腕時計

バーゼルワールド2019 リポート
ゼニス

2019.06.21

 バーゼルワールド2019 リポート<br>ゼニス

1月のジュネーブサロン(SIHH)に続いて、バーゼルワールド2019がスイスで3月21日~26日に開催された。時計はもちろん、宝飾系ブランドも新作を披露する大規模な国際展示会だが、今年はオメガなどが属するスウォッチグループが不参加。その影響もあって出展社数は減少したが、会場は例年同様の活気が感じられた。スウォッチグループはブランド独自に新作を発表しているので、それらも含めて注目モデルをピックアップする。

テンプに代わる革新的な機構を量産化。
パイロット・ウォッチで初のシルバーモデル

ゼニスは1/10秒を刻む機械式クロノグラフ・ムーブメント「エル・プリメロ」で知られているが、クロノグラフ機構を独立させて1/100秒を計測可能にした「エル・プリメロ9004」を開発。2017年から「デファイ エル・プリメロ21」に搭載してきた。同年には画期的な構造をもつ「デファイ・ラボ」も発表。このムーブメントを量産できるよう改良した「デファイ インベンター」が、今年のバーゼルワールドの話題をさらっていた。およそ350年にわたって変わることのなかった機械式時計の心臓部を、根本的に革新したからだ。テンプなどの調速脱進機構を1枚の薄型シリコンパーツに集約。その弾性変形によって、18Hz(36振動)の高振動を実現した。通常の機械式時計は4Hz(8振動)、「エル・プリメロ9004」でもベースムーブメントは5Hz(10振動)なので、3倍以上のハイビートだ。従来の調速脱進機のような接触がないため、摩擦や摩耗などが解消され、注油も不要。高精度で安定性が高く、耐磁性も抜群という。高速振動にもかかわらず約50時間のパワーリザーブを確保している。

この「デファイ インベンター」は放射状のオープンワークが施されており、独特のムーブメントの動きをダイヤルから見られる。ただし、10月発売の予定なので、ここでは「デファイ エル・プリメロ21」に追加されたカーボンモデルを紹介した。ケースやベゼルはもちろん、リュウズとプッシュボタンまでカーボン製。軽量性と耐久性に優れているだけでなく、独特の地紋が個性的。完全に同じ模様はほかにないことも魅力だ。

ゼニスはパイロット・ウォッチのパイオニアでもあり、ラージケースと大型リュウズの「パイロット タイプ20」に、ブランド初のシルバーケースがラインアップされた。リベットデザインのダイヤルもユニーク。

ASM_ZENITH_Defy-El-Primero-21-Carbon_Rubber
「デファイ エル・プリメロ21 カーボン」。1/100秒を計測できるクロノグラフ。ケースだけでなく、リュウズやプッシュボタンもカーボン製。自動巻き、パワーリザーブ約50時間、直径44㎜。¥2,030,000
b_ZENITH_Pilot-Type-20-Extra-Special-Silver
「パイロット タイプ20 エクストラスペシャル シルバー」。ゼニスでは初のシルバーケース。バックルもシルバー製。自動巻き、パワーリザーブ約50時間、直径45㎜。¥925,000、世界限定250本。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

問/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス 03-3575-5861

プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。

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