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ファッショントレンドスナップ45{番外編}
ルイ・ヴィトンは生活のすべてをデザインする?
ミラノデザインウィーク リポート1
2019.06.05
![ファッショントレンドスナップ45{番外編}<br>ルイ・ヴィトンは生活のすべてをデザインする?<br>ミラノデザインウィーク リポート1](http://p.potaufeu.asahi.com/9025-p/picture/16502026/b6babdce6b072e35a42b00f1d331185e.jpg)
モノトーンのミラノの街がインテリアを中心としたデザインのお祭りになり、華やかさを増すタイミングがあります。毎年4月の上旬に開催される「ミラノデザインウィーク」がそのひとつ。メインはミラノ郊外にある見本市会場で開催される「サローネ国際家具見本市(通称 ミラノサローネ)」で、世界中のインテリアの専門メーカーが出展していて、どちらかといえばプロ向け(一般の人の入場も期日限定で可能)。
それに対してここ2〜3年で急速に盛り上がっているのが、ミラノの中心地のさまざまなエリアで開催されている「フォーリサローネ」。車メーカー、印刷会社、ファッションブランドといったさまざまなジャンルの会社が、デザインという切り口で展示会やインスタレーションを行っています。
こちらは、プロはもちろんのこと一般の参加も自由なところがほとんどで、ミラノの一般人や世界中のデザインに興味を持っている人が押しかけています。現在では、その2つを合わせて「ミラノデザインウィーク」と呼んでいます。
今回のファッショントレンドスナップは、番外編で「フォーリサローネ」の熱気と気になったアイティムをスナップしてみました。
第1回は、ルイ・ヴィトン。
![ルイヴィトン1](http://p.potaufeu.asahi.com/ea6e-p/picture/16502027/29c9d331e367fdf06ad29aceecb8d418.jpg)
ルイ・ヴィトンは、ミラノの中心地にある由緒ある建物、パラッツォ・セルベローニでインテリアの最新作を発表。「オブジェ・ノマド」という名前で繰り広げられた家具、照明等の作品は、ルイ・ヴィトンの世界観に世界のトップクラスのデザイナー(プロダクト、インテリア、建築家)が触発されて生まれたもの。
開催期間の週末には、建物の入り口がある大通りに行列が500m近くできるという大盛況ぶり。東京では、ラーメン屋やセレクトショップなどで一般の人の行列をちょくちょく目にしますが、ミラノでそれに直面することはまれ。というか、私もたびたびミラノに通っていますが、こんな長い行列を街で見たのは初めてでした。
![ルイヴィトン2](http://p.potaufeu.asahi.com/ad7b-p/picture/16502029/20b78779537c482a49d9db59d2c2030e.jpg)
展示会場内の中庭には、建築家の坂 茂がルイ・ヴィトンのバックに触発されてデザインしたという特設テントができていて、なかには彼の「Paper Temporary Structure」(紙の仮設構造物)が展示されていました。実は、通りだけではなくこの中庭にもぐるっと行列が……。ミラノの人たちは、インテリアに対する意識が半端なく高いということをここで痛感。
東京でも、インテリアや雑貨が好きな人はいますが、ミラノほど幅広い年齢層でインテリアやデザインに興味を持っている人がいる街は、ほかにはないのではと思うほどでした。ミラノ在住歴が30年近い日本人コーディネーターが言うには「日本人は家具やキッチン用品を選ぶときに機能や価格に重きをおいて選びがちですが、イタリアでは自分の気に入ったデザインが優先されます。多少使い勝手が悪くても、美しいことが一番大事なのです」
![ルイヴィトン3](http://p.potaufeu.asahi.com/5f29-p/picture/16502017/169c01b654228d9a5e912b2b13f19d3a.jpg)
今回の「オブジェ・ノマド」の参加デザイナーには、インテリアデザイン界のトップデザイナーから新進気鋭のアーティストまでさまざま。
日本からは、TOKYO2020オリンピックでの聖火リレートーチのデザインを担当した吉岡徳仁が参加。彼の写真は、掲示板のセンターの一番上で、インテリアデザイナー界のプリンセスというべきパトリシア・ウルキオラのとなりという厚遇でした!
![ルイヴィトン4](http://p.potaufeu.asahi.com/4819-p/picture/16502018/1bd9dae853682f3805d9f5e140b5d8fd.jpg)
こんなデザインのソファが展示会場の入り口で来場者をお出迎え。「ボンボカ ソファ」という名前で、デザイナーは、ブラジル出身のカンパーナ兄弟。兄は法律家で弟は建築家という異色デザイナーデュオ。
現場で座ることはできませんでしたが、最初はインパクト勝負的なものに見えていましたが、よくよく観察するとさまざまな姿勢でリラックスできるように考えられていることがわかってきました。
![ルイヴィトン5](http://p.potaufeu.asahi.com/1fe2-p/picture/16502021/17c868078a96464b1be5cc7c6889fc99.jpg)
この建物は、もともと17世紀に貴族だったセルベッローニ家の住居として建設された宮殿だけあり、内装は超クラシックで豪華絢爛。
そこに、モダンなデザインのソファやテーブル、椅子などが展示されていたのですが、なかでも来場者のほとんどがスマホで写真を撮っていたのが、エドワード・バーバー&ジェイ・オズガビーのランプがつり下げられた部屋(天井)。
この期間中、ミラノで一番インスタ映えしたポイントだった!?と言っても過言ではないくらいのインパクトでしたね。
![ルイヴィトン6](http://p.potaufeu.asahi.com/f203-p/picture/16502022/873fdaa88a47e71f008bf4305087223a.jpg)
天井にかかっていたランプは、このようにテーブルの上やベッドサイドでも使えます。充電式なのでアウトドアのテントの中でも使えるようになっていて、最長30時間まで使用可能。今回のコレクションのなかで、個人的にいいな!!と思ったのがこのLEDランプでしたが、あとでルイ・ヴィトンの公式サイトを見たら価格が¥535,000+tax !!
私には高嶺の花でした……。
第2回のミラノデザインウィーク リポートは、イタリアを代表するファッションブランド、グッチやアルマーニなどの展示会場の熱気をお伝えする予定です。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi
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