旅と暮らし
森ビル×チームラボ
幻想的な光に包まれ、“身体”で感じる新しいアート体験。
2018.06.19

デジタルアートの圧倒的な世界観に体ごと没入!
チームラボと森ビルがコラボし、これまでに見たことのないようなアートミュージアム「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」が誕生し、6月21日についにオープン。


デジタルアートの美しさ、チームラボの世界観をたっぷりと堪能できる空間の大きな特徴として挙げられるのは、その驚きの広さ。なんと、1万平方メートルという広大な敷地のなかに、5つのテーマに沿った空間が構成されている。ここには、特に順路はなく、それぞれの足の向くまま、光に誘われるまま、空間のなかをさまようのも楽しみ方のひとつ。これまでの美術作品の“鑑賞”の仕方とはまったく違うアート体験を提供してくれる。
「境界のないボーダレスなアート群のなかをさまよいながら、身体を使って、さまざまな発見をしてほしい」というチームラボ代表の猪子寿之氏の言葉どおり、会場での体験は体にダイレクトに訴えてくる。特に「運動の森」とタイトルのついた空間では、移動する体に光が反応しそれが作品となるすべり台や跳ねると星が集まってきたり、光の線が描かれるトランポリン、いつの間にか真剣に取り組んで息も上がってしまう光の3Dボルダリングなど、体ごとインタラクティブな世界に入れる仕掛けが細やかに、大胆に空間全体に行き渡っている。

人に呼応する「ランプの森」の空間の幻想的な美しさ、チームラボ代表作品のひとつ「お絵描き水族館」のある「学ぶ!未来の遊園地」の楽しさ。水が流れ、花が咲き、鳥たちが飛ぶ「Borderless World」では、人間と作品、作品同士が影響を受け合いコミュニケーションを取る、「私と世界」の境界のない新しい関係を体感する刺激。そして、深いくつろぎが得られる暗闇に包まれた「TEA HOUSE」では、運ばれてくる茶に光が差し込み、そこに花々が咲きつづけるという魅惑的な世界観を体験できる。
咲く花や稲穂、植物は季節ごとに移ろい、また巡る順番によっても印象が変わる当ミュージアムは、何度訪れてもそのたびに新しい体験、発見が待っている。ぜひ訪れて、この没入感に体全体で浸ってほしい。


Text : Noriko Ooba