腕時計

ウブロ、躍動する挑戦者の腕時計
[男の服飾モノ語り]

2017.10.26

山本晃弘 山本晃弘

身に着ける腕時計で、その人が目指す人物像がわかる。例えばウブロ。このブランドは、「躍動する挑戦者」でありたい人たちから、圧倒的な支持を集めている。
日本での人気も目覚ましい。2011年から16年のあいだで、売り上げは約4倍に。昨年は全世界の14%を日本が売り上げ、国別ランキング1位である。

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サッカー日本代表モデル「ビッグ・バン ブルー ヴィクトリー」。自動巻き、ケースはスチール、直径44mm、144万円(日本限定・税抜き)

その人気の秘密を考察してみたい。第一に、腕時計の「顔」が変わらないこと。05年発表の「ビッグ・バン」というモデルは、ラグジュアリースポーツという腕時計のジャンルをつくった立役者。そして、いまに至るまで、デザインがほぼ変わっていない。高額な腕時計を購入する人の気持ちを考えると、こうした姿勢はブランドへの信頼感につながる。

二つ目は、斬新な素材や色づかい。ゴールド素材のケースにラバーのベルトという組み合わせは、ウブロの腕時計が最初だと言われている。「ビッグ・バン」は、さらに進化。カーボンやグラスファイバーなどの異素材を組み合わせた腕時計が、次々と登場した。時刻が読み取れないほど真っ黒な文字盤のものや、ベルトのみならず文字盤にまでデニム素材をつかった腕時計もある。

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ペレ(右)とウブロ会長のジャン-クロード・ビバー。

三つ目は、セレブリティーとタッグを組んだダイナミックなPR戦略。サッカーだけを見ても、ペレ、モウリーニョ監督、ユベントス、日本代表などとパートナーシップを結び、W杯ブラジル大会の公式タイムキーパーにもなった。

そして04年からブランドを率い、現在は会長を務めるジャン-クロード・ビバーの人間的な魅力。これが、ウブロ人気のもうひとつの秘密だと、私自身は考えている。その笑顔は、名だたるセレブはもちろん、腕時計を購入するウブロ所有者一人ひとりを魅了する。彼こそが、「躍動する挑戦者」を体現しているのである。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

プロフィル
山本晃弘(やまもと てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE編集長
「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年4月に朝日新聞出版の設立に参加。同年11月に、編集長として「アエラスタイルマガジン」をスタートさせる。雑誌の編集の傍ら、朝日新聞や朝日新聞デジタルに掲載する、ファッション&ライフスタイル系の広告コンテンツや動画の制作も手がける。現在はトークイベントを通じて、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。

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