および考古資料など、さまざまな文化財を有し、所蔵品は約11万7000件。うち国宝は89件、重要文化財は643件と、質・量ともに日本一のコレクションを誇る(2018年3月末現在)。総合文化展では常時約3000件を展示する。東京国立博物館の歴史は、明治から平成の日本の歩みとオーバーラップし、1872年(明治5年)、湯島聖堂で文部省博物館として最初の博覧会を開催したのが始まりだ。1881年(明治14年)、上野公園内旧寛永寺本坊跡地にイギリス人建築家のジョサイア・コンドル設計の博物館新館(旧本館)が竣工。1909年(明治42年)に皇太子殿下(大正天皇)の御成婚記念として表慶館が開館。1917年(大正6年)には森鴎外が総長に。1923年(大正12年)の関東大震災で旧本館が損壊する。1938年(昭和13年)に現在の本館が開館。1999年(平成11年)には、皇太子殿下御成婚を記念して平成館が開館した。代表する歩みだけをたどってみても、その偉大さが伝わる。

開館時間:9:30~17:00 金曜日・土曜日は21:00まで
2018年4月~9月までの日曜・祝日・休日は18:00まで、9月21日(金)・22日(土)は22:00まで、10月31日(水)・11月1日(木)は21:00まで開館(入館はいずれも閉館30分前まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)と、年末年始
ゴールデンウィーク期間とお盆期間中(8月13日~8月15日)は原則として無休
入館料:一般620円(70歳以上と、高校生以下および満18歳未満は無料)
東京都台東区上野公園13-9 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.tnm.jp/

コート¥98,000/マッキントッシュ(マッキントッシュ青山店 03-6418-5711)、ニット¥16,000/トゥモローランド トリコ(トゥモローランド 丸の内店 03-5220-2391)、パンツ¥27,000/GTA(八木通商 03-6809-2183)、シューズ¥50,000/フェランテ(SDI 03-6721-1070)、カメラ本体¥340,000、レンズ¥145,000/ともにライカ(ライカサポートセンター 0120-03-5508

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

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Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Tomohiro Saitoh(GLOVE)
Hair & Make-up:Ryo(COME HAIR)
Edit & Text:Haruhiko Ito(office cars)

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