カジュアルウェア
スーツの新潮流。デートでスーツがイタリア流。
日本でトライするためのポイントは?
ファッショントレンドスナップ187
2023.06.12
ビジネスでは、どんどんカジュアル化してきているのに反して、オフの日はその逆のドレススタイルが増えてきています。なかでも、スーツをオフのお出かけのときに着るというのが、世界のファッショニスタの間で注目されています。
そこで今回は、まだ日本ではなじみの薄いオフの日のスーツスタイルをイタリアのスナップをもとに解説。
今回のジェントルマンは、オフの日に友人たちと美術館に行くというタイミングでスナップ。スーツをチョイスしたジェントルマンは、左の彼女のジャケットスタイルに違和感なくなじんでいますね。それもWスーツなのに堅苦しいイメージが一切ありません。
一見かなりハードルの高いスタイリングに見えますが、実はいくつかのポイントを押さえればトライできるはず? なので、諦めずにこのあとも読んでください。
<Wスーツ購入のポイント>
① 生地は、ソフトなコットン素材かストレッチ素材でカジュアル感を出す。
② 上着の前身頃の打ち合わせ部分(左右が重なる部分)が狭いものをチョイス!
③ シルエットはルーズフィットではなくスリムフィット。
ジェントルマンの抜け感のあるスタイリングは、こうしたことをクリアしてこそ生まれるものなので、ネットで安易にWスーツを買ってしまうと大失敗します。特に、最近のスーツは、ルーズフィットが多くなっているので、ご注意を。特にWスーツの場合は、前身頃がもたつくので、初心者向きではありません。
それと、スタイリングで見落としやすい点がひとつ。Wスーツの上着のボタンは、留めないということ。初めてWスーツを着る方は、ついボタンを留めてしまいがちですが、スナップのジェントルマンのような抜け感は出せません。
パンツのシルエットはスッキリ細めにすることで、上半身のボリューム感を抑え全体を軽快に見せる効果が出ます。パンツにはプレスを利かせて中央にライン(クリース)を入れると、シャープなイメージが強調されます。ジェントルマンの場合は、ジャージー素材のパンツなので、ラインが取れないようにミシン加工がしてあります。
足元は、アディダスのスタンスミス。王道スニーカーをチョイスしていますね。ややもすると堅苦しく見えがちなWスーツのイメージを、スポーティーでクリーンなイメージにしていたのは、スニーカーとTシャツの色のチョイスがそろっていたからだったのです。
イタリアのラルディーニのコットン100%のネイビーのスーツは、芯材を極限まで薄くしているので、肩周りは立体的でありながら、着用感はまるでシャツのような軽さ。生地は、光沢感があるのでほどよい高級感が漂います。
Wスーツは、今年はさまざまなセレクトショップが独自の感覚で打ち出しています。ショップでハンガーにかかっているのを見ると、着こなしのハードルがめちゃくちゃ難しいのでは? と想像してしまいますが、今回のスナップのジェントルマンのようにシンプルにコーディネートすれば攻略可能。
Wジャケットは、ファッションに敏感な女性の間ではトレンドアイテムになっているのも追い風です。好感度が上がるかどうかは、Wスーツを気負わないで着ることに尽きます。何回か着て慣らしてからの本番デートがオススメです。
Photograph & Text:Yoichi Onishi