美しい時計

伝統と革新の融合で未来を紡ぐ。
世界初を連発してハイレベルな独走を続ける、
ウブロの魅力を探る

2019.05.15

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スイスで毎年開催される国際時計・宝飾展示会、バーゼルワールドのメイン会場エントランスからほど近いウブロのパビリオンは、終日にわたって人だかりが絶えない。魅力的な新作が多いだけでなく、驚きと感動すら与えてくれるからだ。このため世界的に人気の高いブランドだが、中でも日本の販売実績はトップクラスという。リカルド・グアダルーペCEOに、ウブロの時計の魅力と、数多くの新作を生み出すエネルギーの源泉などについて聞いた。

ウブロの時計は遠目でも分かりやすい独特の魅力と存在感を備えている。それでいて子細に見れば、それぞれのモデルに独創的な個性があり、様々な新素材も多用されている。そんなウブロに惹かれる日本人は少なくなく、売上げも世界でトップクラスに位置するという。

「国別で見れば、日本はウブロの販売実績でアメリカと1、2位を競う重要な市場です。日本は成熟したマーケットですから、そのような国で高い人気を維持しているのは大変に光栄だと感じています。日本のお客様はとても洗練されており、いささか難解なウブロのコンセプト『アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)』を正しく認識しているだけでなく、それぞれのモデルについても深く理解されています。その結果として、群を抜いた販売成績になっているのではないでしょうか」(リカルド・グアダルーペCEO、以下同)

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リカルド・グアダルーペ氏/ウブロCEO。1965年スイス・ヌーシャテル生まれ。アメリカ・UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)卒業後、スイスに戻り、時計業界で経験を積む。2004年にジャン-クロード・ビバー現会長に呼び寄せられてウブロに入社。2012年から現職。

近年の新作では、彫刻家のリチャード・オーリンスキーとコラボレーションしたモデルが絶好調という。ケースに複雑なファセット加工を施し、アーティスティックな立体感を強調したモデルだ。

「ウブロでは毎年3月下旬に開催される国際時計宝飾展示会のバーゼルワールドをメインとして、1月に実施されるジュネーブサロン(SIHH)と同時期にも独自の発表会を行ってきました。今年のジュネーブでは非常に革新的で独創的なモデルを発表できたと思います。それに続くバーゼルワールドでは、昨年はワールドカップ開催年だったのでサッカー一色だったのですが、今年はフェラーリがメイン。スクーデリア・フェラーリチームが今年で90周年を迎えたので、これを記念したモデルも披露しました。さらに『クラシック・フュージョン』の新シリーズとして、『フェラーリGT』も追加したことも大きなニュースではないでしょうか。トラディショナルなスタイルの『クラシック・フュージョン』にレーシングカーのエッセンスを導入。高速で長距離を疾走するGTカーの世界観をエレガントに表現することで、まったく新しいイメージに生まれ変わったと思います」

フランス語で「舷窓」を意味するウブロは、1980年のバーゼルフェア(現バーゼルワールド)でデビュー。ゴールドケースにナチュラルラバーを組み合わせた独創的なスタイルが大きな話題を呼んだ。2004年にCEOに就任した現会長のジャン-クロード・ビバーは、この精神を進化・発展させた「アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)」をコンセプトに設定。多層構造のケースと特徴的なベゼルを備えた「ビッグ・バン」を発表して世界的なヒットとなった。いかにも機械式と感じさせる個性の強いデザインとラージケースというだけでなく、ケースもダイヤルもブラックだけで統一した『オールブラック』で世界を驚嘆させたこともある。このスタイルは時計界のトレンドにもなったが、新素材の独自開発にも熱心に取り組んでおり、ゴールドにセラミックを融合したマジックゴールドなど、数々の世界初を生み出してきた。さらに近年は、宝飾系のアプローチも目立つように感じられる。

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今年1月にジュネーブで発表された新作。(上から順に)「ビッグ・バン ウニコ ブルーマジック」。ケースとベゼルはブルーセラミック、自動巻クロノグラフ、直径45㎜、世界限定500本、\2,220,000(税抜き)。「クラシック・フュージョン トゥールビヨン 5デイ パワーリザーブ オーリンスキー ブラックマジック」。ケースとベゼルはブラックセラミック、手巻き、直径45㎜、世界限定30本、\9,470,000(税抜き予価)、9月発売予定。「スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア」。ケースとベゼルはイエローサファイアクリスタル、自動巻きクロノグラフ、ケースサイズ径42㎜、世界限定100本、\11,140,000(税抜き予価)、6月発売予定。

