モデル・櫻井貴史
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セイコー アストロン Nexter
腕時計とスーツ –– ブルーが
秘めるポテンシャルの解明
ブルーが放つ絶大な存在感。装いを楽しみたいならば、それはこれ以上なく頼もしいものだろう。とりわけ、装いの基本色とも言われるこの色は、大いなるポテンシャルを秘めている。
そんなブルーをまとったセイコー アストロン Nexterの最新作は、GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフを搭載した「SBXC175」と「SBXC181」の2モデルだ。
変容する社会に合わせ、オフィスファッションの多様化が進みゆくなかで、スーツにおける腕時計の意義、ブルーという色が備える力とはいかなるものか。その可能性を自他共に認める腕時計好きのモデル・櫻井貴史さんと、本誌編集長・藤岡信吾が解き明かす。
ブルーという奥深き色がもたらす効果効能とは?


藤岡櫻井さんは、これまでに、モデルとして数多の洋服に袖を通してこられたと思います。ブルーの服も数多く着てこられたのではないでしょうか。
櫻井それはもう…数え切れません(笑)。ただ、モデルとして複数人でページを担当するときに、「 “サク(=櫻井さんの愛称)”は、ネイビーだね、ブルーだね」と、ブルー系のルックを担当する経験も多くて。ブルーという色には個人的にも愛着があります。
藤岡櫻井さんは“ブルー・キャラ”なんですね(笑)。
櫻井不思議とご縁がある色なんです。もちろん、個人的にも好きな色で、ブルーのアイテムは服やバッグなど数多く所有しています。藤岡さんは、ブルーについてどんな印象を持たれていますか?
藤岡僕はジャズが好きなんですが、“ブルーノート”や“ブルース進行”、ほかにも“ブルー”が曲のタイトルに使われていることが多いんです。だから、ブルーという色には奥深い印象があります。若い人なら快活、年を重ねた人なら渋み、その両方を担保してくれるような色なのかなと。
櫻井わかります。普段、僕はブルーを“ズルい色”と表現することもあるんですが、ブルーという色は清潔感や知的な印象を与えてくれるだけでなく、信頼性も備えている。身に着けるだけでいい人に見えちゃう。ネイビースーツはもちろんですが、カジュアルアイテムであるデニムなども含めて、とっても汎用性が高いですよね。
藤岡スーツスタイルの場合、ビジネスにおいては相手に対していかに向き合うかが重要となります。だからこそ、第一に服装で誠意を表せるという点でも、創刊以来私たちが推しているのはネイビースーツ。つまり、ブルーなんです。
櫻井着るもので“人を表す”とも言われますね。
藤岡確かに、ビジネスウエアのカジュアル化が進むなか、服装も個人の価値観や判断に委ねられるシーンが多くなりました。そうしたときに、正統派のスーツではないセットアップやジャケパンスタイルでも、ネイビーを代表格とするブルー系を採り入れておけば、比較的安心という側面もあります。
櫻井日本人にとっては、藍染めや陶器などで親しみのある色ですし、汎用性が高い。スーツに限らず、とにかく使い勝手の良い色だと思います。また、トーンの振り幅が広いブルーという色は、素材のよしあしも出てしまうもの。だからこそ、上質なブルーというのは、着ていても気分が上がります。
藤岡上質なブルーは、自らを高揚させ、他者には好印象を与えてくれる。日本人に似合うとも言われますし、装いにおけるあらゆるシーンで強い味方になる色なのでしょうね。
ブルーをまとったセイコー アストロン Nexterがもたらすもの


