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ファッション スナップ スナップ10
「イタリアおしゃれ番長のWジャケット術」

2017.09.25

大西陽一 大西陽一

ファッション スナップ スナップ10<br>「イタリアおしゃれ番長のWジャケット術」

アメリカのファッションブローガー&カメラマンのスコット・シューマンのザ サルトリアリスト(http://www.thesartorialist.com)と命名されたブログは、その名が示すようにメンズのクラシックでリアリティーのあるスナップ(女性のスナップもありますが)で有名なサイト。

ここにアップされることは、メンズファッション関係者の間ではとても名誉で、年齢や肩書にとらわれずどんなイタリアの片田舎の職人であろうが、彼の目にかないスナップされると瞬く間にピッティでは別格扱いの有名人になってしまうのです。

ほかにもあまたのファッションブローガーはいるが、まったく別格の存在で例えるなら、メジャーリーガーの腕利スカウトマンといった存在。

そんな、スコットが必ずピッティやミラノ メンズ ウィーク中にアップするのが、この御仁。

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アレッサンドロ・スクアルツィさんという方で、ミラノとボローニャでファッションブランドのショールーム(イタリアではエージェントと呼ばれる)を経営しつつ、自身のブランドの「フォルテラ」「AS 65」のデザインやプロデュースを手がけている御仁です。

今年のピッティでは、イタリアの大手シャツブランド「バグッタ」で彼のカプセルコレクションまで発表されるなど、その活躍の場は年々広がっています。

今回のスナップは、6月のミラノ ファッション ウィーク中にフォルテラのショップが、ミラノに初めてできたのをお披露目するパーティーがあったのでそこでスナツプ。

スクワルツィさんのスタイリングの特徴は、今回のようにホワイトデニムを多用するところ。冬でも白パンツ率が高いですね。

そして、今回のようにクラシックなオーダージャケットに組み合わしてしまう技は天下一品。

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ポイントは、この麻のジャケットの色に合わせた、ネクタイ、靴のブラウングラデーション。

シャツはストライプにしないでシンプルに白無地。生地は薄い高級なブロード生地とかではなく織り感のあるオックスフォード生地です。こうすることで、ジャケットとネクタイの質感とのバランスが取れています。

ネクタイは、今年トレンドのクラシックな小紋柄で生地はテカテカするシルクではなくマットなウール生地か、麻混のシルクでしょうか? ここがシルク100%のつるっとした表面感だと、タイが浮いて見えてしまいVゾーンがまとまりません。

ちなみにWのジャケットにジレ(ベスト)を着ていますが、こんな着こなしは日本ではまず見られない着こなしですね。

イタリア人は最近こうした着こなしをすることが多いのですが、決まってジャケットのボタンは1個も留めません。

イギリスのテーラーの方は決してこのような着こなしはまずしません。ボタンは留めるためにあるのですから!

彼のように自分流に着こなしをアレンジするのは、イタリアのファッション関係者の真骨頂。他人とは違うことがアイデンティティーだし、ファッション&パッションだと考えています。

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ほかに彼らしいのは、時計のチョイス。全体的なコーディネートはかなりの変化球ですが、ここは直球。この時計で、全体が急にエレガントに見えてくるのは私だけでしょうか……きっと男性の時計の存在意義(時間はスマホでわかる時代)は、女性のダイヤやゴールドのアクセサリーのような位置ずけになっていくのでしょう。

ちなみにレミ二のご自宅でパテック フィリップなどの時計コレクションを見せていもらったことがありましたが、圧巻でした!

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靴はエドワード・グリーンのスエード。ここも表側革でははないところが重要です。

スクアルツィさんは、最近VANSなどのスニーカーを履いているところをよくスナップされていますが、実はワードローブにはエドワード・グリーンやオールデンなどの靴をごっそり持っています。以外と持ってないのがイタリアの靴。

こうした、一流品のミックス感覚はほかのイタリア人にはない特徴です。

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こちらは、スクアルツィさんが手がけたミラノのフォルテラのショップ正面入り口。

このマンションは、外観の至るところにアールヌーボーの飾りが付いてある珍しい造りです。こうした建物を選んでお店をオープンさせるあたりも、彼のこだわりの一部分でした。

FORTELA(フォルテラ)
http://www.fortela.it

プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもマネできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウォッチを続ける。

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Photograph & Text:Yoichi Onishi

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