腕時計

できるビジネスマンがクォーツ式時計を選ぶべき理由

2019.09.12

できるビジネスマンがクォーツ式時計を選ぶべき理由
フォーミュラ1 クロノグラフ ガルフ スペシャルエディション¥183,600

クォーツ式時計とは? 仕組みや種類

腕時計には、大まかに分けて機械式とクォーツ式があります。それぞれに持ち味がありますが、ここではクォーツ式時計について深く掘り下げてみたいと思います。クォーツ式時計の仕組みと種類を知ったうえで時計を選べば、あなたの理想にかなった一本が見つかるかもしれません。

クォーツ式時計の仕組み
クォーツ式時計のクォーツとは水晶のことを指します。なぜ水晶なのかと言いますと、時を刻むための最も重要なパーツが水晶でできているからです。水晶は電圧を加えると1秒間に3万2768回という非常に細かい振動を発する特性があります。その振動を電気的な信号に変えて時計の針を動かす。それが、クォーツ式時計の基本的な機構です。

クオーツ式が正確に時間を刻む理由
もっと詳しく解説しますと、小さな水晶を使った水晶振動子と呼ばれるパーツに電圧を加えるのは、ボタン電池など小型の電池。それを動力源として水晶振動子に電圧を加えて振動を発生させると、それをステップモーターという電子回路が信号に変えて、1秒間に1回の電流を流して時間を制御します。水晶の振動は柱時計や壁掛け時計の振り子のようなもの。

それが、正確であればあるほど、精度が高まります。その点、クォーツ式時計の振動は一定なので、圧倒的な正確さを誇ります。精度でいえば、実に機械式時計の100倍もしくはモデルによってはそれ以上。機械式時計では一日に何秒ズレるかが精度の基準になるのに対して、クォーツ式時計では月、あるいは年に何秒のズレが生じるかが問われるほどです。

そんな精度の高さに加えて、クォーツ式時計は機械式時計に比べてパーツが少ないため、小型化できて衝撃に強いというメリットもあります。さらに、大量生産が可能なので基本的に価格が安いのも魅力となっています。

ちなみに、クォーツ式腕時計の市販化に世界で初めて成功したのは、日本の時計メーカーのセイコーです。1969年にアストロンというモデル名でクォーツ式時計を発売すると、スイスを中心とした機械式時計のメーカーが大きな打撃を受け、倒産する会社も少なくありませんでした。この出来事は“クォーツショック”と呼ばれ、後世に語り継がれるほど、時計業界に大きな変革をもたらしました。

クォーツ式時計の種類
水晶振動子によって時間を制御するという基本的な機構は同じですが、クォーツ式時計にはいくつかの種類があります。大きく分けると、電池から得られるエネルギーを針の動きに変えるアナログ式、水晶振動子から得た信号を電気回路でデジタル情報に変換して液晶画面に表示するデジタル式。そして、その両方を文字盤に収めた複合式。これらの方式は、機能性だけでなく、デザインにも大きく影響します。自分が求める性能とデザインを兼ね備えた一本を探してみましょう。

また、クォーツ式時計の動力源となる電池にも種類があります。スタンダードなボタン電池のような使い捨ての電池で動くモデルのほか、太陽光で発電するモデルや自動巻の機械式時計のようにローターが回転することで電力を蓄えるモデルもあります。こちらもライフスタイルや使い方に応じて選ぶといいでしょう。

ビジネスマンがクォーツ式時計を選ぶべき5個の理由

 400_クオーツ-アクアレーサーWAY101C
アクアレーサー クォーツ¥183,600

さまざまな種類と特徴があるクォーツ式時計ですが、実はビジネスマンにとってうってつけな時計でもあるのです。その理由をここで解説してきましょう。

理由① とにかく便利
機械式時計は手巻きにしろ、自動巻きにしろ、ゼンマイがほどけきってしまうと針が止まってしまいます。そのため、再度巻き上げるのに手間がかかりますし、時刻を合わせ直す必要が出てきます。しかし、クォーツ式時計であれば何もせずとも、電池がなくならない限り動きつづけます。忙しい日々を送るビジネスマンにとって、手間のかからないクォーツ式時計は合理的な選択肢だと言えるでしょう。

理由② 時間が正確
ビジネスマンにとって時間を守ることはとても大切です。しかし、機械式時計では、どうしても一日に数秒、個体によっては30秒~1分以上のズレが生じてしまいます。数秒なら大したことありませんが、それが蓄積すると数分のズレになってしまいます。毎日、正しい時刻に調節していないと、約束に遅刻してしまったりしかねません。

一方のクォーツ式時計は、ズレが月に数秒程度という高い精度を誇ります。「年差クォーツ」と呼ばれるモデルでは、ズレが年に数秒程度。ほぼ狂いなく時を刻みつづけるうえ、時刻合わせをする手間もかからないクォーツ式時計は、分刻みのタイトなスケジュールで行動するビジネスマンにとって信頼できる相棒となるでしょう。