藤岡ブルーが印象的な、アストロンの最新モデル「SBXC175」と「SBXC181」の2本を着けていただきました。
櫻井アストロンは、腕時計好きとして日頃からチェックしているのですが、世界に先駆けるGPSソーラーウオッチとして非常に使い勝手が良さそうです。最新作の2本にはいずれもブルーが採用されていますが、ブルーのニュアンスが違いますね。
藤岡「SBXC175」のほうは、サファイアガラスベゼルの輝きがエレガントなトワイライトブルー。一方で、「SBXC181」のほうは、ベゼルとブレスレットに使用されたセラミックスによるスポーティなブルー。ひと口にブルーと言っても印象は異なります。実際に着用してみていかがでしたか?
櫻井「SBXC175」に感じるのは、透明感のあるベゼルが受ける光によって表情を変える点。これが非常に美しい。「SBXC181」は、ブレスレットの中駒もベゼルと同じブルーのセラミックスが採用されていて、つややかなブルーがより際立ちます。ストライプのダイヤルと相まって、精悍で力強い印象です。まさに「上質なブルー」だと思います。
藤岡「SBXC175」はスーツスタイルで、「SBXC181」はカジュアルスタイルでコーディネートしましたが、それぞれ入れ替えたコーディネートでも成立しそうです。また、メタルのスポーティーなテイストにブルーのエレガンスを宿したこの2本は、ネイビースーツが備える誠実な印象にも重なるものを感じます。
櫻井しかも、ともに肌なじみが良いのが魅力。ファブリックで表現されるブルーとも違うので、素材違いでブルーグラデーションを楽しみたいという洒落者にもおすすめできます。また、ブルーからは離れますが、見た目の話だと、個人的には「縦三つ目」のクロノグラフ顔にひかれています。これは自分の印象ですが、よりスポーティーなルックスかなと。
藤岡かなりマニアックな視点ですね。さすが腕時計好きです(笑)。本作を手がけたセイコーの担当者によれば、GPSの受信技術が高まったことで、デザインに融通を利かせられるようになり、アストロンとして初めて「縦三つ目」のクロノグラフを実現したとのことです。言うなれば、技術革新がもたらしたデザインの進化ということですね。
櫻井おー、開発の背景にそんな技術的ストーリーが! 大好物なんです、そういう話(笑)。
藤岡そして搭載されている最新キャリバー「5X83」ですが、デュアルタイム表示機能とブランド初となる1/20秒計測が可能なクロノグラフ機能を併載したそうです。アストロンは2012 年に世界初のGPSソーラーウオッチとして登場して以来、幾度となく性能を向上させつづけてきました。昨年満を持して発表された「5X83」は、約6年ぶりとなる正統進化を遂げたキャリバーと呼ぶべきものなのだそうですよ。


グラフ SBXC181
櫻井聞けば、アストロンのルーツは、1969年に世界初のクオーツウオッチとして誕生した「クオーツ アストロン 35SQ」にあり、本作はその系譜に連なる、と。
藤岡腕時計史に輝く金字塔的なモデルですね。そして高精度を追求するセイコーの原点でもある。そうした歴史的背景を知ることで、この腕時計の魅力がさらに伝わります。
櫻井機能面はもちろんですが、実用性も申し分ありませんね。チタン製でとにかく軽くて着けやすい。ブレスレットも隅々まできれいに磨き上げられています。
藤岡確かに、「SBXC175」は仕上げを変えて表現した5列ブレスレットの質感の高さにも見応えがありますね。
櫻井「SBXC175」はケース斜面の鏡面仕上げなど、とにかく微に入り細に入り、作り手のこだわりを感じます。ダイヤルの立体的なホリゾンタルパターンのモダンな印象が引き立っています。質感と言えば、「SBXC181」のベゼル、ブレスレット中駒、りゅうずトップに採用されているブルーセラミックスも印象的です。
藤岡チタンと組み合わせていることで、ブルー×ホワイトシルバーの配色がとても爽やかだし、ダイヤルのストライプの型打ちパターンの質感も美しい。
櫻井アクセントカラーとしても効いているレッドの秒針もスポーティーなエッセンスが表現されていますね。
藤岡櫻井さんとはイタリア出張もご一緒しましたが、世界を飛び回る際に感じるのが、時刻調整の煩わしさですよね。6時位置のサブダイヤルで第二時間帯を示すデュアルタイム機能やGPS電波受信による正確な時刻調整により、それらが不要になるというのは、世界を飛び回る人には非常に便利だと思います。また、櫻井さんがおっしゃるように軽量なので、着用時のストレスも感じにくい。毎日、強い光を検知すると自動で時刻情報を受信する「スーパースマートセンサー」により、時刻調整は不要で、しかもソーラー充電方式なので定期的な電池交換も不要という点で、国内での使用においても究極のストレスフリーを実現しています。
櫻井GPSソーラーウオッチと言えば、セイコーがトップランナー。先ほどの「縦三つ目」のクロノグラフ顔の話も併せて、この腕時計を着けるということは、日本が誇る技術力を身に着けることと同義。海外の人にも自慢できそうです。
新しい時代、これからの腕時計に求められるもの


