腕時計
バーゼルワールド2019 リポート
ウブロ
2019.06.14
1月のジュネーブサロン(SIHH)に続いて、バーゼルワールド2019がスイスで3月21日~26日に開催された。時計はもちろん、宝飾系ブランドも新作を披露する大規模な国際展示会だが、今年はオメガなどが属するスウォッチグループが不参加。その影響もあって出展社数は減少したが、会場は例年同様の活気が感じられた。スウォッチグループはブランド独自に新作を発表しているので、それらも含めて注目モデルをピックアップする。
日本限定のベルルッティホワイトレザーシリーズに、
シンプルな3針タイプが登場
バーゼルワールドのエントランス近くにパビリオンを持つウブロは、1月のSIHHと同時期にジュネーブで独自展示会も実施。この2回のイベントで発表される新作は、毎年100型以上。旺盛な開発力と技術力に感嘆させられる。
この多数の新作から、日本限定を理由にピックアップしたのは、昨年に発売されて大好評を博した「クラシック・フュージョン ベルルッティ スクリット フラットビアンコ」の3針モデル。ホワイトのヴェネチアレザーをダイヤルとストラップに使用。そこに18世紀のカリグラフィーにインスパイアされた手書き文字が刻まれている。昨年は2つ目玉のクロノグラフだったが、新作はシンプルな3針なので、レザーダイヤルの魅力をより堪能できるはずだ。ダイヤル内のレザーは、ウブロとベルルッティが共同開発した複雑で繊細なプロセスを通して、腐敗や酸化から守られるという。
もう1本は、有名なタトゥーアーティスト、マキシム・ビューチの幾何学的なデザインを導入した「ビッグ・バン ウニコ サンブルーⅡ チタニウム」。2016年に発表されたモデルを進化させた新作であり、タトゥーの世界まで目配りするウブロの視野の広さを象徴している。
ケース全体に六角形のベゼルモチーフを複雑にアレンジ。ダイヤルも幾何学的にデザインされており、12時位置に完全に重なった状態ではわかりにくいかもしれないが、大きな菱形が分を、その下の小さな菱形が時間を表示。頂点に小さな三角を持つ最も長い針がクロノグラフ秒針だ。両側のサブダイヤルも三角の組み合わせだが、3時位置の60分積算計は白の三角が指針となり、9時位置はスモールセコンド。視認性を損なうことのないよう、実に周到にデザインされているのである。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ 03-5635-7055
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。