週末の過ごし方
ステイホームが楽しくなる。
この週末はお気に入りのアートを探してみませんか
2021.03.19

世界的に日本のアートのプレゼンスは確実に増している。村上 隆や奈良美智はすでに巨匠の域だが、欧米で行われるフェアのジャパンブースも新たな才能を求めて、毎回多くの目利きや観客を集める。経済成長が著しい中国の若い富裕層からは、日本のアーティストたちの作品が質の高さと仕事の丁寧さで注目を集めているという。人材だけでなく、コマーシャル面でも上昇気流だ。たとえば、今年の日本の美術品市場規模は推計2363億円。第一次緊急事態宣言の影響もあり、昨年からの減少率は8.4%となるが、欧米の各国が20%以上の減少となるのに比べると軽微だろう。わが国において、アートにはまだ見ぬ鉱脈が眠っている。
そんなホットな状況を体感できる日本最大級の国際的なアートの見本市「アートフェア東京2021」が本日開幕。15回目を迎える今回は、140余りのギャラリーや画廊が「ギャラリーズ」「クロッシング」「プロジェクツ」という3つのセクションに分かれ、旬な作品の数々を展開している。さらに未来のアーティストとキュレーターの創出と育成を目的とした「Future Artist Tokyo」も同時開催。昨年はコロナ禍で残念ながら中止となったが、今回は“Volcano Festival”と銘打ち、若手たちが自信作を発表。自粛期間中に蓄えてきたエネルギーを爆発させるような若い感性の片鱗に触れられるはずだ。
【展示された作品の数々】





コロナ禍により、家で過ごす時間も増えてきた。充実した巣ごもりは内面を豊かにしてくれるが、アートはその絶好の立役者。スマートフォンのディスプレー越しではなく、現代美術の最前線をリアルに体感できる「アートフェア東京」はその一助となるはず。この週末は、ぜひ有楽町でお気に入りのマスターピースを見つけてみたい。

アートフェア東京2021
開催期間/3月19日(金)~21日(日)
会場/東京国際フォーラム ホールE/ロビーギャラリー
https://artfairtokyo.com/2021
Text:Mitsuhide Sako(KATANA)
Photograph : Matsuzaki Hiroyuki(INTO THE LIGHT)