スーツ
着こなしの範囲を広げる、Vゾーンのカジュアル化。
男のハレ着、 スーツの現在地。⑦
2020.10.13
ビジネスを取り巻く環境が大きく様変わりしている昨今。 必然、仕事の装いも舵を切る必要性が生まれている。 しかし、スーツがもつ魅力は決して失われることはない。 むしろ、特別なハレ着としてのポジションを確立し、存在感を増す。 現在のスーツのあるべき姿とは?
クラシック感を強め、
より快適な着心地に進化。
前述したように、スーツはネイビーとグレーに加え、ブラウンやブラックも選択肢に加わるようになった。そこから発展して意識しておきたいのは、スーツの時代性。様式美があるからこそ、少しの違いでイメージをがらりと変える。この秋冬はクラシック回帰が顕著。グレンチェックやハウンドトゥースなど、英国伝統の柄を採用したスーツが増え、目新しさをもたらす。ラペルの幅にも注目を。従来よりもワイドになりつつある。パンツはプリーツ入りやサイドアジャスター付きが増加。どれも、クラシック感を強めた傾向だ。
仕立ては、よりコンフォータブルに。スーツならではのきちんとした印象を保ちつつ、肩パッドや胸芯、裏地などを極力省いて、軽量化を図る。伸縮性を備えた生地を採用する。これらは技術の進化がもたらす恩恵。スーツの現在地は、堅苦しさから解放されている。
ボス
イタリア製生地のスーツはハウンドトゥースの柄が目に留まる。シルクのハイゲージニットやジオメトリック柄のシャツで、Vゾーンに新鮮なカジュアル感を。いつもどおりではなく、こんなドレスダウンした着こなしなら、柔和な印象を与えることができる。
スーツ¥86,000、ニット¥53, 000、シャツ¥19,000、タイ参考商品、
チーフ参考商品/すべてボス(ヒューゴ ボス ジャパン 03-5774-7670)
掲載した商品はすべて税抜き価格になります。
「アエラスタイルマガジンVOL.47 AUTUMN 2020」より転載
Photograph: Masanori Akao(whiteSTOUT)
Styling: Masayuki Sakurai, Akihiro Mizumoto
Hair & Make-up: Masayuki(The VOICE)
Edit & Text: Kenji Washio