旅と暮らし

すべて実食! 自慢の手土産。#23
「銀座 鮨青木」の太巻

2019.05.07

写真・図版

江戸前の手仕事の神髄が感じられるこだわりのすし折

日本人にとってやっぱりすしは特別な存在。すしと聞くだけで心が躍る。まして名店のすし折ともなればなおさらだ。大人だけに許される特別な手土産になる。今回紹介する「銀座 鮨青木」は親子2代続く、言わずと知れたすしの名店、江戸前の伝統を受け継ぐ上質なすしが味わえる。

夜はなかなか入りづらいが、お持ち帰りすしは3000円からあり、食通の人にも自信を持って贈ることができる。ちらしやにぎりなどいくつか種類はあるが、筆者のイチオシしは「太巻」。薄っすらと鮨青木の崩し文字が透けて見える白紙に包まれ、オレンジと緑の松葉結びのひもが粋なすし折は、外観からしてただならぬ雰囲気を醸し出している。

太巻は時間が経ってもおいしい点が、手土産として使いやすい理由のひとつだが、名店の太巻にはひと味もふた味も違う特別感がある。ひとつのロールにいくつものこだわりを秘めているのだ。まず一般の太巻に比べて気持ちだけ小さく、食べやすいように工夫されている。中身は、芝エビのすり身を加えた卵焼きに、かんぴょう、しいたけ、三つ葉、そしてほんのりと甘い芝エビのそぼろ。そのひとつひとつを数時間かけて酢飯に合う絶妙な味わいに仕上げてあるのだ。

海苔は初代のころから使っている千葉県産。海苔にもはやりがあり、昔は薄手で口に入れるとすぐに溶けて香り立つものが好まれたが、最近は、少し厚めでパリッとした食感がはやりだそうだ。青木は今も昔ながらの風味豊かで口溶けの良い海苔を使っている。シャリには冷めてもおいしいコシヒカリ。赤酢は隠し味程度にほんの少しだけ。昔ながらのまろやかな酸味の酢だ。

すし折を開けると、きれいに切り分けられた、見るからにおいしそうな太巻きが姿を現す。時間が経って味がなじんだシャリ、それと一体になった海苔、さらに卵焼きやそぼろなど5種類の具材のバランスが絶妙で、三つ葉の苦みがいいアクセントになっている。店主の青木利勝さんが言う小さめのサイズ感もいい。

手間暇を惜しまず、これだけきっちりと仕事をした正統派江戸前ずしの太巻は、贈り手としても誇らしい気持ちになる。技とこだわりが詰まった名店のすしだからこそ、相手の記憶にもしっかりと残るはずだ。

写真・図版

銀座 鮨青木(銀座本店)
東京都中央区銀座6-7-4 銀座タカハシビル2階
営業時間/12:00~13:30、17:00~21:30
定休日/年末年始
価格/太巻き3240円~ ※価格は税込み
問/03-3289-1044
https://www.sushiaoki.jp/

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Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Keiko Katanozaka
Edit & Text:Mayo Morino

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