紳士の雑学
作り手が紡ぐ物語を世界へ導く、
Francfranc 髙島郁夫氏
[TREND水先案内]
2018.12.26
世の中が変化していく“兆し”を見つけ、それがどこに向かってゆくかを占う連載企画「TREND水先案内」。第二回目のゲストは、Master Recipe(マスターレシピ)という新事業をスタートさせた、Francfranc(フランフラン)代表取締役 社長執行役員の髙島郁夫氏。ローカルからグローバルへ。真新しい暖簾の奥に垣間見えるものとは――?
山本:Master Recipeをはじめたきっかけは?
髙島:Francfrancの仕入れで世界各地に行くとたくさんの工芸品に出会います。すごく良い技術や、すごい伝統だけど、このままでは現代とかけ離れていく。せっかく良いものでも、今の人たちに伝えるにはトランスレートしていかないといけない。そんな思いを、良い形で表現したいと思ったのです。
山本:なぜ一号店を京都に?
髙島:世界中の産地でものに触れていると、「ここを変えたらグローバルに通用する」というところが、そのものの奥に見えてきます。そういうものを扱うとき、どこでお店を出したらよいか? 京都には「ローカルがグローバルなった歴史」があるとイメージの掛け合わせができ、一号店は京都にしたいと思いました。
山本:Master Recipeの今後は?
世界には、ここで取り扱っていない物がまだまだたくさんあります。いろんなものを「量」よりも「質」、「バラエティ」を豊かに紹介することをやりたいと思っています。
【山本編集長の見立て】
Francfrancの新しい挑戦、Master Recipe。作り手が紡ぐストーリーが、世界中に繋がっていく。この暖簾を通すとローカルからグローバルへ、新しい時代の民芸がスタートする予感がします。
(文中敬称略)
プロフィル
髙島郁夫(たかしま・ふみお)
Francfranc(フランフラン)代表取締役 社長執行役員。1956年福井県生まれ。趣味はトライアスロンとサーフィン。
Movie:TAKAHIRO SAKATA
Text:AERA STYLE MAGAZINE