旅と暮らし

すべて実食! 自慢の手土産。#20
「玉英堂」の虎家喜

2019.04.08

写真・図版

縁起のよい虎模様をかぶった伝統のお菓子は、なによりも使い勝手がよい。

手土産を選ぶときは、幅広いラインアップから、贈る相手を思いながらセレクトするのが理想的だが、忙しいビジネスパーソンは、なかなかそうはいかない。ふだんからいくつか持ち駒をキープしておくのも手だ。味よし、ルックスよし、軽くて、嵩張らず、個別包装でオフィスでも配りやすく、常温保存が可能。安定感があり、どこに出しても恥ずかしくない上質感のあるもの。こんな数々の基本をクリアしたものこそラインアップにふさわしい。

そこで持ち駒のひとつにぜひ加えたいのが「玉英堂」の虎家喜(とらやき)だ。玉英堂は天正4年(1576年)に京都で創業したと言われ、昭和29年に人形町に移転してきた。なんと450年近い歴史を持つ菓子屋なのだ。現店主の23代目が生まれた時に考案された虎家喜は、玉英堂の店主が3代に渡って寅年生まれだったことから、名付けられもので、中国では寅年が3代続けて生まれると子孫が繁栄すると言われる縁起のよさにもあやかっている。

店舗は人形町駅から歩いて1分もかからない場所にあり、まず目に入るのが暖簾に描かれた「州濱(すはま)」の紋。州濱とはきな粉や水飴などを練って作る菓子で、江戸時代から御所に州濱を納めてきたことから、この由緒ある紋様を暖簾にもあしらっている。虎家喜のおすすめの理由のひとつが、この州濱紋を描いた紫の包み紙と金色の紐のパッケージ。歴史を積み重ねた風格というのか、ただならぬオーラを放っているのだ。

「虎家喜(とらやき)」は、どら焼きに似た和菓子で、皮は80年あまり前に考案されたとは思えないモダンな味わいで、ふわふわと柔らかい。その皮の間からちらりと見える餡がまた旨い。粒が丸々残っているかのようなつぶ餡で、和三盆と粒の大きなザラメ糖を合わせて作った蜜でしっとり感も加わっている。使用する小豆は、高級小豆と言われる大粒で、味、香りともに豊かな北海道産の大納言。これを甘さ控えめに仕上げ、ふくよかな豆の味が感じられる絶品の餡を作り上げている。

手土産の諸条件を満たしつつ、特別感もある玉英堂の虎家喜。店舗は日本橋の1店舗のみだが、平日は21時までオープンしているので使い勝手もいい。困ったときの虎家喜とまでは言わずとも、ぜひ手土産のラインアップに加えておきたい逸品なのだ。

写真・図版

玉英堂
東京都中央区日本橋人形町2-3-2
営業時間/月~金曜9:30~21:00・土曜9:30~20:00・日曜・祝日9:30~17:00
定休日/不定休
価格/虎家喜1個280円、10個入り3,000円(箱代込み)
問/03-3666-2625
※価格は税込み

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Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Keiko Katanozaka
Edit & Text:Mayo Morino

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