旅と暮らし

正統派にして進化系、ニュージーランド産ワインの代表格を味わう
ドッグ・ポイント・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン セクション94
[今週の家飲みワイン]

2019.01.11

写真・図版 小松宏子

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ニュージーランドと言えば、冷涼な気候が幸いして、クリーンで良質なソーヴィニヨン・ブランが多く造られていることで知られる。

「産地としては非常に優秀な国です。安すぎず、高すぎずという価格帯に特化し、一貫した中程度の高級ワインを造ってきました。マールボロとその周りのエリアだけで、これだけ短期間に、“ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン”という確固たるブランドを築いたのですから、新世界のワイン産地の成功のモデルケースと言って間違いありません。けれど、隣国のオーストラリアに比べて保守的な人が多いためか、そのラインをずっと守りつづけてきたがゆえに、それ以外のワインの進化が遅れてしまいました。ワインの進化は新世界に限ったことではなく、ボルドーやブルゴーニュなどの銘醸地でも、細かなスタイルの更新は頻繁に行われているのです。ところが、ニュージーランドでは30~40年停滞していました。2010年前後を境に、ようやく本格的なNZワインの多様化が始まり、シャルドネ、リースリング、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨンなども優れたワインが多く造られるようになってきました」と梁さんは言う。

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ニュージーランドの第1回目は、ニュージーランドを代表するぶどう品種ソーヴィニヨン・ブランの正統派の進化系ともいえる一本「ドッグ・ポイント・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン セクション94」を紹介しよう。

ドッグ・ポイント・ヴィンヤードは、ニュージーランドのワイナリーで最大手のクラウディーベイ出身の二人が設立したワイナリーだ。1970年~1980年ごろのクラウディーベイ時代に植樹したぶどうをもとにナチュラルなワイン造りを始めた。なかでもセクション94の畑は、クラウディーベイ時代に必ずトップ3に入っていたほどの優良区画だという。

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「ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは、飲み口はすっきりして香りは華やかですが、どうしても深みに欠けるものが多いんです。ところが、このセクション94にはそれがない。つまり、ミネラル感が強いのです。ちょっとパッションフルーツっぽいニュアンスもあり、それが華やかさとなり、後口にはしっかりとしたボディーが感じられます。やや高価ですが、ニュージーランドのソーヴィニヨンがたどり着ける最高峰と言えるでしょう」

セクション94が別格の美味を誇るもうひとつの理由は、野生酵母を100%使用して、よりマールボロの土地らしさを表現していることにある。トロピカルなニュアンスも野生酵母に由来する。ちなみに通常のソーヴィニヨン・ブランはシトラス系ですっきりとした味わいを目指すため、野生酵母は20%に抑えるのだそう。それだけ大きな違いがあるのだ。これまでニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランにどこか物足りなさを感じていたなら、ワンランク上のこちらを試してほしい。

<<ACモルゴン・コート・ド・ピィ2016

  Sato リースリング 2012>>

Photograph:Makiko Doi

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