旅と暮らし

全室がオーシャンビューでインフィニティープール付きの、プーケットの楽園

2018.09.21

大石智子 大石智子

全室がオーシャンビューでインフィニティープール付きの、プーケットの楽園

TRISARA(トリサラ)
プーケット/タイ

以前、友人に「彼女とプーケットに行くのだけれど、おすすめのホテルは?」と聞かれて真っ先に名前を挙げたのが、今回紹介する「トリサラ」。プーケットの北西海岸に位置する、間違いのない楽園である。

「トリサラ」のオープンは2004年。以来、ラグジュアリーリゾートの激戦区であるプーケットにおいて根強いファンを増やしつづけ、“6つ星ホテル”とも称されている。聞けばゲストの4分の1が常連というのだから、単に豪華なだけのリゾートとはひと味違う心地よさがここにはあるのだろう。

カップルにおすすめする理由は多岐にわたる。まず、大自然があふれる隠れ家リゾートにして、空港からクルマで約15分と驚くほど近いのだ。公道をそれて竹林とバナナの木が茂る小高い丘が見えてきたら、そこがもうリゾート。渋滞や長時間移動で相手に気を遣う心配もない。

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エントランスは森の入り口といった様相で、敷地面積は16万㎡もある! それだけ広いのに客室数はほんの39ですべてがヴィラ。さらに、全室オーシャンビューかつインフィニティープール付き。もうこの時点で、カップルで行くのに最高のリゾートと言っていい。

なぜなら、そんなぜいたくな空間レイアウトになっている時点で、その他のホスピタリティーも高いリゾートと期待できるからだ。根本となる設計の初期段階からして、採算とは別次元の、人を喜ばせたい気持ちにあふれている。

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タイのリゾートらしい木彫りが施されたヴィラの扉。

さて、どんなヴィラなのか回想しながら案内しよう。チェックイン後、バギーでヴィラまで案内されて扉を開けると、その瞬間から一気にドラマチックだ。目の前には、プール、海、空、3つの青が重なり、抜け感が最高! 遥か彼方まで続く青に、心がほどけて脳の動きが低速となっていった。

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各ヴィラにこのようなプライベートプールが付いている。

この眺めがあるだけで、相手が大満足するに違いない。高級リゾートでも眺めがばらつく場所もあるなかで、「トリサラ」なら安心。全室がプーケットに期待するもの(=青い海と空)にばっちり応えてくれている。

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プールジュニアスイート(135㎡)。

2016年末に改装された部屋は、オフホワイトを基調としたシンプルな造り。ここでは“くつろいでほしい”ということを第一のテーマにしていることもあって、過多な装飾は一切ない。それでいて、爽やかに見せて実はSEXYさもあるお風呂がよかった(ひとりで滞在……)。お風呂には大きな鏡が窓際以外のすべての面に設えられていた。

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    バスタブの両サイドに大きな鏡付き。また、太陽の光も気持ちよく入ってくる。
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    バスタブの対面に設置されたシンクは左側にもうひとつあり、離れているのがふたりで使う場合に楽なはず。

6本の手によるマッサージが気持ちよすぎる!

「トリサラ」の名を有名にしたことのひとつが、スパでのシックスハンズマッサージだ。その名のとおり3人に同時にマッサージされる施術で、スパ好きの間で究極の体験として呼び声が高い。

4ハンズマッサージまでなら他のリゾートでもあるが、「トリサラ」は2004年のオープン当初からシックスハンズマッサージを導入。近年ではまねするリゾートもあるけれど、ここのような完成度があるかはわからない。というのも、3人のセラピストの呼吸が完全に合わないと成立しない施術であり、高度な技術と経験を要するからだ。

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そんなシックスハンズマッサージはどんなものか。音楽に例えて言うなら、上半身を担当するひとりがメロディーラインで、下半身を担当するふたりがベースラインといったところ。ベース担当のふたりは寸分違わぬ動きで足をもみ、もうひとりはその動きをリードするように上半身をほぐす。

途中から、6本の手をもったひとりの人間によるマッサージかと錯覚してくる。その結果どうなったかといえば……、ある一撃が気持ちよすぎて、ショックで眠っしまった! しかもいびきまでかいていたらしい。起きたときは毒を取り除いたようにカラダがすっきりしていた。

レストランが両極端で面白い

レストランはファインダイニングの「PRU(プル)」とタイの家庭料理を提供する「シーフード」のふたつ。

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“Farm to table”をテーマとする「PRU(プル)」では、自家菜園から収穫したての野菜や、放し飼いの鶏の有精卵を使用。写真はヴィネグレットソースやハイビスカスのパウダーで仕上げたハマチのタルタル。
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「シーフード」で味わったロブスターのスパイス和え。

ひと晩はドレスアップして「PRU」でディナー、それ以外は「シーフード」で直球のタイ料理を楽しむのがいいかと思う。ちなみに「シーフード」では16時までシャンパンが飲み放題のサンデーブランチ(約1万5000円)があるので、さんざん飲んで気づいたら昼寝していた……という一日があってもステキだろう。

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朝食は海の目の前の特等席で楽しむ。
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朝食に並ぶフレッシュジュース。採れたてのココナッツのジュースが格別の味わい!

何もしないぜいたくを実感する。

このリゾートでの醍醐味は、ズバリ、何もしないことだ。美しい海と空を前にiPhoneも見ずにただぼーっとする。そんな時間の素晴らしさについては、申し訳ないのだけれど何の薀蓄(うんちく)もなく、ただ、以下の写真からイメージしていただきたい。

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ひとつ言うなら、朝、昼、夕方、3回の異なる時間に海を見てほしいということ。空も海も異なる表情を見せてくれて、それぞれがロマンチック。

特に夕暮れ時に空と海が赤く染まるなか、砂浜を裸足で歩く気持ちよさは南国ならでは。ただの散歩、ただの昼寝がとびきりぜいたくに思える環境こそが、ゲストたちが「トリサラ」にまた来たいと思う所以(ゆえん)。最高のロケーションに加え、洗練されたヴィラや温かなホスピタリティーも含めて、プーケット一番のリゾートと呼ばれていることを体感するのだ。

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https://trisara.com

プロフィル
大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、年に10回は海外に渡航。タイ、スペイン、南米に行く頻度が高い。最近のお気に入りホテルはバルセロナの「COTTON HOUSE HOTEL」。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

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