カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ61
ユニクロのアイテムで再現可能!
ミラノの最旬トレンチコートコーディネート
2020.03.04
英国の軍用コートがルーツのトレンチコートは、定番ファッションとして日本でも長く愛用されてきました。思い起こせば昭和のサラリーマンは、石原裕次郎や萩原健一をまねてコートの襟を立てて着ていましたね。
平成になると20代〜30代向けの女性誌がこぞって通勤着として取り上げ、爆発的なブームに。当時東京では、男性より女性の着用率が圧倒的に高いという世界的にも珍しい光景が見られました。令和のいまは、バーバリーやアクアスキュータムのビンテージのトレンチコートがマニアの間で盛り上がっているとか。
昔のビンテージデニムのような盛り上がりほどではありませんが「バーバリーのトレンチは1枚袖が超レア」「アクアスキュータムのトレンチは、織りネームに英国王室御用達のマークが入っているものが狙い目!!」などとSNSで盛り上がっているようです。
今年の1月にミラノのメンズコレクション会場に来ていた人たちを見ても、トレンチは完全復活を遂げているようでした。ただし着こなしが斬新!! 昔のようにスーツでカチッとダンディーに着こなすのではなく、カジュアルでストリートな感覚で着ている人ばかり。間違いなくこの波は日本にもやって来るので、今回はその辺の着こなしを解説してみたいと思います。
今回ミラノでスナップしたこの御仁の着こなしは、トレンチコートの新しい着こなしの模範例。まず注目すべきは、インナーにスポーティーなフード付き黒パーカを合わせているところ。そしてパンツも黒。ベージュのコートにインナーを黒でまとめるコーディネートは、最近ラグジュアリーブランドがショーや広告でこぞって使っているコーディネートです。
もうひとつ見落としてはいけないのが、ボディーバッグの前掛け。日本では前掛けするのは盗難防止?と受け取られがちですが、パリやミラノではこのスタイルがファッションに敏感な人の証し。
ちなみにこの御仁が使っているのは、バックパックで有名なイーストパックでした。
足元は、王道のナイキのスニーカー。トレンチコートにスニーカーを合わせるという発想は、アメリカ生まれといっていいでしょうね。こいうスタイルはアメリカで生まれて、ヨーロッパのブランドがアレンジして世界に広めるというのがトレンドの定石。スーツのインナーにTシャツを合わせたりスニーカーで通勤するといったムーブメントも、アメリカで生まれて世界中に広まりました。
今回は、ミラノの最新トレンドをなんとユニクロで再現してみました!! トレンチコートをビジネスシーンで着るものと考えていた方も、これを見れば普段着としても着られる便利なアイティムだったということをご理解していただけるかと思います。
ちなみにこのユニクロのトレンチコートはパリのユニクロデザインチームが企画したもので、1960年代のミリタリーコートのディテールと現代のトレンドを絶妙にミックスし、素材は撥水&透湿性のある生地を使っているという優れもの。
コート¥14,900 /ユニクロ ユー
バッグ¥1,990/ユニクロ ユー
パンツ¥3,990/ユニクロ ユー
(注意)以上の商品はユニクロの一部店舗のみで発売
スウェットパーカ¥2,990/ユニクロ
スニーカー¥74,000/ヘンダーソン
問/新宿高島屋 シューズメゾン オム 03-5361-1111
掲載した商品はすべて税抜き価格になります。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi