カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ75
アロハシャツがリバイバル中。
ただし着こなし方の新ルールがポイントに!
2020.07.28
花柄、バンダナ柄などのリゾート向きの半袖シャツがかなり出回っています。いつも目にするサーフファッション系のショップだけではなく、今年の夏はパリやミラノのモードなブランドからもかなり発売されています。
それまでは、どちらかと言うとリゾート地や海へのドライブなどに行くときに着る方が多かったように思いますが、今年は20~40歳くらいの人たちが、トレンディーな街中アイテムとしてチョイスしています。
直接聞いてはいませんが、きっと彼らはハワイや海といったイメージをこのシャツからほとんど感じていないのでは?といった感じがします。海外のファッションブロガーが着ていたとか、モードブランドのウィンドーにディスプレーされていたからといったようなことがきっかけで注目している人がほとんどのはず。
今回のジェントルマンは、アロハシャツをモードにコーディネートしていますが、実はいままでにないルールがあることを発見。それはアロハシャツに、パンツは黒やネイビーといったダークな色を合わせて、靴はカチッとした革靴を合わせるというものですが、いままでとは真逆の合わせ方。
昭和の時代ならアロハには白パンにデッキシューズ、平成ならジーンズにカジュアルなサンダルがお約束でしたね。年配の方々や愛好家からは賛否両論、さまざまなご意見を耳にしますが、これも時代の流れ。ファッションの楽しみ方の変化の一例とご理解いただくしかありません。
足元はよ〜く見るとダークブラウンのプレーントウという飾りのないベーシックな革靴です。かなり細かなことではあるのですが、靴ひもを通す部分がかぶせ式になっている外羽根式と呼ばれるデザインがポイント。
ここが、かぶせのない平らな内羽根式と呼ばれるプレーントウだとフォーマルな感じになり、NGコーディネートになってしまいます。
それとお約束のくるぶし見せも見落とせません。パンツのスソ幅&丈は、このくらいがベストバランス。ここの肌見せが、スタイリングに程よいヌケ感を出しています!
今回の再現コーディネートはこんな感じにしてみました。
アロハシャツはニットなので、動いたときの生地の独特のゆれ具合や、肌触りがとてもラグジュアリーで特別感が漂ってきますね。ちなみにヤシの木の絵はプリントではなく、編み込みという超絶技巧で描かれています。袖と肩まわり、胸部分には柄が入っていないので、初めてトライするという人にも着やすいデザイン。
靴は、プレンートウの素足履きがハードル高めなので、少しカジュアルなブラックレザーのデッキシューズにチェンジしておきました。こちらのほうが、万人受けするはずです。
最後に今回はかなり高度な組み合わせだったので、ダーク系のパンツをコーディネートしつつも雰囲気がアメリカ西海岸風のバージョンも紹介。こちらのほうが、より使いやすいコーディネートでしたかね?
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
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プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち) 数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi