週末の過ごし方

コクがあるのに爽やか、アンチョビとオリーブのとろとろマッシュポテト
[長尾智子 料理の歳時記]

2019.02.14

コクがあるのに爽やか、アンチョビとオリーブのとろとろマッシュポテト<br>[長尾智子 料理の歳時記]

食材は旬の時期に味わうのがいちばん。出盛りの食材をいかにおいしく料理するか。料理研究家の長尾智子さんに教えていただきます。

冬の食材『じゃがいも』

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南米原産。1600年ごろにオランダ船によって、現インドネシアのジャカルタ港経由で日本へもたらされた。その後、「ジャガタライモ」を略して「ジャガイモ」と呼ばれるように。おなじみの男爵、メークインのほか、きたあかり、紅丸などの品種が増え、最近では紫色のシャドークイーン、ピンク色のノーザンルビーなど、色とりどりの品種も登場。世界中で親しまれている食材なので、レシピも多種多様。和洋さまざまに楽しめる。

「ゆで上げるとき、水気を切らずにマッシュすれば、やわらかくとろりと仕上がります。加える油脂は、バターとオリーブ油の2種類です。コクのあるバターの風味にオリーブ油が加わると、フレッシュ感が増していつもの味とは違うおいしさに。仕上げに、アンチョビとグリーンオリーブを。冷めても風味がしっかり残るので、多めに作っておくとよいでしょう」

<材料(4~5人分)>
じゃがいも(男爵、北あかりなど) 中5個
無塩バター 30g
オリーブ油 大さじ2
アンチョビフィレ  4枚
グリーンオリーブ(種を抜いたもの) 約12個
塩 少々

<作り方>
1.じゃがいもは、洗ってから皮をむき、1個を6等分くらいに切り分けて軽く水にさらす。鍋に入れ、ひたひたの水(材料外)を注いで中火にかける。煮立ってきたら少し火を弱めて、じゃがいもが柔らかくなるまで茹でる。

2.1のじゃがいもが煮くずれたら、水気が残ったままの状態で火を弱め、塩、バター、オリーブ油を加えて泡立て器でつぶす。通常のマッシュポテトより柔らかく仕上げるので、水気が飛んだら途中で水を足し、ごく小さな塊が残る程度までつぶし続ける。

3.2の味を見て、足りなければ塩を足し、とろりとしたピュレ状にする。器に盛り、2〜3等分にしたアンチョビとグリーンオリーブを散らす。そのままでも、パンにのせても美味しい。

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「料理の歳時記まとめ」はこちら

プロフィル
長尾智子(ながお・ともこ)
フードコーディネーター。レシピのみならず、調理道具、器、食文化全体を大きくとらえた独自の世界観が、性別を問わず支持を集める。「食べ方帖」(文化出版局)など著書多数。新刊は、お茶とお菓子、お酒と肴(さかな)を一冊にまとめた「ティーとアペロ」(柴田書店)。
vegemania.com

Photograph : Masanori Akao
Food Coorditate : Tomoko Nagao
Edit : Mika Kitamura

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