スーツ
スーツに合うリュックとは?
PCも収納できる機能的なビジネスリュックの選び方
2021.04.15
スーツにリュックを合わせているビジネスマンを街で見かける機会が多くなりました。スーツに合わせるリュックを選ぶときは、素材や色合いに気を配る必要があります。ビジネススタイルに合致するリュックの条件を押さえて、リュックを背負って新鮮な気分で出勤してみてはいかがでしょうか。
この記事では、スーツにリュックを合わせるメリットや選び方、おすすめのブランドなどについて解説します。
スーツにリュックを合わせるのはあり?
「リュックはカジュアルすぎてスーツには合わない」と考えている人は多いでしょう。しかし、街では実際にリュックを背負うビジネスマンの姿があちこちに見られます。「スーツにリュックはなし」とかたくなに決めつける考え方はいまや古く、現代においてビジネスバッグとしてリュックを使うスタイルはもはや普通だと言えるでしょう。
とはいえ、リュックにカジュアルな印象があることもまた事実です。リュックを背負っての通勤を検討する際は、職場や業界の雰囲気を考慮しておくとよいでしょう。例えば、公務員や金融業界のように堅いイメージがある職場の場合、リュック姿にいい顔はされないかもしれません。判断に迷うときは、自分の周りや同じ業界のなかでリュックを使っている人がいるかどうかを確かめてみましょう。
シチュエーションに気を配ることも大切です。重要な会議や商談などでリュックを背負っていくと、「敬意を払われていない」と相手に感じさせる恐れがあります。常にリュックで通すのではなく、シチュエーションによってリュックとブリーフケースを使い分けるのが賢明です。
もちろん、どのようなリュックでもスーツに合わせられるわけではありません。カジュアルすぎるリュックを合わせると、スーツのかっちりした印象とかみ合わず、ちぐはぐなコーディネートになります。ビジネスシーンでリュックを使うときは、スーツの雰囲気を壊さない上品なものを選ぶ必要があります。
リュックのメリット
通常のビジネスバッグにはないメリットが備わっているからこそ、多くの人がリュックを選んでいます。ここからは、リュックのメリットについて解説します。
重い荷物も楽に運べる
通常のビジネスバッグの場合、片手で持つことになるので重量があると運びにくくなります。一方、リュックの場合は両肩で重量を分散できます。重い荷物でも比較的楽に運べるのは、リュックの大きなメリットだと言えるでしょう。特に、近年では仕事に欠かせない各種デバイスを持ち運ぶ人が増えてきています。タブレットとノートパソコンを両方とも携帯すると、どうしても荷物は重くなります。しかし、リュックであれば大きな負担を感じずに持ち運ぶことができます。時代の先端を行くビジネスマンにとって、リュックは重宝なアイテムなのです。
収納力が高い
収納力の高さもリュックのメリットのひとつです。リュックは通常のバッグよりも容量が大きく、多くの荷物が収納できます。水筒や折りたたみ傘など、必要なものを幅広く持ち運べるため、使い勝手がいいのです。商品によっては、メイン収納以外に細かいポケットが備わっており、小物を分けて収納できるものもあります。どうしても荷物を減らせない場合はリュックで持ち運ぶのがおすすめです。
両手が自由に使える
リュックは肩にかけるため、荷物を運んでいるときも自由に両手を使うことができます。両手が空くことで、カゴのないスポーティーな自転車で通勤したり、幼稚園の送迎で子どもと手をつないだりすることも可能になります。
革のリュックは質感で楽しめる
ビジネス向けに革のリュックを選んだ場合、革の風合いや質感を楽しめるというメリットがあります。革には独特の質感があり、光の当たり具合などで多彩な表情を見せてくれます。暗い場所では厳かな、明るい場所では透き通った印象をもたらす革のリュックは、長く使うほど愛着がわくのではないでしょうか。
また、エイジングを楽しめるのも革の特長のひとつです。長く愛用すれば革の色は深みが増し、歴史を感じさせるアイテムへと成長します。特に、容量の大きいリュックには多くの革が使われるため、独特の質感を存分に楽しめるはずです。上質な革のリュックは、布を使ったものよりも当然値は張りますが、それに見合った価値があるアイテムだと言えます。
ビジネススタイルに合うリュックの条件
ビジネススタイルにリュックを採り入れるときは、デザインや機能性に注目する必要があります。ビジネスシーンに適したリュックの条件を押さえ、違和感を与えないコーディネートを目指してください。ここからは、ビジネススタイルに合うリュックの条件を紹介します。
デザインがシンプル
ビジネスシーンで活用する以上、リュックのデザインはシンプルであることが鉄則です。ポールループやブタバナ、バンジーコードなど、アウトドア用のリュックにはさまざまな装飾が施されています。アクティブな場面には適したこれらの装飾も、ビジネスシーンには不向きです。無駄な装飾を排した、上品ですっきりとしたリュックを選ぶといいでしょう。色についても、明るすぎる色や奇抜な色はスーツとの相性がよくありません。黒やチャコールグレー、ダークネイビーなど、暗めのトーンにしておくのが無難。最もビジネスシーンに適しているのは、デザインがシンプルな黒のリュックです。
形状はスクエアベース
装飾が少なかったとしても、丸みを帯びた形状では相手にカジュアルな印象を与えます。ビジネスシーンにおいては、開き口が円形を描くアウトドア用のリュックは避け、なるべく角張ったものを選ぶようにしましょう。直線で構成されるフォームには厳格な雰囲気があり、ブリーフケース同様ビジネスシーンにもマッチします。スーツと合わせるリュックを探すときは、スクエア型のものを選んでおけば間違いありません。
機能性が高い
仕事の効率化を図るためにも、リュックは機能的で使いやすいものを選ぶことが大切です。まず、仕事に必要な道具が多い人は、収納力が高いリュックを選ぶとよいでしょう。ノートパソコンや折りたたみ傘、水筒など、大きなものも問題なく収納できるタイプがおすすめです。ノートパソコンやタブレットなどの電子端末については、リュックに専用のコンパートメントが付いていると便利です。電子機器を保護するためのクッションが付いているか、取り出しやすさに配慮しているかといった点も確かめておきましょう。収納ポケットが多く、どこに何が入っているのかすぐに判断できるリュックも便利に使えます。小物を分けて収納でき、取り出すときも時間がかかりません。
収納力だけでなく、リュックは機能面にも注目するべきです。突然雨が降ったときも中のものが濡れないように、撥水加工が施されているタイプをおすすめします。ファスナー部分から染み込んでくることも多いため、止水ファスナーが採用されていれば安心です。また、汗をかきやすい人は背面がメッシュ構造になっている通気性に優れたリュックを使うとよいでしょう。荷物が重くなりやすい場合は、ショルダー部分にウレタンなどが入っていれば肩の負担を軽減できます。肩や背面部分に柔らかい素材を使っているリュックには、スーツの生地が傷みにくいというメリットもあります。自分がリュックに何を求めるのか、何を入れるつもりなのかを確かめたうえで、必要な機能が搭載された商品を選んでください。
マチ幅は15㎝~20㎝程度
リュックは収納力も重要ですが、サイズが大きすぎるものはスーツとの相性がよくありません。せっかくのスタイリッシュなシルエットが崩れることになるため、リュックのマチ幅は15㎝~20㎝程度に収めるのが賢明です。シンプルなデザインのリュックも、荷物を詰め込みすぎればやぼったい印象を与えてしまいます。リュックに収納する荷物の量は必要最低限に抑え、スマートなビジネススタイルを維持することが重要です。
ハンドルが付いている
ビジネス向けのリュックでは、ショルダーストラップだけでなくサイドにハンドルが付いているものも多くあります。ハンドルが付いていれば、シチュエーションに応じてブリーフケースのように片手で持ち運ぶことができます。大切な商談や初めての相手と顔を合わせるときなど、リュックを持参して失礼な印象を与えないか、不安に感じることもあるでしょう。普段はリュックとして楽に持ち運びつつ、大事な場面ではハンドルが活用できるものを選ぶのもおすすめです。
素材は目的に応じて選ぶ
ビジネス向けのリュックに使われる主な素材はナイロンと革です。どちらも特徴が異なるので、自分の目的に合った素材のリュックを選びましょう。まず、ナイロンの特徴は機能的であること、そして安価なことです。ナイロンは素材そのものが軽いため、重量がそれほど負担になりません。また、撥水加工や背面メッシュ構造などが採用されている場合が多く、機能面に優れています。価格も比較的安価であるため、実用性を重視するのであればナイロンのリュックがおすすめです。