「ダイヤモンドよりも希少な天然石のパライバトルマリンをふんだんに使用した新作を追加したので、そのように感じられるかもしれません。しかしながら、単に宝飾を手がけたということではなく、ウブロが目指す革新性の一環と考えてほしいですね。世界初のイエローサファイアモデルも、曇りのない鮮やかなレッドやブルーのセラミックも同じコンセプトから創出されたものです。ウブロは常に他ブランドがしないこと、できないことを率先して追求しており、時計業界を根底から変えるような勢いで様々なことにチャレンジしてきました。それこそが『アート・オブ・フュージョン』の本質であり、時計を通して私たちの熱意を感じていただければ何よりです」

ウブロでは、SIHHの開催時期に対応した独自発表会と3月のバーゼルワールドを合わせて、毎年100型以上の新作を発表してきた。これほど多くの新作を発表するブランドは、時計界では稀有といっていい。そのアイデアとエネルギーはいったいどこから生まれてくるのだろうか。

「100年を超える老舗も珍しくないスイスの時計ブランドと比べれば、ウブロは歴史が浅く、とても若いブランドです。アーカイブの蓄積も乏しい中で成功するためには、やはり革新性と創造性が重要になってきます。それがウブロの理念というか、企業文化として社員全員にしっかりと根付いており、数多くの新作を毎年発表できるのも、そうした共通意識にもとづくエネルギーがあるからだと思っております」

それにしても、毎年100型以上の新作というのは尋常ではない。一般的にはコレクションやテーマを絞り込み、その中でのリニューアルや新しいバリエーションを追加するのが普通だ。ウブロも今年のフェラーリのようにテーマを設定するが、単独ではなく複数が共存。何よりも徹頭徹尾の新作があふれんばかりにラインナップされる。それだけでなく、毎年のように世界初が登場するのだから、感心せざるを得ないのである。

「他ブランドと同じことは決してやらないという矜持だけでなく、数多くの世界観を新作として提供することで、お客様自身に『これは分かる』『これは面白い』『これは好きだな』と選び取っていただけるようにすることが目的なのです。コアなパートナーシップとしてサッカーとフェラーリがありますが、それ以外にもアートや音楽などいろいろな分野に拡大しています。その中にお客様の好みや世界観が一致するものが必ずあるはずですから、特にひとつのテーマだけに決め込むことはありません。選択肢をできるだけ幅広くして、多様な好みを受け止めたいと考えているのです。
世界初については、ウブロでは研究開発に積極的に投資しており、常に10件以上のプロジェクトが同時進行しています。さすがにムーブメントの新規開発は時間がかかりますが、これまでの技術蓄積に新しい要素をアレンジするなどの様々な手法によって、ほぼ毎年、何らかのカタチで世界初を発表することができました」

メジャーリーグで活躍する田中将大を始めとして、世界的に有名なアスリートたちをアンバサダーに起用していることから、ウブロを「勝者の時計」「成功者の時計」と評する人もいる。その感想も含めて、最後に的確なウブロの選び方を教えてもらった。

「確かにウブロを腕にしている人は成功者と言っていいのではないでしょうか。ライフスタイルにもよりますが、ウブロは非常に個性の強いブランドですから、少なくともそれを身に付けられるだけの自信を持っている人と言い換えることもできます。敢えてウブロを腕にすることで自信と誇り、そして勇気を持つことができれば、その瞬間から成功に近づくと言えるかも知れません。ですから、ウブロの時計を選ぶなら、自分の感情(エモーション)に訴えかけてくるモデルを選んでほしい。それによって強い愛着も沸いてくるはずです。私たちの使命をごく簡単に表現すれば、『ああ、これはいい。欲しいな』と思わせる時計を作ること。そうした感性はお客様によって異なります。だからこそ、数多くの新作を製作しながら、様々な新素材も独自開発。世界初にも果敢にチャレンジしてきたのです」

Photograph: Kazuma Okita
text: Keiji Kasaki

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