グラフ SBXC181
藤岡改めて、腕時計を着ける意義について話してみたいのですが、本誌ではスーツスタイルに腕時計を着用するのはマナーとしています。ビジネスシーンにおいてスマートフォンで時刻を見るのは、かなりあからさまな行為になりますし、失礼に当たることもあり得ます。ところが腕時計ならば、一瞥(いちべつ)で済む。それに時刻を見るという所作自体もエレガントというわけです。
櫻井スーツを日常であまり着ない僕でも、そうしたエレガンスは理解できます。やっぱり美しさが違う。ポージングしていても思いますから。そういう所作は大事かなと。
藤岡所作のプロが言うと説得力があります。さて、櫻井さんご自身にとって腕時計とはどういう存在ですか?
櫻井普段アクセサリーを身に着けることが少ない自分にとって、腕時計やアイウエアは数少ない装飾品。アクセサリーという観点から見て、自分の生活には絶対に不可欠なアイテムです。また、プロダクトの背後にあるストーリー性も大好物。腕時計には、そうした見た目以外の要素も大きいと思っています。
藤岡同感です。個人的には人が語り合える共通のものがあるというのは、コミュニケーションを取るうえで欠かせないものだと思います。それこそ高価なものですし、どうしてそれを買ったのか、あるいは何かの記念なのか、その腕時計を目の前にストーリーが繰り広げられるのもすてきだと思います。
櫻井たとえ好みが異なったとしても、どこかで共鳴できる部分が生まれやすいのも腕時計ですよね。まさに“人を表すもの”。自分の好みと異なっても、なぜこれを選んだんだろう?ってむしろ相手に興味が湧いてきます。例えば、今回のアストロン Nexterを選んでいる人は、やっぱり機能性や合理性を考えつつ、ビジュアルにも気を使っている……とか、想像が膨らみますね。
藤岡それがきっかけで会話が弾む重要なトーキングピースでもありますよね。数少ない男の装飾品でもあり、コミュニケーションツールともなり得る。
櫻井腕時計は自己表現のツールにもなりますね。
藤岡価値観の多様化に応じて自由度が高まると、そのぶん、個人を判断する“ブレない芯”のようなものがより重要視されてくると思うんです。少し大げさに言えば、それは個人の価値基準の拠り所となるようなもので、簡単に言うとその人らしさを表すものです。「SBXC175」と「SBXC181」はセイコーの歴史という点から見ても、確かなルーツを持っています。さらに、誕生以来、高精度を追求しつづけています。そうした意味で、この腕時計には揺るぎない「芯」があると言えるのではないでしょうか。
櫻井確かに、「SBXC175」や「SBXC181」を着けている人は、“芯がある”という印象を受けますね。充実した機能性、確かな実用性、そしてスタイリッシュなデザイン性。何より、ビジネスシーンの頼もしい味方となるブルーをまとっている。だからこそ、多方面への心配りがしっかりとなされている。そんな人物像を思い浮かべることができる。まさに、これからの時代にこそ求められる一本となりそうですね。
Specifications


