週末の過ごし方
ハイアット セントリック 金沢で、
北陸の風土と知が融合する食体験を。
2025.12.17
北陸新幹線・金沢駅から徒歩数分。都市の機能性を備えながら、金沢という街の文化と感性を凝縮し、美術館と見まがうほどアートや伝統工芸作品が並ぶホテル。それが「ハイアット セントリック 金沢」だ。出張や短い滞在でも、土地の本質に触れ、ハッとする体験を得たいと考える大人のビジネスパーソンにとって、この立地と設えは理想的な入口となる。
現在、館内のオールデイダイニング「FIVE – Grill & Lounge」では、期間限定の「金沢産食材フェア ~ Kanazawa Storyディナー」が開催されている。加賀百万石の歴史に育まれた食文化と、現代的な感性を掛け合わせ、金沢の12月22日(月)までの期間“今”を一皿ずつ紡いでいくコースだ。
冒頭を飾るのは、金沢野菜のコールドプレスジュースと五郎島金時のチップ。土地の滋味を静かに体へと染み込ませるような一品で、これから始まる物語への期待を高めてくれる。続く前菜とスープでは、冬の金沢を象徴する香箱ガニを一杯丸ごと使用。内子の濃厚さ、外子の食感、蟹身の旨みを、大野醤油を用いた蟹酢ジュレやコンソメスープに昇華し、素材への敬意と技の確かさを感じさせる構成だ。
メインに向かうにつれ、源助だいこん、金沢せり、加賀れんこんといった加賀野菜の“存在感”が際立つ。金沢港産の鱈と白子、塩糀でマリネした鰤、国産牛サーロインといった“主役級”の食材と合わさることで、皿全体の完成度を高めていることを実感できる。デザートには金沢藤五郎(自然薯)を使ったシフォンケーキと地元養蜂場の蜂蜜アイス。最後まで土地の恵みが一貫している。
食後、アートに彩られた館内や、快適性を追求した客室に身を委ねる時間もまた、このディナー体験の延長線上にある。視覚、味覚、感性をゆっくりと整えながら、自分自身のリズムを取り戻していく――。
金沢の素材、生産者の思い、そしてホテルの美意識が交差する「Kanazawa Storyディナー」。それは単なる“ご当地フェア”ではなく、大人の知的好奇心に静かに響く、完成度の高い食体験と言えるだろう。
FIVE – Grill & Lounge
石川県金沢市広岡1-5-2 ハイアット セントリック 金沢 3階
076-256-1559(受付時間 10:00~21:30)
※ディナータイムは17:30~20:30[LO.20:00]
取材協力/ハイアット セントリック 金沢
http://hyattcentrickanazawa.jp
Text:AERA STYLE MAGAZINE