週末の過ごし方

コロナ後のガストロノミー界の行方を占う、
世界のベストレストラン50。

2022.01.17

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アワード後に、受賞したすべてのシェフ(赤いマフラー)と、殿堂入りしたシェフ(紫のマフラー)が集まって。

ジャーナリスト、フーディーズ、レストラン関係者など、世界で1000人以上の食の評議員の投票によって世界No.1のレストランを決める「世界のベストレストラン50」が、去る10月5日に、ベルギーのアントワープで行われた。2002年にロンドンで発祥以来、ガストロノミー界の潮流を決めるランキングとして毎年世界中が注目している。前回行われたのが、2019年6月のシンガポール。その後、コロナ禍をはさみ、2年超ぶりの開催となった今回、世界のガストロノミー界はどのような変貌を見せたのであろうか。

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1位に輝いた、デンマーク「ノーマ」チーム。中央、レネ・レゼピ氏はクリスタルトロフィーを手に。

選ばれたのは5大陸26カ国のレストラン50店。会場に集まったシェフたちからは、コロナ禍でレストラン業界が直面した冬の時代を経て、再びガストロノミー業界を盛り上げていこうという熱気が例年以上に感じられた。果たして結果は、デンマークのコペンハーゲンの、新生「ノーマ」が1位に輝いた。2019年は2位にランクインしており、大方の予想どおりではあったが、希少な素材の組み合わせや独自のテクニックが、現代のガストロノミー界に与えた影響ははかりしれないと、その1位をたたえる声は大きい。

2位は同じくデンマークのコペンハーゲンの「ジェラニウム」。そして3位が、スペインのビルバオ郊外の「アサドール・エチェバリ」。このベスト3の受賞は、現在のガストロノミー界における北欧勢とスペイン勢の強さを象徴しているともいえる。

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埋めつくされた客席では、プレゼンターが順位を読み上げるたびに、受賞したチームから喜びの悲鳴が。

日本勢は、最高位が、ホスピタリティと驚きにあふれた日本料理を供する「傳」が11位にランクイン。悲願のベスト10入りは今回もお預けとなったが、昨年と同じ11位をキープしたということは、世界にその実力がしっかりと認められているということにほかならない。また長年、日本のみならず、世界のガストロノミー界に強い影響を与えてきた里山イノベーティヴを供する「NARISAWA」も19位と、安定の実力を発揮した。そして、ビッグニュースは、コンテンポラリーでサステイナブルなフレンチ「フロリレージュ」が39位と、新たにベスト50入りを果たしたことだろう。日本人としては、大変に喜ばしい結果になった。

全体にアワードをけん引したのは各6軒がランクインしたスペイン勢とアメリカ勢だ。なかでも全米初の三つ星を授賞した女性シェフ、サンフランシスコのドミニク・クレンが、ベスト50でも女性初の功労賞を受賞したことはダイバーシティをテーマに挙げる今回の象徴的な事柄のひとつだ。ほかに目立った動きは、10位までに3店、50位までに4店入賞した中南米大陸の勢いと、15位にニューエントリーした「リド84」を含むイタリアの底力だ。

美食を求めての旅は、コロナ後の経済復活の足掛かりになると、ベスト50は、そのアワードをもって体現した。

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