理由③ 衝撃や磁気に強い
丈夫であるということもクォーツ式時計の大きな長所です。クォーツ式時計は電池と電子回路が中枢部であり、機械的な構造が少なくシンプルなため、複雑な機械式時計よりも衝撃に強く壊れにくいのです。また、多くの金属パーツを使っている機械式時計に比べて磁気の影響を受けにくいため、携帯電話など磁気を発するものの近くに置いておいても磁気帯びしにくいというメリットもあります。

いくら丈夫とはいえ、あまりに強い衝撃や磁気に晒されると故障したり、時刻が狂ったりする可能性はありますが、普通に日常使いする分にはまったく問題ありません。アクティブに働くビジネスマンにとって、丈夫であるか否かは、時計選びの重要なポイントとなるでしょう。

理由④ コストパフォーマンスが高い
コストパフォーマンスの高さもクォーツ式時計の魅力です。電気回路を搭載した工業製品であるクォーツ式時計は大量生産が可能で、生産コストを低く抑えられます。そのため、機械式時計に比べると全体的にかなり安めの価格設定となっています。クォーツ式時計にも数十万円の値がつけられたモデルもありますが、それらは非常に高性能であったり、有名ブランドが手がけているといった付加価値によるものです。

また、高価格なクォーツ式時計を販売しているブランドは、その上位モデルとしてさらに高額な機械式時計をラインアップしている場合が多いです。そう考えると、機械式時計に比べて割安であるにもかかわらず、精度が高く、頑丈なクォーツ式時計は、コストパフォーマンスにとても優れていると言えます。

理由⑤ 薄く美しいフォルムがスーツにうまくマッチする
クォーツ式時計は機械式時計よりもパーツの数が少なく、構造もシンプルなため、小型化、薄型化が可能です。もちろん、防水機能を付加するためにケースを頑丈にしたり、あえてデザイン的にボリュームをもたせたりすることで厚みが出る場合もありますが、全般的に機械式時計に比べるとコンパクトです。そのため、スーツスタイルの手元にすっきりと収まりますし、主張しすぎず上品な印象を与えるので、ビジネスシーンにとても適した時計だと言えます。

ステータスが気になる方へ。ワンランク上のクォーツ式時計の選び方

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フォーミュラ1 クオーツ¥167,400

クォーツ式時計には、これまでに見てきたようなメリットがある一方で、安価ゆえに、ステータス性が低く、チープなイメージで見られがちです。しかし、選び方次第では、そんなイメージを払拭するワンランク上の一本を手に入れることができます。

外装素材やデザインに気を遣う
価格はどうしても見た目に反映されてしまいます。安価な時計は、ケースにメッキ処理を施していたり、ベルトに合成皮革を使っているなど、見る人が見れば安物だとわかってしまうような外装となっています。メッキは見た目を華やかにしてくれますし、合成皮革は水洗いできるなど、確かに利便性は高いのですが、ステータスを主張できるものではありません。クォーツ式時計でもワンランク上に見せたいならば、多少値が張ってもステンレススチールを使った本格派のケースを採用していたり、本革のベルトを装着しているなど、オーセンティックな素材使いのモデルを選ぶのが無難です。

高級時計ブランドのクォーツ式モデルを選択する
確かなステータスを主張したいなら、高級時計ブランドのクォーツ式時計を選んでみてはいかがでしょうか? 雲上ブランドと呼ばれる超高級時計ブランドでもクォーツ式時計をラインアップしていることがあります。機械式時計に比べると選択肢は少ないですが、誰もが納得する確かなブランドのものであり、なおかつ性能にも優れた一本を手に入れることができるでしょう。

どうせなら超ハイテクに! 電波時計という選択肢
高度な機能を搭載したハイテクなクォーツ式時計を選ぶことで、デザインやブランドではなく、あくまで機能性を重視していることを主張するのもひとつの手です。なかでも、基本的なクォーツ式時計の機能に加えて、標準電波を受信して時刻やカレンダーを自動修正する電波時計はハイテクの極み。機械式時計では不可能な圧倒的な精度を誇るだけでなく、クォーツ式時計のなかでも上位モデルに位置付けられるため、高級感のある外装でステータス性も主張できます。

ただし、たとえ電波時計でもデジタル式だと安価で説得力に欠けるため、ステータスを求めるならばアナログ式を選ぶほうがいいでしょう。また、スポーティーなデザインのモデルが多いため、職種によってはビジネスシーンにふさわしくなかったり、スーツスタイルにマッチしない可能性もあります。仕事で使うことを想定しているなら、デザインにはしっかり気を配りましょう。

クォーツ式時計によくある誤解

クォーツ式時計は歴史が浅いためか、さまざまな誤解が広まっており、それが敬遠されるひとつの要因にもなっています。ここでは、そうした誤解を解きながら、クォーツ式時計の実際を探っていきましょう。

誤解① クォーツ式時計の寿命は短く1年くらいしか使えない
クォーツ式時計は1年ほどしか寿命がなく、長く使うことができないという誤解があります。確かにクォーツ式時計が世に出たばかりのころは、性能のいい電池がなく、寿命が1年ほどしかない時計もありました。しかし、現在では改良が進み、ほとんどの電池で寿命が5年以上になっています。また、電池が切れたら寿命だと思われがちですが、電池交換さえすれば使いつづけることができます。さらに、太陽光で発電するソーラー電池やローターによって充電する機構を備えたクォーツ式時計であれば、電池の寿命を気にする必要はありません。

しかし、クォーツ式時計の心臓部である電子回路自体が壊れてしまうと使いつづけることは困難です。また、機械式時計が金属や人工ルビーなど硬度が高く高級な素材を使って耐久性を確保しているのに対して、安価なクォーツ式時計の場合はプラスチック素材などを使用しているため、長持ちしづらいという面もあります。高級ブランドの時計であれば、ムーブメントを交換してくれる場合もありますが、やはり相応のコストがかかってしまいます。1年ほどしか寿命がないということは決してありませんが、こうしたリスクがあることは頭に入れておきましょう。

誤解② 多機能モデルがない
クォーツ式時計は機械式時計に比べて、さまざまな機能を搭載できないという誤解もあります。確かに、機械式時計は、ストップウォッチ機能を備えたクロノグラフをはじめ、カレンダー機能、GMT機能といった独自の機能を備えたモデルが多くラインアップされています。しかし、現在では技術の向上により、クォーツ式時計であってもクロノグラフやGMT機能を備えたモデルが多く登場しており、多機能を求める人のニーズを満たしています。ただ、多機能であればあるほど電力を多く消費しますので、モデルによっては電池の寿命が短くなるということも理解しておきましょう。

誤解③ リセールバリューがまったくない
クォーツ式時計はリセールバリューがまったく無いと言われることがありますが、必ずしもそうではありません。確かに、機械式時計は中古市場が確立されており、ものによっては定価を超えるほどの高価格で買い取ってもらえることもあります。これはやはり、メンテナンスをしていればずっと使いつづけられるという機械式時計ならではの特性によるものでしょう。一方、クォーツ式時計では多くの場合、電子回路が壊れたら寿命なので、リセールバリューはどうしても低くなり、安価なモデルだと値がつかないこともあります。それは機械式時計の場合も同じで、無名ブランドの安物やコンディションの悪い時計の市場価値は期待できません。しかし、高級ブランドのクォーツ式時計で、コンディションもよければ、機械式時計と同様に適正な価格で買い取ってもらえます。その点では、確かなブランドのクォーツ式時計を選んだほうがお得と言えるかもしれません。

長く愛用するために。クォーツ式時計の使用の際に気をつけたいこと

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アクアレーサー クオーツ¥178,200

いかに丈夫で精度の高いクォーツ式時計とはいえ、使い方に気をつけなくてはなりませんし、メンテナンスも必要です。以下のことに気を配っていれば、長く愛用することができるでしょう。

気をつけたいこと① 定期的にメンテナンスをする
メンテナンスの必要がないと思われがちなクォーツ式時計ですが、必ずしもそうではありません。電子回路以外にもネジや歯車などの部品が使われているため、長く使っているうちにネジが緩んできたり、汗などの汚れでさびたり、潤滑油が劣化して固着したりすることがあります。これを放置しておくと電池の減りが早まったり、精度が落ちる可能性があります。定期的にオーバーホールすればそれを防ぐことができ、いいコンディションを保てます。もちろん費用はかかりますが、できるだけ長く愛用したいなら、オーバーホールはすべきでしょう。なかにはオーバーホールができないモデルもありますので、まずは購入した時計店やメーカーに問い合わせてみましょう。

気をつけたいこと② 電池切れを放置しない
クォーツ式時計の電池が切れたらすぐに交換しましょう。そのまま放置していると電池が液漏れして、電子回路全体をダメにしてしまう場合があります。電池交換は、時計修理店やメーカーの専門家に行ってもらうのがベターです。

気をつけたいこと③ 磁気や水に気をつける
クォーツ式時計は機械式時計よりも磁気帯びしにくいと前述しましたが、磁気の影響をまったく受けないというわけではありません。なるべく、携帯電話など磁気を発する機器のまわりに置いておくことは避けましょう。

また、クォーツ式時計はモデルによりますが、防水性を備えていなかったり、日常生活防水程度(3気圧)の防水性しかないものが多い傾向にあります。そのため、水濡れには十分に注意しましょう。また、防水モデルであったとしても、お湯に触れさせるのは御法度。防水のためのゴムパッキンが熱で変形してしまい、故障の原因となります。

まとめ

ここまでクォーツ式時計について掘り下げて述べてきましたが、ビジネスマンに適した時計である理由をお分りいただけたでしょうか? 高性能かつ高級感も備えた上質なクォーツ式時計は、きっとビジネスマンにとって強力な味方になってくれるはずです。

①精度が高く丈夫なうえ、オンビジネスにもマッチする
②デザインやブランド次第でステータスも主張できる
③メンテナンスすれば長く使いつづけることも可能

写真商品お問い合わせ先/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー 03-5635-7054

Photograph:TAG Heuer
Text:Tetsu Takasuka

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