カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ100
アフターコロナで仕事はスマートカジュアルに。
休日はジャケットでドレスダウンが新ルール!?
2021.04.16
さまざまな価値観が変わる昨今、ビジネススタイルはテレワークが定着したことから、Tシャツやポロシャツにニットやパーカをはおるという、クールビズよりもよりカジュアル化したものが定着しつつあります。
その半面、オフのお出かけスタイルにも変化が起こっています。そのひとつが、ドレスアップ化。休日にジャケットやスーツを着る人が出てきているのです。これは仕事では着ないけど、トレンディーなスタイルで休日を楽しみたいというファッションフリーク(服好き男子)のあいだではかなりリアルな現象だとか。
アフターコロナでは、スーツ=お堅い真面目な服という概念が日本でも自然消滅しそうな勢いを感じます。
というわけで、今回は休日のドレスアップスタイルを提案。今回のジェントルマンはイタリアを代表するファッションブロガーであり「FORTELA(フォルテラ)」というメンズ・ブランドのディレクターでもあるアレッサンドロ・スクアルツィさん(@alessandrosquarzi)で、スナップではWブレザーをカジュアルに着こなしています。
いきなりシングルではなくダブルのブレザーとくるのはハードルが高くなりますが、実は今春はこれが久しぶりにトレンド入りしているからなのです。それに女性からも高評価といううわさも聞くので強引にいかせていただきます。
着こなしのポイントが満載なので、細かく解説していきますね。まずは、Wブレザーにインパクトのあるジレ(ベスト) 、その下にはバンドカラーのシャツ(襟のないシャツ)を持ってきているところに注目。見事にブレザーの持つクラシック感や制服のような真面目っぽさが感じられなくなりましたね。
バンドカラーシャツは、日本では80〜90年代イッセイ・ミヤケのものが大流行しましたが、以降あまり目にしませんでした。ところが今春は、イタリアの高級ブランドからユニクロまでさまざまなバンドカラーが出そろい、久々の大豊作選り取り見取り状態。
ここを襟つきのシャツに変えると、急にかしこまってしまい、ビジネスぽい匂いがしてきますのでご注意ください。丸首のTシャツにチェンジするのはOK。
それとWブレザーのボタンをはずして着ているのもポイント。こうするとよりカジュアル感が出て、こなれた感じも出ます。実は、昨年の春くらいから女性のあいだでは、Wジャケットが大流行していたのですが、ほぼ100%ボタンを留めていません。なかには、そでを通さず肩がけという着方もSNSで目にしました。早い話がこのWブレザーのボタンはずしは、女性ウケがことのほかいいということが言いたかったのです。
ボタンをはずすのはチョッと……引きぎみだった方も、思い切ってこのスタイルにチャレンジしてみてください。
全身は、こんな感じです。昨年のこのブログでもWブレザーにホワイトパンツのスナップは、何度か出ていましたが、やはりこの感じは、休日のお食事とかデートといったお出かけの鉄板スタイルですね。
スクアルツィさんは、ブラウンのタッセルスリップオンを履いていますが、ここは手持ちのローファーやスニーカーに替えても大丈夫。
注意しないといけないのがジレ(ベスト)のチョイス。スクアルツィさんのような、ちょっとかわいいものにすると彼の雰囲気に近づけます。とはいえ、スナップのようなパッチワークのジレ(ベスト)は難易度が高すぎるので、まずは上の画像のようなネイビーベースにホワイトのチェックくらいがいいのでは。ただし、ストライプはスーツのインナー的な感じが出てしまうので避けたほうが無難。
昭和のころ、ベストはスリーピーススーツとセットで買うビジネスアイテムでしたが、最近は呼び方もジレと呼ばれるようになり、オールシーズン目にする定番アイテムとして独り立ちしました。バリエーションも高級スーツ生地でできたものから、ニットのカジュアルなものまで幅があります。
今回のスナップのように休日にWブレザーの下に着るのもありですが、Tシャツやポロシャツの上にはおってウェブ会議という使い方もできますので、まだ持っていない方は、この機会にトライしてみてはいかがでしょうか。
掲載した商品はすべて税込み価格です。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに
通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こな
しを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi