腕時計
SIHH2019 ジュネーブサロン・リポート
ピアジェ
2019.03.19
高級時計の新作がいち早く出そろう、毎年恒例の国際展示会・SIHH(ジュネーブサロン)がスイスで1月14日から17日まで開催された。ラグジュアリー感あふれる落ち着いた雰囲気の会場に、約2万3000人が来訪したという(主催者発表)。このSIHH2019から、主要ブランドの動向と、魅力的な新作をピックアップして紹介する。
高級スポーツモデルの「ピアジェ ポロ」にグリーンダイヤル
ピアジェは、機械式ムーブメントを自社開発するマニュファクチュールというだけでなく、女性を飾るハイジュエラーとしても世界的な知名度を誇る希有なブランドだが、今年はメンズ、レディースともにジェムセッティングの技巧を発揮した新作がラインアップされた。
高級スポーツモデルとして1979年に初登場した「ピアジェ ポロ」は、2016年に新デザインを発表。丸形ケースにソフトなエッジの角形ダイヤルを組み合わせた独特のスタイルとなったが、このモデルにダイヤモンドをちりばめた豪華なバージョンのほか、グリーンのダイヤルにダークグリーンのレザーストラップをセットしたモデルが追加された。完全な同色ではなく、トーンを変えたコンビネーションがピアジェならではのセンスと言えるだろう。
ピアジェを代表する極薄モデル「アルティプラノ」でも、ディープブルーのダイヤルをダイヤモンドが取り巻く華やかな限定モデルが加わったが、メテオライト(隕石)をスライスしてダイヤルに加工した新作が興味深い。鉄隕石の断面に見られるニッケルとの結晶構造が独特の模様を生み出している。細身の時分針にバーインデックスというシンプルを極めたモデルなので、ダイヤルの魅力を堪能できる。
Ladies' Watch Information for Gentlemen
[紳士も知っておきたい淑女の時計]
アシンメトリーの絶妙なバランスに見ほれる
「ライムライト・ガラ」は、ジュエラーとしてのピアジェの卓越したデザインセンスを象徴するモデルと言えるだろう。アシンメトリー(非対称)に長く伸びたラインが優美な曲線を描くだけでなく、大きさの異なるダイヤモンド(約4.74カラット)を緻密(ちみつ)にセッティングしている。1970年代のアーカイブから着想したモデルであり、絶妙なバランスが高貴な気品を感じさせる。今年はグリーンのマラカイトをダイヤルに採用した新作が発表された。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/ピアジェ コンタクトセンター 0120-73-1874
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。