腕時計
芸術や音楽のように心を奏でる、ジュネーブ・メイドの本格時計「レイモンド・ウェイル」の魅力
2017.12.06
“時計好きはクルマ好き”ということからモータースポーツなどとタイアップしたモデルは少なくないが、時計が好きだが音楽も大好きという人を魅了する希有なブランドが「レイモンド・ウェイル」だ。
ブリティッシュロックの巨匠、デヴィッド・ボウイ生誕70周年記念モデルや、ザ・ビートルズとのコラボ・モデル。さらにはエレキギターの伝説的なメーカーとのパートナーシップによる「ギブソン レス・ポール」ウオッチなど、「レイモンド・ウェイル」はファン垂涎の限定モデルを次々に発表してきた。なかでも「ギブソン レス・ポール」は、エリック・クラプトンなど世界的なミュージシャンが愛用してきたギターのヘッドをモチーフとして、ダイヤルに6本の弦とフレットなどをアレンジした個性的なクロノグラフとなっている。
「レイモンド・ウェイル」は世界95カ国3000店舗で販売されているスイスの時計ブランドだが、今年から日本に本格上陸。そのプロモーションで来日したエリー・ベルンハイムCEOは「契約のために渡米してナッシュビルにあるギブソンの工房を見学しましたが、時計製造にも共通する職人たちのモノづくりにかける愛情を感じました」と語る。
「とはいっても、こうしたコラボ・モデルのファンは限られているのでリミテッド・エディションにならざるを得ません。エレガントでコンテンポラリーなモデルがレギュラーコレクションになっており、高品質・高精度にもかかわらず手の届きやすいグッドプライスを維持してきたことにも注目していただきたいですね」(ベルンハイムCEO、以下同)
「レイモンド・ウェイル」は、クオーツショックでスイスの時計産業が瀕死の状態に追い詰められた1976年にスイスのジュネーブで果敢に創業。現在では年間生産15万本以上の規模に成長している。今年から日本で販売を開始したレギュラーコレクションは、タイムレスなクラシカルを追求した「マエストロ」と、スイスのムーブメントメーカーのセリタと共同開発した同社専用の自動巻きキャリバー搭載の「フリーランサー」。前者は20万円前後、後者も22万~30万円なので、スイスメイドの本格機械式時計としては確かに魅力的な価格帯だ。
「祖父が創業してから私で3代目となります。スイスでは数少ない家族経営の独立系ブランドなので、妥協することなく時計づくりの理想を貫いてきました。3代目というポジションはプレッシャーを感じますが、よりよい形で4代目に継承することが私の役割であり、それだけに日本を重要な市場だと強く認識しています。2020年の東京オリンピックを控えていることからも、日本での展開はいまが絶好のチャンスだと判断しました」
そう語るベルンハイムCEOは、有能なビジネスマンの一方で、ピアニストの母から指導されたピアノやチェロでプロ並みの腕前をもつ。また、美食についてもこだわりがあり、ジュネーブ市内で2つのレストランを経営している。
「祖父のころから代々音楽を愛好してきました。ですから、限定モデルだけでなく、アート&ミュージックが『レイモンド・ウェイル』の創造性の源泉となっています。各モデルからそうした雰囲気を読み取っていただければうれしいですね」
魅力的な時計は、優れた芸術や音楽のように私たちの心を奏でてくれる、と言い換えられるだろうか。
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問/GMインターナショナル 03-5828-9080
Text: Keiji Kasaki
Photograph: Kazuhiro Yokozeki