紳士の雑学

知っておきたい! コートの素材

2018.11.13

秋から冬にかけて、屋外での装いの主役はアウターウエアとなる。ひとくちにアウターと言っても、そのスタイルは実に多様。それらの歴史をひもとき、ディテールを掘り起こし、それぞれの役割や価値に思いをはせれば、男の装いはもっと楽しくなる。自身の心と体がホッとする最適な一着を見いだす道筋を、アエラスタイルマガジンが手引きする。

Material 代表的な素材

  • 1ウール
    ウール
    一般に羊毛織物のこと。吸湿性、撥水性を併せ持ち、保温性がよく、復元性に優れシワになりにくい。アウターに欠かすことのできない素材。
  • 2アンゴラ
    アンゴラ
    アンゴラ兎の毛織物。繊維の太さが非常に細く、中空になっているので、ふんわりとしたやわらかい感触を生み出し、軽量で暖かい。
  • 3キャメル
    キャメル
    ラクダの毛を原料とした素材。その厚手紡毛織物はコート、特にポロコートには欠かせない素材で、その重厚なスタイルを最も引き立たせる。
  • 4カシミア
    カシミア
    インド北部原産カシミア山羊の毛織物。滑るようなやわらかい感触を生む。希少性が高く、分量を要するコートでは高価になることは否めない。
  • 5ツイード
    ツイード
    伸縮性に富むざっくりとした風合いを特徴とする英国原産の紡毛織物。カントリースタイルに根差したアウターウエアにふさわしい。
  • 6 フランネル
    フランネル
    軽く縮絨と起毛が施され毛羽に覆われた毛織物。紡毛素材のものはカジュアルに、梳毛のものはドレッシーなスタイルに向いている。
  • 7メルトン
    メルトン
    メルトン仕上げと呼ばれる起毛加工がなされた縮絨毛織物。日本では羅紗と呼び明治以降に普及した。ピーコートの顔ともいえるマテリアル。
  • 8カセンティーノ
    カセンティーノ
    イタリアのトスカーナ地方のカセンティーノウールを使い、古くより作られている伝統的織物。ナッピングという縮絨による毛玉が特徴。
  • 9モールスキン
    モールスキン
    起毛をかけてビロードのような光沢とやわらかな手触りをもたせた綿織物。もぐらの毛皮に似ることからこう呼ばれる。空気を含み暖かい。
  • 10コーデュロイ
    コーデュロイ
    高密度に織られた縦畝(うね)の綿織物。毛羽があるので空気を含み保温効果をもつ。強度も高く、アウター素材の選択肢として見逃せない。
  • 11綿ギャバジン
    綿ギャバジン
    目の詰んだ非常に丈夫な綿の綾織物。湿度の上昇で目が詰まる綿布の特性に防水加工が加わり優れた防水性を誇る。レインコートの代表的素材。
  • 12ゴム引き
    ゴム引き
    弾性ゴムを布地に塗装したものでラバーライズドクロスとも呼ばれる防水防風機能の高い素材。主として綿布が使われることが多い。
  • 13レザー
    レザー
    革素材のアウターウエアは必要な分量が多い点から牛や豚を用いるのが一般的。また素材サイズに限度があり裁断には高度な技術が求められる。
  • 14キルティング
    キルティング
    重ね合わせた生地の間に綿やポリエステルのパッドを挟み、ダイヤ状にステッチ補強したもの。断熱効果に優れ体温を衣服内にとどめる。
  • 15 6040クロス
    60/40クロス
    コットン60%、ナイロン40%の比率で交織りされた生地。湿度に伴う快適な衣服内環境、優れた耐久性、綿100%にはない軽さが魅力。
  • 16ゴアテックス
    ゴアテックス
    テフロン系樹脂を伸長加熱して無数の小穴を施した被膜状の生地。高い防水性と通気性を兼ね備え、雨天でも快適な衣服内環境に寄与する。
フィルパワー-
写真提供/一般財団法人日本繊維製品品質技術センター

フィルパワーって何?

ダウンの質を示す単位で、一定の温度・湿度及び荷重の条件下、ダウン30gが何立方インチに膨らむかを測定した数値。数値が高いほど上質。

出典:永久保存版「スーツ」着こなし事典(朝日新聞出版)

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