接待と手土産

「お茶の千代乃園」の雪ふる山のギフトセット。
すべて実食! 自慢の手土産 #154

2025.11.13

「お茶の千代乃園」の雪ふる山のギフトセット。<br>すべて実食! 自慢の手土産 #154

福岡県八女で三代続く茶園から届く、まろやかで深みのあるお茶。

ホッとひと息つけるティータイムを可能にしてくれる、心や身体にすっと染み渡る一杯のお茶。筆者が今年の夏に訪れ、すっかり魅了されて愛飲しているのが、福岡県八女市にある「お茶の千代乃園」のお茶だ。

八女は約600年の歴史を持つ日本有数の茶どころ。そのなかでも標高400〜600メートルの山間地に位置する矢部村は、昼夜の寒暖差や霧の発生しやすい気候、矢部川の清流がもたらす肥沃な土壌と、茶づくりに理想的な環境がそろっている。まろやかで奥行きのある味わいが特徴で、高品質な玉露の産地としても知られている。

その矢部村で三代にわたって茶づくりを続けている家族経営の茶園が千代乃園だ。夏でも涼しく、冬には雪が積もる山の中にあるが、ふっくらと積もるその雪が茶樹を包み込み、寒さから守る。新芽の芽吹きは平地よりも遅くなるが、そのぶんゆっくりと育ち、深みのある味わいになる。その特徴を“おそぶき”として商品名にも付けている。

現在は12品種の茶樹を育てていて、煎茶、ほうじ茶、玄米茶、和紅茶、烏龍茶など、約50種類ものお茶がそろう。同じ品種でも春摘みと夏摘みでは香りも味も異なるため、気候や茶葉の状態を見極めながら、収穫時期、最適な加工方法を選び抜いている。わずかな違いも見逃さず、茶葉の個性を最大限に引き出しているのだ。

筆者はすでに煎茶や玄米茶など7種類ほど試してみたが、それぞれに魅力があってどれも甲乙つけがたい。贈り物なら、定番を詰め合わせた「【いつものお茶】5本 雪ふる山のギフトセット」がおすすめだろう。新芽を八十八夜の時期に摘んだ「雪ふる山のおそぶき煎茶」が2袋、煎茶と白折(茎茶)を高温で焙煎した有機ほうじ茶、上質な一番茶と九州産の炒り玄米、自家製抹茶をブレンドした抹茶玄米茶、国産品種「べにふうき」を用いた有機和紅茶が、それぞれ1袋ずつセットになっている。なかでもおそぶき煎茶は、爽やかな香りのなかにまろやかな甘み、ほどよい渋みが調和した千代乃園を代表するお茶だ。

ギフトボックスには、筑後地方の伝統工芸・久留米絣の柄があしらわれ、茶缶がなくても茶葉を清潔に保管できるチャック付きのアルミパッケージも、暮らしに自然と溶け込むシンプルなデザインに仕上げられている。2024年には福岡デザインアワードの大賞を受賞している。

筆者のいち押しの理由がもうひとつ。茶樹の生育から茶葉の加工まで、化学物質を使わず、おいしさと安心を両立している点だ。2006年に減農薬栽培へと移行し、2012年には完全無農薬へ。2015年には有機JAS認証も取得。自然と共に生き、土地の力を信じ、手間を惜しまずに育てられた貴重なお茶なのだ。

機会があれば一度、矢部村を訪れてみてほしい。茶園に近い山の中におしゃれな茶寮があり、自慢のお茶を最適な抽出方法で味わうことができる。「お茶ってこんなにもおいしかったのか」という驚きと、心和むひと時に出合えるはずだ。静かな山の時間が、一杯に凝縮されている。そんな一杯を大切な人に選んではいかがだろうか。

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お茶の千代乃園
福岡県八女市黒木町北大淵6338花巡
価格/【いつものお茶】5本 雪ふる山のギフトセット4980円(有機ほうじ茶50g、有機煎茶50g×2、有機矢部紅茶30g、抹茶玄米茶60g)、【いつものお茶】3本 雪ふる山のギフトセット2764円(矢部紅茶ティーバッグ10個入り、有機煎茶50g、抹茶玄米茶60g)※税込み、送料別
問/0943-22-8552
https://chiyonoen.jp/

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