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ドレッシーにしてスポーティー、ネイビーブレザーの真骨頂。

2018.10.01

ドレッシーにしてスポーティー、ネイビーブレザーの真骨頂。

1960年代に日本のメンズファッションをリードしたVAN。社長であった石津謙介によれば、当時は「カジュアル」という言葉はなく、ドレスアイテム以外は「スポーティー」と呼んでいたという。

これは示唆的だ。メンズウエアの多くは礼服とスポーツに由来する。そしてブレザーはその双方に関係する。ブレザーの発祥には諸説あるが、スポーツ選手が試合以外の場で着用していた正装から普及した経緯は間違いないようだ。タキシードのドレスダウンとして始まったスーツとは異なり、もともとアクティブなテイストを備えている。さらにその応用度も大きな利点である。クラブチームがエンブレムを胸元に縫い付けたり、装飾的な金のボタンにしたりなど、着る人の好みと用途に合わせてカスタマイズできるあたり、スーツに比べてずっと間口が広い。

こうした万能さをどこよりも愛したのが、ほかでもない日本。先に挙げたVANがアメリカ東海岸の大学生の着こなしを“アイビースタイル”として輸入し、日本人の肌にマッチするネイビーのブレザーをキーアイテムとして扱ったことから大ヒット。その後トレンドによって隆盛の差はあっても、常にワードローブのエレメントとしての存在感をキープしていた。 

最近、そのネイビーブレザーがまた注目を集めている。各ブランドが独自の解釈でさまざまなモデルをリリースしているが、特に注目されているのがダブル。従来のタイドアップにこだわらない柔軟さが特徴だ。例えばこのラルディーニのブレザーはカシミヤ100%。手触りも光沢も高級感を感じさせるが、ウエストをほどよくシェイプさせ、ボタンの合わせを浅く仕立てているため、前を開けたままでもルーズに見えない(写真上)。ナチュラルショルダーと大きめのラペルが胸元を立体的に見せ、男らしさを強調してくれる。一方で、タイドアップにニットというドレスとスポーツの組み合わせも申し分ない(写真下)。知性とたくましさをアピールできるブレザーの進化形と言っていい。

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オーソドックスなネイビータイプがクローゼットにあっても、この秋はこうした最新のモデルをぜひ試してみたい。初めての一着に袖を通した高揚感がよみがえるはず。

原点にして頂点。常にアップデートするのがブレザーたるゆえんだ。

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左:トップ画像のようにカジュアルに着こなすならスエードローファーがおすすめ。あえてノーソックスで肌を見せ、軽快さを出したい。右:きれいめに着こなすなら、やはり黒のレザーシューズ。端正なダブルモンクが、タイドアップスタイルと好相性。

【モデル着用衣装】
上:ジャケット¥161,000/ラルディーニ、シャツ¥28,000/ジャンネット、スカーフ¥9,800/アルテア、パンツ¥38,000/ピーティーゼロウーノ、ベルト¥17,000/アンドレア ダミコ、靴(ローファー)¥68,000/クロケット&ジョーンズ(すべてビームス ハウス 丸の内 03-5220-8686

下:ジャケット¥161,000/ラルディーニ、ニット¥28,000/マックローレン、シャツ¥29,000/バルバ、タイ¥14,000/ジョンコンフォート、チーフ¥2,800/ビームスF、パンツ¥38,000/ピーティーゼロウーノ(すべてビームス ハウス 丸の内 03-5220-8686)、靴(ダブルモンク)は私物

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Takahisa Igarashi
Hair & Make-up:Masakazu Igarashi
Text:Mitsuhide Sako(KATANA)

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