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ファッショントレンドスナップ43
春のレザーブルゾンの着こなしは、インナーのシャツと靴のチョイスが決め手。
2019.04.10
レザーブルゾンの中でも人気の高いのがこのジェントルマンが着ているライダースと呼ばれるデザインのもの。バイクに乗る人が着るためのデザインが散りばめているのが特徴です。この方のライダースでいうと腰にベルトが付き、ジッパーは風が入らない様に首まで閉められ、前身頃はW仕立てになっています。
前を留めるとかなりハードなイメージになるのですが、あえてこのジェントルマンはそうしていません。その上インナーは白のドレスシャツをいちばん上まで留めています。こうすることで、完全にバイカーぽい感じは消え去っていますね。
サングラスは、レイバンのティアドロップです。日本ではここまでやるとかなり危険な雰囲気になるのであまりおすすめできませんが……。
余談ですが、欧米の方がサングラスが似合う理由を。サングラスのフレームからまゆ毛が出ていないのです!! 鼻筋がとおっているとかもありますが、一番はこのまゆ毛問題。次回サングラスを購入するときは、そこをちょっと気にしてみてください。
全身はかなりエレガント。パンツをウールのグレーにしてベルトを付けていないところもモード感を際立たせていますね。パンツを黒にすることもありですが、春の軽やかな気分を出すなら断然グレー。
ライダースにデニムという王道パターンに飽きたという人向きのスタイリングです。
足元は上半身のイメージとは真逆の白スニーカー。こうした合わせ方は、ひと昔前ならアンバランスで似合わないとアドバイスされそうですが、このヌキ感が逆に今のトレンドです。
勿論「白スニーカーはしっくりこない。トレンドは追わないから……」という方には、王道の黒ブーツや黒スニーカーを合わせれば、このスタイリングのニアンスを取り入れられるはずです。
こちらのジェントルマンは、どちらかというと王道レザーブルゾンの着こなし。インナーはダンガリーシャツでパンツはデニムです。でもよーく見るとこのジェントルマンなりのこだわりのテクニックが隠されていました。
まずは左ポケットに小さなバラの花を入れていますね!! 刺繍ではありませんよ。フラップ付きのワークシャツには、ペンを差し込む穴が空いているのでそこに入れたのです。
それとシャツのすそを出しています。着丈はかなり短めです。これは出すことを考えて作られたものですね。ここがパンツにインされているといないのは、かなり雰囲気が変わりますのでお気をつけを。
全身は王道感満載。ブルー系とブラウン系のみでまとめたせいか、かなりキレイ目にまとまっていますね。それと見ていただきたいのが、レザーブルゾンの着丈とそでの長さ。
レザー製品買うときはまずフィット感も大事ですが、着丈には妥協してはいけません。海外のものだと着丈が長くなりがちです。特にこのジェントルマンの様に見せたいなら、着丈はおへそくらいのものを選ばなくてはいけません。
それとそでの長さは、必ず購入したお店かお直し屋さんで調整すること。袖口にジッパーがついていたりするので直さないで着ている人も多いかと思いますが、そこは必ず自分サイズに直しましょう。
足元は、なんとデッキシューズとかキャンプモカシンと言われる軽めのものでした。デニムのすそを折り返してセルビッチを見せるテクニックはアメカジの基本技。こうした、なんでもないひと手間が着こなしに深みを生みます。
次回はそろそろ春本番のスナップで行く予定です。
乞うご期待ください!!
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi