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特別インタビュー

市川猿之助が放つ「二面性」の輝きとは?
豪快と繊細、一筋縄ではいかないその魅力。【01】

2021.06.21

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豪快さの中に潜む繊細さ、強さと儚さが同居するさま……。人は意外性にハッとさせられ、心動き、魅力を見出す。日産の新しいフラッグシップカー・アリアが宿す「二面性」と重なりあうような、通り一遍では語れない、一筋縄ではかなわない人物の輝きに迫る――。

ゲストは、歌舞伎俳優の市川猿之助。日本を代表する伝統芸能・歌舞伎では女形(おやま)としても活躍し、現代ドラマでも人気を博しているのは周知のとおりだ。

ナビゲーターを務める国木田彩良は、明治の文豪・国木田独歩を高祖父に持ち、ヨーロッパで生まれ育つ。モデルであると同時にスピーカーとして、SDGsやジェンダーギャップについて積極的に発信をしている。

そんな両者が繰り広げるトーク。まずは歌舞伎の二面性から話が進み……。

歌舞伎の世界、内と外

国木田彩良(以下S アリアのコンセプトでもあるTWO FACE=二面性を、まず歌舞伎の観点からお聞きしたいです。私はあまり詳しくないのですが、歌舞伎の外と内の世界での最も大きな違いというのは、一体どんなものなのでしょうか。

市川猿之助(以下E 歌舞伎というのは江戸時代、今から400年ぐらい前からの歴史があります。なので、ここには400年前の考え方、思想や雰囲気、空気感が冷凍保存されているようなところがあり、まだ気配を残しているんですね。現代社会で普通に生活していて江戸時代の気配を感じることはまずないと思うんですよ。しかし歌舞伎ではまだ息づいている。そこが端的な違いですかね。

S 今は伝統芸能として捉えられていますが、かつて歌舞伎が生まれた江戸の時代には、ニューウェーブとして存在しましたよね。その息吹を今、どのように存在させようとしているのでしょうか。もしくはどのように存在させたいのか、猿之助さんはどうお考えなんでしょう。

E 私は本当の意味でのニューウェーブ、本物の新しいものというのは、いつの時代であっても、生まれてから何年が過ぎようとも新しいものであるように思います。
どういうことかといいますと、例えば歌舞伎の表現方法であるとか、ものの作り方、考え方。そういうのが新しいということです。デジタルデバイスに代表されるように、ハード面は変化があってモデルチェンジしてしまうと、前のものは古くなってしまいます。しかし、考え方のような基本的なことであれば、たとえ100年経とうが1000年経とうが真に新しいものは新しいといえるのではないでしょうか。

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女性を演じるということ

S 猿之助さんは、歌舞伎の世界では女形、女性の役を演じることも少なくないですが、日本人の男性として、女形を演じることに対して猿之助さんの考え、向き合い方とはどんなものなのでしょうか?

E 私たちが演じる女形というのは、現実世界での女性とは全く異なる存在なんですね。作り上げられた理想像、仮の現実なんですよ。舞台の上で演じるような女性がリアルの世界でいたとしても、それは美しくないと思います。本当の女性の自然な姿のほうが美しい。
では男が女を演じる時に何がポイントであるか。それを果物で例えますとね、りんごっていろいろな形や色や大きさがあります。でも我々はそれらをきちんと「りんごだ」と認識していますよね。なぜなら私たちの頭の中に「これがりんごなんだ」という理想形があるから。それと一緒で、女役の理想形というものがあってそれを演じるわけです。

S 女形を演じることは、あくまで演技であって女性の感覚になりきるというのではないということですね。

E 女性の感覚をもって、ではないですね。なんていったらいいんだろう。ただただ美を追求するんですよ。

S つまりそれは、男性が思う女性らしさの追求になると。

E そうですね、男性の考える女性らしさですね。

S ではそういう男性の目による女性らしさを追求する上で、完璧な女形の美しさってなんなのでしょうか。

E 私たちが思い描くのは、美人画といわれるような一枚の画ですね。日本で言えば、浮世絵の喜多川歌麿呂が描く完璧な美しさのような……。
それは現実の世界では存在しない、ありえないものです。ですが歌舞伎の世界ではその完璧を求め近づけようとするんです。だからどこまでもフィクションなんですね。

S 女形を演じることは、女性である私にとってとても興味があるので、もう少し訊かせてください。舞台の上で、たとえ一瞬でも理想の女を演じようとする。それはどう習得していくのですか?

E 確かに舞台の上で女役を演じているわけですが、それは幕の間、物語の中でその女性の人生を演じるということなんです。たとえば、子を持つ女性としての役を演じることは、母を生きることであり普段であれば体験できないような人生を生きるという……ね。小説を読むということも、ある意味登場人物の人生をなぞらえることではあると思いますが、より肉体的に他人の人生を生きるということになります。

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――舞台の上で女性の究極美を追い求める、そして女性の人生を生きる。それが女形を演じることだと話す市川猿之助。一方国木田彩良も、モデルとしてブランドの作り出す世界観を体現しながら、美を追求する。両者は全く異なる世界でありながら、そこには“他者からの視線の中でパフォーマンスをする”という共通点があるようだ。

S 歌舞伎の世界とモデルの世界はもちろん違いがあると思いますが、他者からの視線と切っても切れない、という点が共通しているように思います。ブランドがシーズンごとに打ち出すクリエイションを身につけながら他者の視線を意識していくと、ともすれば自分を見失いそうになることがあります。ブランドやクライアント、それぞれがつくり上げる世界観を人からどう見られているかということと一緒に答えを導き表現する。そういう「他者の視線から離れられない」というところは、歌舞伎俳優の方と近い部分があるのかな、と思っています。

E うん、そうですね。

S そんな中で、自分のアイデンティティーをしっかり保ち、自分を持ちながら、なにかを伝えていく、というのがとても大切になってくるのではないかと思っています。
私の場合、モデルのキャリアは20歳からスタートさせたので大人となってから始めたわけですが、歌舞伎の場合は子役から舞台に立ちます。幼い頃から他者からの目を意識しながら、どうやって自分のアイデンティティーを確立していくのでしょうか?

E アイデンティティーは重なっていますよ。

S 重なっている、というと?

E 私の場合は、歌舞伎がそのまま自分のアイデンティティーなんです。生活すべてなんです。だから仕事と思わないんです。好きなことをしてお金をもらっていると言えるかもしれませんね。

S 猿之助さんは歌舞伎俳優という軸をしっかり持ちながら、新しいジャンルにも挑戦しています。そこもやはり、日本の伝統である歌舞伎というアイデンティティーあってこそという思いがあるからなんでしょうか。

E そうですね。やはり古いものを知らないで新しいものを作ることなんてできないと思います。古いという概念がなければ新しいという概念だって生まれないわけですし。

S そんな歌舞伎を続ける上で、猿之助さんが大事にしていることはなんですか。

E やはり楽しいかどうか、ということですよね。歌舞伎に限らずそれはすべてに言えると思います。だって楽しくなければ続けることなんて苦痛でしかないじゃないですか。それはドラマの役を演じる上でもそうです。楽しいからやるんですよ。お仕事ってそうでしょ?

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