カジュアルウェア
100年以上変わらぬ不朽の名作、
フィルソンのジャケット。
2023.10.13
キャンプを中心としたアウトドア人気がとどまることを知らない。自然の中で楽しむ食事やたき火といった行為自体の面白さはもちろんだが、スタイリッシュに進化を遂げるウエアや道具が人気を後押ししているのは間違いない。タフな環境下で頼りになる機能性と気の利いたギミック、そして理にかなったデザインはタウンユースにおいても有用だ。そこで、この秋、気になるアウトドアアイテムをピックアップ。プロユースの本格派からハイブランドの意外なアイテムまでアエラスタイルマガジン独自の視点でセレクトした銘品を紹介しよう。
アウトドアウエアの殿堂なんてものがあるとすれば、フィルソンのマッキノークルーザージャケットは間違いなく入るだろう。1914年に特許を取得した同アイテムは、雨の多い地域で働く林業や建材業の人たちのために作られたもの。その特徴のひとつが優れた防寒性だ。高密度に織り上げられたバージンウールは、通気性を確保しながら外部からの風をしっかりと防いでくれる。また、特殊な繊維構造を有するため、濡れた状態でも保温性があり、湿気を感じさせずに水分を吸収してくれるというから天然素材のナチュラルパワーには驚かされる。フロントに配した4つのフラップポケットに加え、背面にはかつてハンターが仕留めた野生動物を収めていた幅広のビッグポケットを配置。大判のチェック柄も含めて1世紀以上大きく変わらぬ意匠は、現在もデザインソースとしてさまざまなブランドに模倣されるなど、エバーグリーンな輝きを放つ。アメリカの国立公園局や森林局が公式ユニフォームとして採用していたことも、アウトドアウエアとしての信頼度を裏付ける証左と言えるだろう。
問/アウターリミッツ 03-5413-6957
掲載した商品は税込み価格です。
Photograph: Ryohei Oizumi
Styling: Tomohiro Saito(GLOVE)
Text: Tetsuya Sato