特別インタビュー
元ラグビー日本代表キャプテン、HiRAKU代表取締役
廣瀬俊朗の「新しいリーダー論」。[前編]
2022.01.12
廣瀬が大切にしているのは、「知らない世界に飛び込む、居心地の悪い世界に入ってみること」。まさにドラマ出演は、廣瀬にとってそんな場だったのだ。
「HiRAKU」は、スポーツの普及、教育、食、健康に焦点を当て、そこから展開をはかっていくことを目的に掲げる。
具体的にはどんな仕事なのか。
「ひとつにはアスリートが持っているピュアさ、清潔感みたいなものをうまく使って、たとえばメーカーさんと一緒にプロジェクトを動かしていくような事業ですね。ただ、僕は、ビジネスを一緒にやっていくというより、世界観を一緒につくっていきたい、という理念で動いてます」
そんな廣瀬が1年目に手がけたのは、「スクラムユニゾン」。「ラクビーワールドカップ2019日本大会」で世界19カ国から来る人々を国歌・アンセムを歌っても
てなそう、というのが廣瀬のプランだった。出場各国の歌をイベント会場や試合場で覚え、歌うことでさらに深い交流をはかり、盛り上げたいと企図したものだった。
「試合前に相手国の歌を歌うっていったいなんなのという声もちょっとあったりしたんですけど、リスペクトをもって試合前に接し、戦い、終われば友だち、ラグビーの精神は多国籍だし、そういう世界観を日本から発信したかった」
廣瀬の底力は、やはり、北野高校、慶應大学、東芝、日本代表と、そのすべてにおいてキャプテンを務めてきたということだろう。
「キャプテンをやってきたことはビジネスに生きていますか」と尋ねると、こう答えた。
「もしかしたら、人にあまり見えないものが見えるということはあるような気がします。全体の空気とか、いろんな人の顔色とか、いま人がどんなことを考えているのかといったことに対しては敏感かもしれません」
廣瀬俊朗(ひろせ・としあき)
1981年10月17日生まれ。大阪府出身。元ラグビー日本代表キャプテン。引退後は株式会社HiRAKUの代表取締役として、ラグビーに限らずスポーツの普及、教育、食、健康に重点をおいたさまざまなプロジェクトに取り組む。日本テレビ系ニュース番組『news zero』に木曜パートナーとして出演中。
ジャケット¥103,400/タリアトーレ、ニット¥17,930、パンツ¥19,910/ともにシップス、靴¥37,950/ポルペッタ × シップス(すべてシップス 銀座店 03-3564-5547)、ポケットチーフはスタイリスト私物
Photograph: Yoshihiro Kawaguchi(STOIQUE)
Styling: Hiroshi Morioka(GLOVE)
Hair & Make-up: Yasutomo Koike(k.e.y hair & make)
Text: Haruo Isshi