紳士の雑学
知っておきたい、コートのディテール
[丈、ライン、襟]
2018.01.17
秋から冬にかけて、屋外での装いの主役はアウターウエアとなる。ひとくちにアウターと言っても、そのスタイルは実に多様。それらの歴史をひもとき、ディテールを堀り起こし、それぞれの役割や価値に思いをはせれば、男の装いはもっと楽しくなる。
Length 代表的な丈

レングスは短いものからショート、ミディ、マキシと大別できる。アウターのデザインにもよるが、一般的にショート丈はスポーティー、ロング丈はクラシカルでエレガントな印象に映る。
Line 代表的なライン

ラインとは衣服の輪郭線。シルエットとも呼ばれる。なかでも代表的なものは左の3パターン。基本のストレート、裾広がりのフレアード、ボディラインを強調したシェープドがある。
Collar 代表的な襟型
ピークドラペル
下襟の先端が上向きにピーク(剣)のようにとがっていることからくる呼称。ダブルブレステッドで多用されることから両前背広襟とも呼ぶ。ノッチドラペル
ノッチ(V字切り込み)が、上襟と下襟の合わせで刻まれた菱形の襟。シングルブレステッドのものに多用されることから片前背広襟とも呼ぶ。バルカラー
上襟幅が下襟のそれよりも広い形になっているのが特徴。バルマカーンカラー、バルマカラーと呼ばれることも多い。
ステンカラー
いちばん上のボタンを掛けてもはずしても着用できるようになっている、コンバーティブルカラー(両用襟)の一種。別名、ターンオーバーカラー。スパニッシュカラー
ニットの大きな襟で剣先はタブ留めになっている。クラシックなスポーツ観戦用防寒着のひとつ、スパニッシュコートの典型的なデザイン。ボナパルトカラー
上襟を首沿いの高い位置で立ち折り、下襟を幅広く仕立てた襟型。仏国皇帝ナポレオンが統治した時代の軍服がモチーフとされることからの呼称。
出典:永久保存版「スーツ」着こなし事典(朝日新聞出版)