革のリュックの特徴は、なんといっても上品で高級感があることです。見た目がスタイリッシュでおしゃれな印象があるため、子どもっぽい印象を与えたくない人は革のリュックを選ぶべきでしょう。ただし、ナイロンに比べると価格が高く、メンテナンスの手間もかかります。
ビジネススタイルに合うリュックのおすすめブランド
ビジネススタイルにもってこいの、上品で優れたリュックを販売するブランドは少なくありません。ここからは、ビジネススタイルに合うリュックのおすすめブランドを厳選して紹介します。
PORTER(ポーター)
PORTER(ポーター)は1962年にスタートした吉田カバンのプライベートブランドです。吉田カバンは1935年創業の老舗メーカーで、カバン職人の吉田吉蔵によって立ち上げられました。「一針入魂」というポリシーを掲げ、国内産にこだわって丁寧に作られるカバンは多くのビジネスマンを魅了しています。
裁断から仕上げまで一貫して国内で行われ、熟練の職人が手作業で生み出すポーターのカバンは、壊れにくさの点で高く評価されています。しっかりと作り込まれているだけに値は張りますが、長く使えるので結果的に高いコストパフォーマンスを誇るのがポーターのカバンです。安易にトレンドに流されず、独自の美学を貫いたデザイン性もポーターが幅広く愛される理由となっています。長く愛用できるリュックを国内ブランドから探しているのであれば、ポーターは最初に検討しておきたいブランドです。
TUMI(トゥミ)
TUMI(トゥミ)はアメリカで1975年に設立されたブランドで、デザイン性と機能性を兼ね備えたラインアップを展開しています。トゥミのバッグの特徴は、耐久性の高い素材を採用していることです。なかでも「FXTバリスティックナイロン」と呼ばれるオリジナル素材では特殊なコーティングを高密度ナイロンに施しており、ほかのブランドにはないタフネスが感じられます。
小物が収納できるオーガナイザーやノートパソコン用のコンパートメントなど、使い勝手がいいこともトゥミの人気の秘訣です。トゥミのバッグはデザイン性にも優れており、品格を漂わせるモダンなデザインは若者にも広く支持されています。おしゃれで機能的なリュックを探している人は、世界中のビジネスマンに愛用されるトゥミを試してみてはいかがでしょうか。
BRIEFING(ブリーフィング)
1998年に誕生したBRIEFING(ブリーフィング)は、ミル・スペックに準拠したバッグの開発を目的としてスタートしたブランドです。ミル・スペックはアメリカ国防省によって定められた軍事用アイテムの規格で、その試験では過酷な環境でも100%の性能が発揮できるかどうかが問われます。強靱(きょうじん)な素材と優れた技術を採り入れつつ、タウンユースに最適な機能美を備えたバッグを世に送り出すことがブリーフィングの使命です。
ブリーフィングのバッグでは、メイン素材にバリスティックナイロンが使われています。これは、アメリカ軍のガンケースなどにも使われる、極めて耐摩耗性に優れた素材です。アメリカ軍の装備に匹敵する耐久性だけでなく、使い勝手のよさを追求している点もブリーフィングが支持されている理由のひとつです。ミリタリーへの憧れが詰まった、機能美の固まりともいえるブリーフィングのリュックも試してみたいアイテムです。
SAMSONITE(サムソナイト)
1910年にアメリカのコロラド州で設立された、世界規模のシェアを誇るブランドがSAMSONITE(サムソナイト)です。ブランド名は聖書に登場する怪力男「サムソン」に由来しており、耐久性に優れたスーツケースが主力商品となっています。「人生は旅」という理念を掲げ、創業以来革新的なスーツケースを生み出しつづけています。そして、サムソナイトの商品で優れているのはスーツケースだけではありません。機能性が高く、優美なデザインが備わったリュックにも定評があります。ノートパソコンの収納ポケットが付いたものなど、使い勝手がいい商品も多いので自分好みのリュックを探してみてはいかがでしょうか。
ACE(エース)
1940年に大阪で創業したACE(エース)は日本を代表するバッグブランドです。ビジネスバッグを中心に販売しており、汎用性の高いデザインで幅広い層から支持されています。リーズナブルでありながら、優れた機能性を誇るコストパフォーマンスの高さもエースの特徴です。
