靴
高級紳士靴で培った技術をふんだんに盛り込んだ、
三陽山長のスニーカー。
2024.10.17
きちんとした印象を損なうことなく、エフォートレスに装えるセットアップは、現代におけるビジネスウエアの新定番。とはいえ、案外難しいのが足元の仕上げだ。フォーマルなドレスシューズだと杓子定規で面白みがなく、かといってカジュアルなスニーカーでは軽快さが強調され、ビジネスシーンでは文字どおり“足元を見られる”恐れもある。そこで、セットアップに似合うシューズを各ブランドから厳選。おすすめの一足を日替わりで紹介する。
熟練職人による高度な技術が息づいたモノづくりで知られる三陽山長。高級紳士靴で培われた経験と技術は、スニーカーにも多分に生かされている。写真の「進一/SHINICHI」は、三陽山長の定番ラスト“R2010”をベースに、ドレススニーカー用に改良した木型を採用。かかと部分の高いフィット感はそのままに、指まわりにゆとりを持たせることで、スニーカーならではのコンフォートな履き心地を享受できる。加えて、縦にスリットの入ったソールは屈曲性が高く、履きはじめからすぐに足になじんでくれる。アッパーのスムースレザーとトウやヒールに配したスエードの穏やかなコントラストも洒脱な印象に。コバまわりの白いステッチも小粋なアクセントを添えている。インソールだけでなく、履き口にも高いクッション性を持たせてあるので、長時間歩いても疲れにくく、外回りの多いビジネスパーソンにはおあつらえ向きの一足である。
問/三陽山長 日本橋髙島屋S.C.店 03-6281-9857
掲載した商品は税込み価格です。
Photograph: Satoru Tada(Rooster)
Styling: Hidetoshi Nakato(TABLE ROCK.STUDIO)
Text: Tetsuya Sato