カジュアルウェア
バーニーズ ニューヨーク銀座本店でイタリアのセレブがこぞって愛用する!?
名門バッグブランドを発見。その人気の理由を探る
ファッショントレンドスナップ 216
2025.12.02
世界中の最先端トレンドが集まる銀座で、意外と知られていないのが昭和初期の面影を残すデザインの建物がひっそりと残っていること。有名なのは、和光の時計台付きのビルで1932年に再建。当時は集合住宅だった銀座奥野ビルは1932年、泰明小学校(一部)は1929年に建てられています。
個人的に推しの建物は、交詢ビル。1880年に建てられた頃のモダンデザインが感じられる外観が一部に採り入れられています。このビルは、関東大震災で全壊し1929年に再建され、2002年に老朽化のため解体されるまで銀座の歴史を語るヌシ的な存在でした。
現在はスタイリッシュなビルに生まれ変わっていますが、交詢社通り沿いの入り口から見上げると明治の銀座がどんなだったかを少し想像できます。
またまたイントロが長くなってしまいましたが、今回の本題はこのビルの1階、2階、地下1階にあるバーニーズ ニューヨーク銀座本店。9月に内部が改装されたということで、久々に銀座パトロール。日本ではバーニーズのみの取り扱いとなるイタリアの秘宝を発見。
バーニーズ ニューヨーク銀座本店の1階奥のリニューアルされたスペース。左手奥のスペースには、来店されたお客さまがビンテージのソファーに座り店頭の商品を吟味できるプライベートスペースが用意されていました。奥の壁側に面したコーナーにはヨーロッパの有名ブランドのバッグや財布、傘がディスプレーされています。
そこで個性的なオーラを発していたバッグを発見。近寄ってそのブランド名を確認するとフォンタナ ミラノ 1915の刻印が。
「フォンタナ ミラノ 1915は、日本ではバーニーズ ニューヨークのみが正規取り扱いさせていただいているバッグブランドです。ブランド名にあるように1915年創業で、当時はイタリアのレザー産業の一大産地トスカーナの家族経営の小さなレザーファクトリーでした。後にミラノに拠点を移し、ヨーロッパの名だたる老舗ブランドのバッグなどの受注を受ける、高級レザー製品に特化したファクトリーへと躍進。現在は誰もが知るブランドのOEMと自社ブランドのフォンタナ ミラノ 1915を展開しています。イタリアでも知る人ぞ知る的なブランドで取り扱いをするショップは厳しく選定されています。イタリアの伝統的な職人技、最高級レザーしか使わないというこだわり、クラシックとトレンドをミラノ流にブレンドするデザイン力はこのブランドの魅力です」と解説していただいたのはバーニーズ ジャパンのプレスの重富希典さん。
フォンタナ ミラノ 1915には、メンズ&ウィメンズで使えるバッグが多く、今回チョイスしたモデルは、その代表的なデザイン。
https://www.barneys.co.jp/
さまざまなブランドバッグを使った後にたどり着く究極のバッグ。ほかの人とかぶらない品格のあるバッグを持ちたいという方には最適ではないでしょうか。
実は、2017年に私はこのブランドのミラノのショールーム&工房を見学していたので、その模様を最後にリポート。
工房には、熟練の男性の職人と女性スタッフが新しいデザインにトライしたり、クオリティーを厳しくチェックする姿が見受けられました。ただ黙々と仕事をこなすほかのバッグ工場とは違い、クールでクリエイティブな雰囲気のなかに、イタリア的なファミリー感が残っている数少ない工房でした。
細かな部分は熟練の職人技が欠かせません。レザーは、独自の加工をされたオリジナル。使い込んでいくうちにその違いが歴然と出るそうです。
世界中のセレブリティがクワイエットラグジュアリーをこぞって採り入れています。それは一見すると高級品とはわからない控えめなデザインですが、それゆえに身に着ける人の個性を際立たせ洗練した品格を演出するスタイル。フォンタナ ミラノ 1915は、そのスタイルに欠かせないブランドのひとつではないでしょうか。
こちらは、ミラノの工房の1階にあるショールーム。天井にかかっているアーティスティックなシャンデリアは、ベネチア製。バッグブランドとは思えないエレガントなインテリアデザインにこのブランドの目指す世界観が垣間見えました。