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トレンドの潮目。
ジャケットスタイルは、どこへ向かう?

2019.02.04

柴田 充 柴田 充

トレンドの潮目。<br>ジャケットスタイルは、どこへ向かう?

派手な色使いや大胆なロゴマークが主流だったカジュアルファッションもようやく落ち着きつつあります。それに代わって、シックなスタイルにイタリアンファッション本来の遊び心や楽しさを求める気運が感じられたのが、L.B.M.1911のブースでした。

L.B.M.1911は、1911年に創業したファクトリーブランド、ルビアム社のオリジナルブランドとして2006年に登場しました。展示でもひときわ目を引くのは、ディスプレーされたトータルルック。アイテムを単体ではなく、コーディネートすることで、見る者によりリアリティーのある着こなしをイメージさせます。しかもそのスタイリングは、全体のフォルムから色や柄、素材感まで見事に調和するとともに、イタリアらしい伊達(だて)や新鮮な時代感も忘れません。これを目当てに世界のバイヤーが訪れるというのもうなずけます。

ルビアム長でクリエイティブディレクターを兼任するジョヴァンニ・ビアンキ氏に新作の傾向について伺いました。

「まずカラーが豊富ということ。たとえば黄色、マスタードカラーですね。コーデュロイやニットのような素材の風合いを打ち出したものも増えています。本来カジュアルなイメージが強いコーデュロイも、チェック柄などで都会的な洗練を感じさせるとともに、ストレッチを備えて着心地のよさも追求しています」

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これも特徴的ですね、と指したのがピークトラペルのダブルとM-65フィールドジャケットのコーディネートです。

「スポーティーは依然トレンドのキーワードであり、特にミリタリーシックは人気です。スポーティーなタートルネックのインナーに、ブラウンとイエローのコーディネートも旬を感じさせますね」

続いて注目したのが、クラシックなダブルのコートにスポーティーなジャケットを組み合わせたルック。

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「最近ではアイテムもボーダーレス化し、シャツジャケットはシャツ生地を使うことで、柄や生地合いはジャケットに近く、シャツのような軽い着心地が味わえます。ボルドーとナチュラルカラーのコンビネーションも採り入れやすいと思いますよ」

いずれもオーソドックスにもかかわらず、スタイリッシュな印象を与えます。そしてシンプルだからこそ組み合わせもしやすいのでしょう。最後に着こなしのアドバイスをいただきました。

「ジャケットは比較的シンプルにして、ニットのほか、スカーフやチーフといった小物でカラーや柄のアクセントを加えるのがいいと思います。上質なものは飽きることなく長く着られますし、多彩なおしゃれが楽しめますよ」

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http://www.toyodaco.jp/l-b-m-1911/

プロフィル
柴田 充(しばた・みつる)
フリーライター。コピーライターを経て、出版社で編集経験を積む。現在は広告のほか、男性誌で時計、クルマ、ファッション、デザインなど趣味モノを中心に執筆中。その鋭くユーモラスな視点には、業界でもファンが多い。

Photograph:Mitsuya T-Max Sada
Text:Mitsuru Shibata

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