エースのビジネスリュックのなかでもおすすめなのが、2019年度グッドデザイン賞を受賞した「ガジェタブル」シリーズです。ガジェタブルは、電車内でも邪魔になりにくいように、前持ちスタイルを考慮した設計となっています。マチ幅がスリムなので周囲の邪魔にならず、ポケット配置の工夫によって見た目以上の収納力が備わっています。時流に合わせて開発されたガジェタブルは、ビジネスユースに最適なリュックだと言えます。
FARO (ファーロ)
FARO (ファーロ)は1965年にスタートした日本発のレザーブランドです。日本の伝統的な技法を採り入れながら、世界に誇れる良質な革製品を数多く生み出しています。2020年秋にファーロは、ミニマルかつ必要十分な機能を有するプロダクトをクリエイター向けに提供する、ライフスタイルブランドへと生まれ変わりました。自分だけのライフスタイルを確立することが求められる時代にあって、ファーロの商品は心強いパートナーとなるはず。防水性に優れたしなやかなオリジナルレザーを採用した、ビジネススタイルによく合うリュックもファーロではラインアップされています。高級感がある革製のリュックを求めている人には、ファーロの商品をおすすめします。
VICTORINOX(ビクトリノックス)
VICTORINOX(ビクトリノックス)は1884年にスイスで設立されたブランドです。十字マークが刻印されたマルチツールが有名ですが、カトラリーや腕時計など、幅広いジャンルの商品を製造しています。ビクトリノックスがビジネスバッグの分野に乗り出したのは1999年のことです。妥協せずに高い品質を追い求めるビクトリノックスの姿勢は、ビジネスバッグの完成度の高さからも感じられます。シンプルな見た目からは想像もつかない多彩な機能は、さまざまな機能が詰め込まれたマルチツールをほうふつとさせるでしょう。軽量で耐久性にも優れているため、ビジネスユースで毎日使うにはもってこいです。
THE NORTH FACE (ザ・ノース・フェイス)
アメリカのカリフォルニア州で1968年に設立されたTHE NORTH FACE (ザ・ノース・フェイス)は、圧倒的な知名度を誇るアウトドアブランドです。登山ルートのなかでも特に過酷である北壁(ノース・フェイス)がブランド名の由来となっており、難しい挑戦にも果敢に取り組むブランドの姿勢を表しています。アウトドアブランドでありながら、ザ・ノース・フェイスはビジネスリュックの分野にも力を入れています。機能性が高いのは言うまでもなく、スタイリッシュでシンプルなデザインもビジネスマンを魅了する理由のひとつです。長く愛用できる頑丈なビジネスリュックを探しているのであれば、ザ・ノース・フェイスは筆頭候補となるはずです。
HUNTING WORLD(ハンティング・ワールド)
HUNTING WORLD(ハンティング・ワールド)は1965年にアメリカで創業されたアウトドアブランドです。ハンティング・ワールドの製品は、アウトドア向けでありながらシックで高級感のあるデザインが特徴です。もともとは40代、50代の男性に支持されていましたが、現在では若者から女性まで、幅広い層から人気を集めています。高級感と野性味を併せ持ったリュックを探している人には、ハンティング・ワールドのリュックがおすすめです。
Paul Smith(ポール・スミス)
Paul Smith(ポール・スミス)は1970年に英国のノッティンガムで創業されたファッションブランドです。英国の伝統的なスタイルを基礎にしながら、独特の遊び心を加えたデザインで世界中の紳士淑女に愛されています。ポール・スミスは数多くのファッションアイテムを発売していますが、ビジネスリュックも見逃せません。エレガントでおしゃれなビジネスリュクを求めているのであれば、ポール・スミスのラインアップをチェックしてみてください。
まとめ
スーツにリュックを合わせるスタイルは、現代社会において定番となりつつあります。ブリーフケースよりも多くの荷物を収納でき、使い勝手がよいので積極的に活用する価値があります。ただし、装飾性の高いリュックはカジュアル感が強く、ビジネスユースには向きません。ビジネススタイルで使うリュックは、黒で装飾の少ないものがおすすめです。また、ときにはブリーフケースとして使えるように、ハンドル付きのものを選ぶのが賢明でしょう。そして、ビジネス向けのリュックはさまざまなブランドから発売されており、国産にこだわるポーターやレザーに特化したファーロなど、ブランドごとに異なる特色があります。今回紹介したブランドのなかから、長く愛用できるビジネスリュックを探してみてはいかがでしょうか。