セイコー アストロン
Nexter GPSソーラー
デュアルタイム・クロノグラフ
<櫻井さん着用モデル>「SBXC175」
※2025年5月10日(土)発売

アストロン Nexterのハイエンドモデル「SBXC175」は、サファイアガラスベゼル、ケース斜面の鏡面仕上げや質感の高い5列ブレスレットで、エレガンスと高級感を演出する。ホリゾンタルのラインが入るダイヤルには知性を象徴するトワイライトブルーを採用。第二時間帯を示すデュアルタイム機能と、1/20秒を計測できるクロノグラフを併載したキャリバー「5X83」を搭載。ソーラーGPS衛星電波修正、純チタンケース&ブレスレット、ケース径44.1㎜、10気圧防水、¥352,000 、2025年5月10日(土)発売


ソーラーGPS衛星電波修正、純チタンケース&ブレスレット、ケース径44.1㎜、10気圧防水、〈左〉¥352,000、〈右〉¥374,000、いずれも2025年5月10日(土)発売
ソーラーGPS衛星電波修正、純チタンケース&ブレスレット、ケース径44.1㎜、10気圧防水、〈上〉¥352,000、〈下〉¥374,000、いずれも2025年5月10日(土)発売
詳しくはこちらセイコー アストロン
Nexter GPSソーラー
デュアルタイム・クロノグラフモデル
<櫻井さん着用モデル>「SBXC181」
※2025年5月10日(土)発売

ベゼルとブレスレットの中駒に艶やかなブルーセラミックスを採用した「SBXC181」。サブダイヤルと外周リングのホワイトシルバーに、ダイナミックなストライプのパターンをあしらったブルーダイヤルが爽やかな印象を高める。レッドカラーの秒針も良きアクセントに。第二時間帯を示すデュアルタイム機能と、1/20秒を測定できるクロノグラフを併載したキャリバー「5X83」を搭載。ソーラーGPS衛星電波修正、純チタンケース&ブレスレット(中駒:セラミックス)、ケース径43.3㎜、10気圧防水、¥330,000、2025年5月10日(土)発売



ソーラーGPS衛星電波修正、純チタンケース&ブレスレット、ケース径43.3㎜、10気圧防水、〈左〉¥308,000、〈中〉¥308,000、〈右〉¥330,000
ソーラーGPS衛星電波修正、純チタンケース&ブレスレット、ケース径43.3㎜、10気圧防水、〈上〉¥308,000、〈中〉¥308,000、〈下〉¥330,000
詳しくはこちら
櫻井貴史(さくらい・たかし)
1979年茨城県生まれ。1997年よりモデルとしてキャリアをスタート。2000年代には香港·シンガポールなど、アジアを拠点に活躍。帰国後、雑誌表紙モデルを2006年より約1年間務めたのを皮切りに、メンズファッション誌や広告などを中心にトップモデルの座に。2021年には、長らく所属したモデルクラブより独立し、個人事務所「ティ」を設立。現在は美容ジャーナリスト、朝の情報番組のコメンテーターなど幅広く活躍中。
instagram:https://www.instagram.com/sakurai_takashi/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UC4juJAN8f6zUlTjoSiUio2A
お問い合わせ先
問/セイコーウオッチ お客様相談室 0120-061-012
スーツ¥198,000、シャツ¥22,000、タイ¥13,200/すべてブリッラ ペル イル グスト、チーフ¥4,180/ビームスF(すべてビームスF 03-3470-3946 )
〈ブルゾンのスタイル〉
ブルゾン¥80,850、スキッパーポロ¥62,700、中に着たニット¥18,700、パンツ¥59,070/すべてサンスペル(サンスペル カスタマーサービス 050-3562-1860)
Photograph(Model): Yuji Kawata
Photograph(Still): Yoshinori Eto
Styling: Hidetoshi Nakato(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: Yuzuru Takei(&'s management )
Interview & Text: Masashi Takamura
Edit: Takeshi Abe
Produce: Shingo Fujioka , Yosuke Fujimori
(AERA STYLE MAGAZINE)