週末の過ごし方
四季の移ろいを体感できる、壮大なアート施設。
2026.03.30
古典演劇から現代演劇までの伝承・普及、美術品などの保存・公開、現代美術の振興発展に寄与することを目的として、2009年に現代美術作家・杉本博司によって設立された小田原文化財団。その拠点として、構想から20年の歳月をかけて2017年秋に開館したのが「江之浦測候所」である。
鎌倉にある明月院の正門として室町時代に建てられた「明月門」。それを解体修理し、江之浦測候所正門として再建。
杉本の代表作が展示されている「夏至光遥拝100メートルギャラリー」。
小田原市江之浦は急峻な箱根外輪山を背にして相模湾に臨み、類いまれなる自然景観を保持する。そんな自然遺産の中に設立されたこの施設は、杉本の代表作をはじめとする美術品鑑賞のためのギャラリー棟、石舞台、光学硝子舞台、茶室、庭園、門、待合棟などから構成される。また各建築物は、日本の建築様式や工法において各時代の特徴を取り入れ、日本建築史を通観するものとしても機能。現代では継承が困難になりつつある伝統工法を再現し、未来に伝える使命も有している。
冬至の朝、相模湾から昇る陽光が70メートルにおよぶ「冬至光遥拝隧道」を貫く。
かつて柑橘農家の農具倉庫として使われた小屋を改修し、杉本の化石コレクションを展示する「化石窟」。Ⓒ小田原文化財団
文化芸術の発信拠点として、国内外から高い評価を受ける江之浦測候所。あらゆるものが成長の臨界点に至った今だからこそ、天空、そして自然の移ろいを体感しながら、人類とアートの起源に想いを馳せたい。ちなみに、見学には事前予約が必要となるため、公式ウェブサイトで詳細を確認のうえ訪れてほしい。
小田原文化財団 江之浦測候所
神奈川県小田原市江之浦362番地1
0465-42-9170(9:00~17:00/水曜、臨時休館日を除く)
https://www.odawara-af.com