調べ・見立て

編集長の「見立て」。
ビジネスバッグの色と形、昨今のトレンドを探る。

2018.03.28

写真・図版 山本 晃弘

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「バッグの色は、靴やベルトなどの革小物の色とそろえる」。これは、ビジネスウエアを着こなすときの基本的なルールのひとつです。ただ、書類やプレゼン資料やPCといった持ち運ぶ荷物の多いビジネスマンに実情を尋ねてみると、「出勤前に別のバッグに荷物を入れ替えるのは現実的ではない」というのがこれまでの多数派でした。

ところが、2月23日付の「調べ」記事で尋ねた、「靴やベルトなどの小物によって鞄の色を変えますか?」というアンケートの結果に驚かされました。なんと、67%が「色を変える」と回答しているのです。最近では、ペーパーレスが進み、PCがタブレット端末になりと、ビジネスマンの荷物が軽減したことで、日によって異なる色のバッグを使い分けるといった変化が起こっているのかもしれません。あるいは、ビジネスマンのファッション意識がアップしているとも考えられます。

従来、ビジネスバッグの色といえば黒というのが常識でした。昨今では、ネイビーのバッグの人気も定着しつつあります。そして、次のトレンドとしてグレーのバッグにも注目が集まっているようです。ビジネススーツの三原色は、ネイビーとグレーとブラウン。グレーのバッグであれば、ネイビーのスーツにもグレーのスーツにもよく合います。その場合、靴やベルトは同系色である黒を選ぶのが正解です。

ブラウンのバッグは、革製のブリーフケースでは黒に続く定番色。ただ、軽量なナイロンバッグでは、これまで意外とブラウンが少なかったのです。今年の春は、バリスティックナイロンで有名なバッグのブランドからブラウンの新色が提案されているので要注目。こちらを選ぶ場合には、靴やベルトの色は当然ブラウンを合わせてください。

さて、形はどうでしょうか。ビジネスマンにとって、バッグは仕事のパートナーのような存在。例えば、お医者さまが持つものをドクターバッグと呼び、大使館員が持つものをアタッシェ(フランス語で大使館員のこと)ケースと呼ぶことからもわかるように、持つバッグによってその人の職業やキャラクターがわかってしまうこともあります。その意味で、アエラスタイルマガジンでは、「ビジネスマンが持つべきはブリーフ(英語で書類のこと)ケース」と言ってきたのです。

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では、トートバッグはどうでしょうか? 本来トートバッグは、野菜や氷を運ぶために作られたものであると言われています。そのため、女性向けのものであると考えられてきました。ところが、昨今では「ビジネストート」というバッグが、男性向けバッグのひとつのカテゴリーとなっているのです。その証拠に、3月2日付の「調べ」記事で尋ねた「ビジネスシーンでトートバッグを使うのはアリだと思いますか?」という質問に、71%もの読者が「アリ」と回答しています。

じつは、世界的にみると、トートバッグをビジネス向けに使うというトレンドをけん引したのが日本のビジネスマンであることは間違いありません。会社の携帯で電話を掛け、個人の携帯でラインをチェックし、PASMOやSuicaで地下鉄に乗る、といった具合に手元の忙しい日本のビジネスマンにとって、肩から掛けられて、荷物をサッと取り出せるトートバッグの人気が高いのは当然と言えば当然のこと。容量が大きめのものであれば、日帰りや1泊程度の出張に使うことも可能です。「ビジネストートは、日本のビジネスマンの相棒である」。そう言っても過言ではないでしょう。

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プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE編集長
「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に朝日新聞出版の設立に参加。同年、編集長として「アエラスタイルマガジン」をスタートさせる。新聞やWEBなどでファッションとライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツの制作を行う。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。初の執筆書籍「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」を、3月16日に刊行。

Illustration:Akira Sorimachi

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