カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ65
ユニクロのパーカを海外スナップみたいに
ひと手間加えてセンスアップ!
2020.04.20
最近フードの付いたものが大人気。コットンのファスナー付きスエットパーカは普段着のエース的な存在ですが、そこに昨年の冬くらいからルーキーが続々登場してきていて、この層がいきなり種類豊富になっています。
ベストやコートにフードが付いたものなどが続々と出てきているのです。これらは、実用を考えてのことではなくスポーティーでヌケ感を出すためのデザインというのがほとんど。
今回は、梅雨までのあいだ活躍するアウター系のフード付きパーカをピックアップしました。奇をてらった服は使ってないのにパーカのコーディネートが新鮮でスマートになるテクニックを、スナップを元に解説します!
このジェントルマンは、マウンテンパーカと呼ばれるフード付きで4ポケットのものをチョイス。インナーは、デニムシャツ。キャップのつばもネイビーにするなど、細かな部分にまでこだわりがちりばめられているコーディネートです。
余談ですが元々この服はアウトドア用に作られたものでしたが、70年代後半くらいから日本では街着として大流行しました。そのときは、インナーはロゴ入りのトレーナーが多かったようです。
このジェントルマンのすごいとろは、アップにするとよく見えてきます。
まずは、首元の巻物。上半身の服の色めをまとめているとコーディネートは悩まなくてすみますが、半面パンチのないまったりした印象になってしまいがちなところを、このジェントルマンは首にバンダナを巻くことで、うまく回避していたのです。
それと、ネイビー×ホワイトのバンダナを組み合わせることも見逃せません。普通ならバンダナにインパクトのある色を使いポイントを作るところですが、あえてシックなコーディネートにまとめていたのです。
ちなみにバンダナの結び方は普通の固結び。あえてシャツの上に結んだ先を出しています。ここをスカーフやアスコットタイのようにシャツの中にしまい込むのはNG。入れてしまうと生真面目な感じになり、このラフな感じが出ません。とても細かなテクニックですが、重要ですのでお忘れなく。
全体はこんな感じ。パンツの股下をクルッと短くまくり上げて、くるぶしを見せています。そして素足に黒のローファー。
ただし、ここで見習いたいのは革靴の素足履きではなく、パンツの色のチョイス。王道のベージュチノやデニムにしないで、オリーブグリーンのコットンパンツを選んだところが重要なのです。ネイビー×ミリタリーグリーンの組み合わせは、いままであまりメンズでは見なかったもの。
実は、レディースではこの組み合わせが昨年からかなり流行していて、今年メンズにも飛び火してきたという感じです。
今回はパーカのデザインをシンプルにしてコスパの高いもので再現してみました。バンダナは光沢としなやかさのあるポリエステル素材でサイズは60☓60cm。レディースとして販売されていますが、こういうものは基本ユニセックスで使用できますのでご安心を。
ブロックテック素材のパーカ¥5,990、デニムのB.D.シャツ¥2,990、バンダナ¥790、パンツ¥2,990/すべてユニクロ(ユニクロ 0120-170-296)
靴¥32,000/ポルペッタ(ジィー 03-5760-6464 またはinfo@gee-co.jp)
今回のユニクロのパーカはブロックテックという素材を使っています。防水・防風・透湿といった登山ウエアでもおなじみの性能を備えつつストレッチ機能まであるという注目の素材。これでこの価格というのはすごい!!
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi