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FASHION VIEW
「ビジネス」と「カジュアル」の境界線。
GRAN SASSO
2019.11.12
この夏、イタリアのフィレンツェで開催された第96回「ピッティ・イマージネ・ウォモ」の会場は、カジュアル化の傾向にさらなる拍車がかかった印象だった。いま、ビジネスとカジュアルの境界線はどこにあるのか。人気ブランドから届いたひとつのキーアイテムを軸に、ビジネスとカジュアルのそれぞれを着こなす。すると、旧態依然な価値観を超えた、新たなスタイルが浮かんでくる。
ニットポロ

左:モダンなオリーブカラーのハリントンジャケットのインナーには、ハイゲージのニットポロを合わせ、スポーティーなV ゾーンにエレガンスを添える。ニットポロ¥27,000/グランサッソ(エスディーアイ 03-6721-1070)、ブルゾン¥46,000/バラクータ(バラクータ カスタマーサービス 0120-165-006)、デニム¥35,000/フォロー(バーニーズ ニューヨーク 0120-137-007)、靴¥59,000/カメルレンゴ(伊勢丹新宿店 03-3352-1111)
ジャケットにカットソーを合わせた着こなしは、従来カジュアルの範疇(はんちゅう)だったが、いまやビジネスでも違和感はない。それだけニットの世界は広がっている。グランサッソのデザイナー、カルロ・ディ・ステファノ氏は言う。
「シャツに代わってニットが選ばれるのは、ファッションが格式ではなく、よりカジュアル化し、快適でエレガントなものが求められているから。それにはフィッティングやカラー、素材のバランス、高いクオリティーが不可欠ですし、定番のニットポロにしてもジャケットに合わせやすいように台襟を設けています」
かつてのタイドアップから、高いクオリティーとコーディネートに即した仕様ならばニットポロでもフォーマルになり得るということだ。
「たとえば襟をラペルに出したり、チーフを巻いてもドレッシーな印象になります。自由におしゃれも楽しめます」

GRAN SASSO(グランサッソ)
1952年に4人の兄弟が創業し、現在カルロ氏が3代目になる。イタリア国内での生産にこだわり、近代化された最新の自社ファクトリーで国内最大級の生産と技術革新を誇る。さらに地元の産業振興と環境保全にも気を配る。


Photograph: Masahiro Heguri[Studio], Mitsuya T-Max Sada[Report]
Styling: Yoichi Onishi
Hair & Make-up: Yurie Taniguchi
Text: Mitsuru Shibata
Coordinate: Michiko Ohira