調べ・見立て(見立て)
編集長の「見立て」。
スーツの購入場所に百貨店をすすめる、2つの理由。
2018.02.28
新聞やビジネス誌では、百貨店のビジネスが苦戦していると報じられています。しかし、30代以上のビジネスマンの読者から「スーツをどこで買えばいいですか」と問われたときには、「百貨店がいい」とお答えします。
その第一の理由は、さまざまなブランドのいろいろなタイプのスーツがそろうこと。自分に似合うシルエットを熟知していて、お気に入りのブランドが既にある方なら、そのブランドのショップに出かけるのもいいでしょう。そうでないなら、あまたあるブランドのさまざまなシルエットのスーツがそろう百貨店がいいと考えるからです。遠慮せず試着をして、自分に似合うシルエットのスーツを見つけてほしいと思います。
百貨店をすすめる第二の理由は、ゆっくりと、しっかりとした接客をしてくれること。同じ百貨店の同じ売り場に通っていて、「昨年はネイビーのスーツを購入されましたよね。次にグレーはいかがですか?」という提案をされた経験はないでしょうか。百貨店に通う意味は、こういったところにあります。パーソナルスタイリストを持つほどのエグゼクティブでないビジネスマンにとっては、百貨店のスタッフが、それと同じような役割を果たしてくれるのです。
アエラスタイルマガジンWEBで調査した「スーツ世論調査」のアンケート結果を見ると、ビジネスマンの多くがそれに気付いているのがわかります。「スーツの購入場所で多いのは?」という問いに対して、最も多い回答は百貨店で39%。これまで有力であった量販店は今回の調査では28%で2位にとどまりました。セレクトショップは23%、ブランドショップは10%といった結果となっています。
若手ビジネスマンに人気のセレクトショップは、コストパフォーマンスの高さで、さらに支持を集めそうな勢い。そして、底力のある量販店も、ここにきてスーツの素材やデザインを著しく進化させています。どちらも、目が離せそうにありません。
百貨店、セレクトショップ、ブランドショップ、量販店。それぞれの特徴を勘案しながら、ビジネスウエアの相談ができるマイストアを見つけてみてください。
プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE編集長
「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年4月に朝日新聞出版の設立に参加。同年11月に、編集長として「アエラスタイルマガジン」をスタートさせる。雑誌の編集の傍ら、朝日新聞や朝日新聞デジタルに掲載する、ファッション&ライフスタイル系の広告コンテンツや動画の制作も手がける。現在はトークイベントを通じて、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。
Illustration:Akira Sorimachi