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特別インタビュー

市川猿之助が放つ「二面性」の輝きとは?
豪快と繊細、一筋縄ではいかないその魅力。【02】

2021.06.21

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東洋の歌舞伎、西洋のオペラ

S ヨーロッパでも歌舞伎の認知度はある程度あると思います。また向こうではエリートイメージのようなものがあります。お金を持っているから日本に行ける、そして日本の文化に造詣が深い。きちんと理解しているかどうかは別にして、(日本で)歌舞伎を観劇しましたよ、というのがステイタスのようにはなっていると思います。

E なるほどね。そういうステイタスとしてのイメージは日本人でも遠からずあるかもしれませんね。

S 位置づけとしてはオペラと似ていますよね。猿之助さんは、オペラのようにステイタスを感じさせる存在であり続けてほしいと思っていますか? それとももっとポピュラーになって、世界で親しまれてほしいと思っていますか?

E ステイタスと思われる要因には、価格によるところもあるかもしれません。そして少し先入観もあるような気がします。あとオペラも徐々にカジュアルになってきていますよね。同じように歌舞伎ももう少し、親しみやすくなってほしいとは思います。
いろいろな選択肢があって良いと思います。エリート的なものもある、カジュアルにも楽しめるというような。
オペラと言えば、私もかつてオペラの舞台を経験していますが、難しかった。特にキリスト教の価値観が入ってくると……。キリスト教は一神教で神はただひとり、それが絶対的な存在です。それが、日本人の我々にはなかなか理解しづらい。

S オペラだけでなく、バレエなどヨーロッパでは立脚点がそこですよね。怒りも愛も、神と対することから始まるんです。神様が見ているから、という神からの視線でつながっている。

E 日本人は神社にもいけばお寺にもいくしクリスマスだって祝う。だから唯一の神という感覚がわからない。それがわかったら諍いなどないでしょうけど。

S 歌舞伎の舞台には、役者だけでなく顔まで黒で覆われた“黒衣(くろご)”がいます。私は個人的にはそれがとてもおもしろいなと思っています。その見た目からの印象もありますが、西洋の視線から見ると忍者を彷彿とさせるような。そこにポップさもあるように感じるんです。

E 黒衣がポップさをね!

S かつては日本の国内だけで楽しまれた歌舞伎ですが、海外の違う価値観からの目もあります。そんな中で猿之助さんは歌舞伎にポップさが必要だと思っていますか。その場合日本の歌舞伎をどうやって明日のポップカルチャーにつなげていきたいと思っていますか? またそれで世界に打って出たいという思いを持っていますか?

E 歌舞伎の中にもポップさはいっぱいあると個人的には思っています。でもそれを見つけるのは、私たちではなく歌舞伎を観るお客様ではないでしょうか、そういう想像するのは。お店で例えるならば、歌舞伎には商品となるものはいっぱいある。でもそこから何かを見つけて買うのはみなさんですよね。だから一生懸命探して何かを見つけていただきたい。役者としては、そう思います。
また、世界に打って出るべきか、ということに関して言えば、私は(歌舞伎が)日本でいちばんであれば、それが世界でいちばんの舞台芸術であるという認識なんです。なにも世界に打って出なくても、ここで切磋琢磨し、ここで精進し、いちばんとなりたい。

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根本忘れるべからず

――アリアと今回初めて対峙(たいじ)した市川猿之助。撮影の合間には開口一番「安全性はどうなんですか?」と尋ねていた。彼が思う車のプライオリティ……それはすべてのことに通じる哲学だった。

E なんであれ、基本を忘れてはいけないと思っています。ですから車の場合はまず安全性。これは全てにいえることですが、長いことやっていると根本を忘れてしまい、枝葉末節ばかりに凝ってしまいがちです。タイタニックが良い例ですよね。豪華さに注力するばかりに救命設備が疎かになってしまっていた。見た目に安全性が犠牲になってはいけないと思います。

S 私も安全性はとても大切だと思います。快適性についてはどうですか? 猿之助さんは車での移動が多いでしょうか。

E そうですね、多いですね。ですから快適性もとても重要です。車内では台本を読んだり、物を書いたり、スマホでテキストを打ったりします。些細なことで揺れたりうるさかったりすると、集中できませんしミスもしますから。

S アリアの印象はいかがでしたか?

E エレガントだと思いました。

S 私もエレガントだと思います。車内の設えも素敵でした。入ったとたんにムードがあるんですよ。ライティングや意匠も雰囲気ありますよね。外国人にも“日本”が感じられると思います。欧米の車にはないムードがありますから。和みますよね。アメリカやイタリアの車だともっとアグレッシブな印象を持ちます。

E そうですね。アリアはフロントの全面に繊細な意匠を施していますが、ここはまさに日本的発想だと思います。

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S 車はステイタス、アグレッシブでマッチョという時代から、周囲を尊重しながら共存するようなベクトルにシフトしていっていると思います。以前は多くの車の広告で、水着の女性が車の隣にいましたが、もうそれもなくなりましたよね(笑)。それは今の価値観、考え方の変化の表れでもあると思います。電気で環境や音など周囲への配慮もありながら、パフォーマンスも充実している。そういう車が“時代”なんでしょうね。
さて、歌舞伎を発端に、ジェンダー、宗教観、芸術などいろいろな話が展開しました。このマガジンでは、唯一無二の存在になるには相反する二面性を持ち合わせていることが鍵である、ということがひとつのテーマになっていますが、猿之助さんの場合、二面どころか万華鏡のように多面の輝きを放っているようです。そんな人としての魅力について、最後にお聞きしたいです。

E 人は誰でも表と裏の顔があり、ひとつの顔だけを持っているのではありません。その上で大事なのは、それが紋切り型であってはいけないということではないでしょうか。知性は継承できませんから人として知性を養うように努力する、なにか群を抜こうとしたら気づいた時にすぐ行動する。そうなるともしかしたら二面性ではなく多面性となるのかもしれません。ならばいっちゃえばいいんじゃないですか、多面まで。

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市川猿之助(いちかわ・えんのすけ)
歌舞伎役者、俳優。1980年『義経千本桜』安徳天皇役で初お目見え。1983年『御目見得太閤記』禿役で二代目市川亀治郎を襲名。2012年に四代目市川猿之助を襲名。スーパー歌舞伎の発展を牽引し、TVドラマでも注目を集める。最新の出演情報はコチラから。
スーツ¥137,500/YOSHIDAYA(YOSHIDAYA BESPOKE TAILOR 03-6303-2512

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国木田彩良(くにきだ・さいら)
モデル、スピーカー。イタリア人の父親と日本人の母親をもつ、ロンドン生まれのパリ育ち。作家・国木田独歩の玄孫。日本におけるフェミニズムやミックス人種としての体験をベースに、社会の多様性や公平性、包摂性を広めようと各方面で活動中。
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問/日産自動車 お客様相談室 0120-315-2329:00-17:00

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Photograph:Kazuki Nagayama(S-14)
Styling:Kazuya Mishima(tatanca),Yoshiko Kishimoto
Hair & Make-up:Hideaki Mayumi(Plug-link), Sada Ito for NARS cosmetics (donna),Shingo Shibata(eight peace)
Text:Toshie Tanaka(KIMITERASU)

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