旬のおすすめ
雨の日のスーツ姿を凛々(りり)しくする、レインコート。
2018.06.05
名作『雨に唄えば』の劇中でジーン・ケリーは恋が始まる喜びをこう表現する。「外は大雨でも心の中にはお日様が照っている」。とはいえ、心躍る出会いでもなければ、なんとなく憂鬱(ゆううつ)なのが雨ばかりの梅雨の季節。そんなときにはお気に入りのレインウエアに身を包めば少しは心が晴れるかもしれない。憂鬱なムードを一新してくれそうな、厳選の雨用アイテムを紹介しよう。
まずはビジネスシーンにおける雨対策。お気に入りのスーツやジャケットを濡らさないためにも、しっかりとした正統派のレインコートを一着はもっておきたい。ベーシックなデザインとカラーを選べば、おのずと出番は多くなるはずだ。
ヨーロッパでもっとも雨の降る都市と言われる、ノルウェーのベルゲン発のアウター専業ブランドと聞けば、その実力は推して知るべしだろう。表情豊かなヘリンボーン織りの生地を使いながら実は撥水加工を施すなど、これ見よがしではないデザインがしゃれている。ひと目でわかる仕立てのよさは、ビスポークテーラーを出自にもつデザイナーならでは。¥160,000/ノルウェージャン・レイン(ユニット&ゲスト 03-5725-1160)
シャイニーな素材感と落ち着いた色合いがシックな、マッキントッシュのナイロンコート。ゆったりとしたシルエットでトレンド感を踏まえつつ、ラグランスリーブにより腕まわりの運動性を妨げない。ライトな表情でも極めて品よく装えるのは、計算されたパターンテクニックの証左にほかならない。¥98,000/マッキントッシュ(マッキントッシュ青山店 03-6418-5711)
ブラックウォッチ柄にチェンジポケットといった意匠が、オーセンティックな英国らしさを醸すトラディッショナル ウェザーウェアのステンカラーコート。透湿防水機能を備えた3層のナイロン素材や脇下のベンチレーションなど機能面に目を奪われがちだが、ポケットと身頃の寸分違わぬ柄合わせなど、その確かな技術力も見逃せない。¥41,000/トラディショナル ウェザーウェア(トラディショナル ウェザーウェア 青山メンズ店 03-6418-5712)
一見するとベーシックなトレンチコートだが、表地には洋傘に使われるのと同じ耐漏水性をクリアした高密度のポリエステルタフタを採用し、ステッチに使う糸まで撥水加工を施すなど通称アンブレラコートの名前はだてではない。いまではなかなか見られない接ぎのない一枚袖の仕様など技術の高さに加え、完成されたデザインの美しさに息をのむ。¥79,000/サンヨ―(SANYO SHOKAI 0120-340-460)
イタリアはミラノの地でレインコートに特化したモノづくりを行う、シーラップのステンカラーコート。抑制の利いたシンプルなデザインが、ダークブラウンの色みと相まって品のよさを引き立てる。パッカブル仕様なので、普段は鞄に忍ばせておき突然の雨にさっと対応できる。こうしたスマートな抜け目のなさは、大人の男性なら持ち合わせておきたい。¥69,000/シーラップ(SDI 03-6721-1070)
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Yoshinori Eto
Styling:Tomohiro Saitoh(GLOVE)
Text:Tetsuya Sato