旅と暮らし

「自然×テクノロジー」シアトルに見る新しい時代のムード
<前編>

2019.05.17

「自然×テクノロジー」シアトルに見る新しい時代のムード<br><前編>

世界的企業が集積する水と緑の都、シアトル。ここは美しい自然と最先端のテクノロジーが融合し、人々が都市と自然をシームレスに往来できる、少し先の未来を実装している場所だ。デルタ航空とアラスカ航空のハブ空港となっているシアトル・タコマ国際空港では、実際に多くのビジネスパーソンを見かけるようになった。日本からいちばん近い北米のゲートシティと呼ばれるシアトルはいまどのように変化しているのだろう。新時代の空気を感じられるスポット、ビジネス接待で利用できる場所を紹介していく。

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シアトル都市圏には、アマゾンやマイクロソフトが本社を構え、カフェ文化をつくったスターバックス、独自の流通・小売ビジネスで進化するコストコ、世界最大の航空宇宙機器開発製造会社ボーイングなど、いまをときめく企業が揃い、好調な経済を索引している。

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    アマゾン・スフィア
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    アマゾン・ゴー

なかでもアマゾンは、市内に43の関連ビルがあり、新しいビルも建設中。本社の「アマゾン・スフィア」はシアトルの街のど真ん中にある。3つの球体からなる奇抜な建物は、従業員のワーキングスペースになっており、世界中から集められた4万本以上の植物が育てられ、これらの温熱はコンピューターの熱を集めてつくられている。

アマゾンが考える未来の小売店の「アマゾン・ゴー」はお隣に。ここは2016年にオープンし、お弁当やお惣菜、お菓子やお酒などを販売する、言うならば“キャッシュレスコンビニ”だ。利用者は専用アプリをスマホに入れて、入り口にかざして入店。あとは陳列された商品をピックアップして店を出るだけ。出入り口の天井にあるセンサーが検知するので、レジに並ばなくともアプリで自動的に清算ができる。

大企業でありながら、アマゾンには社員食堂がないのもひとつの特徴だ。理由は地域に貢献するため。球体のなかには、シアトルの有名女性シェフ、レニー・エリクソンによるレストランとバーがあり、おしゃれな店内で地産地消の料理が食べられるとして、老若男女問わず、連日多くの人で賑わっている。

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    一度購入したものを持って再入店しても、清算時にはカウントされない
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    アマゾン・ゴー限定チョコレート
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    愛犬と出社できるアマゾン。社員IDが付与されている犬は現在6000匹
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    ピンクが基調のカジュアルレストラン「ウィルモッツ・ゴースト」
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    ピザや魚介類がおいしい
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    ビジネス利用にもぴったりな落ち着いたバー「ディープ・ダイブ」
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シアトル・ソードー地区にあるスターバックス本社もオフィスだけでなく、1階が同社の店舗として運営されている。この「スターバックス リザーブ ソードー」では、豊富なコーヒーメニューに加え、焼きたてのパンが味わえるミラノ発のプリンチが一体になっており、さらにイタリアで定番のアペリティーボ(食前酒と軽食)が楽しめるミクソロジー・バーや、オリジナルグッズの販売など、コーヒーを超えたコラボレーションを体験できる。

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    大きな暖炉のあるスターバックス リザーブ ソードー
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今年2月、東京・中目黒にもプレミアムコーヒーを提供する「スターバックス リザーブ ロースタリー」の世界5店舗目がオープンしたばかり。一大グローバル企業となった同社は日々進化を続け、シアトルからコーヒーを超えたライフスタイルを提案し続けている。

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高さ184m、幅は最も広いところで42m、ガラス張りの展望デッキに、室内の壁や床のほとんどもガラス張り! 1962年、シアトル万博のときに建てられたランドマーク「スペース・ニードル」は、2018年に総工費約1億円をかけてリノベーションされた。展望台は1周約45分かけて回転するので、市内や高層ビル群、マウントレーニアなどを一望できる。水陸両用の飛行船が、空から着水し航走する場面にも遭遇するだろう。

スペース・ニードルのすぐ側には、新しいランドマークの「チフリー・ガーデン・アンド・ガラス」もある。シアトル出身で国際的に有名なガラス・アーティストのデール・チフリー氏の作品が室内外に多数展示されており、ここでしか見られない作品も多く来場者は後を絶たない。

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    チフリー・ガーデン・アンド・ガラス
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    施設内にあるカフェもアーティスティック

自然の恵みを存分に

接待や旅行でも「雰囲気がいい」「地元の食を味わえる」「おいしい」飲食店を複数知っているとスマートだ。もちろんシアトルにもある。前述したアマゾン・スフィアにある2店のほかに、大人も満足な店があるので紹介していこう。

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ソルティーズ オン アルカイビーチ
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「ソルティーズ オン アルカイビーチ」
シアトルのスカイラインを見渡せるエリオット湾にある「世界の絶景レストラン」と称されるレストランで、米国を訪れていた安倍首相も昼食で訪れたそうだ。太平洋岸北西部で獲れた牡蠣、天然アラスカサーモン、オヒョウ、アメリカイチョウ蟹など新鮮な魚介類のほかにステーキなども食べられる。カジュアル・フォーマル問わず利用しやすい。

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エアリューム
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「エアリューム」
エリオット湾の丘の中腹にあり、シアトルの名所「パイク・プレイス・マーケット」から歩いてすぐのここは、夜景も楽しめる名店だ。店内入ってすぐにあたたかな暖炉、食事をする人たちで賑わい、活気がありながら雰囲気もばっちり。太平洋岸北西部の旬な魚介類や肉類に、野菜、ワイン、どれも絶品。接待利用しやすい。

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「パープル」
ワインタワーのある地元でも有名な人気店で、開店直後から賑わっている。ディナーはワインとペアリングされており、ドリンクのみのバー利用も可。

優雅に過ごせる伝統の5つ星ホテル

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新しい施設だけでなく、歴史ある建造物も多いシアトル。2024年に創業100年を迎える「フェアモント・オリンピック・ホテル」は、アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定された由緒あるホテルだ。市街に位置し移動が便利な場所にありながら、フランス風の華やかで落ちついたインテリアで人気。日本人のコンシェルジュがいるので、きめ細やかなサービスを受けられる。

美しいダイニングでは、優雅な朝食をぜひ。プールやトレーニング施設も充実しているので、日中の忙しさをリフレッシュしながら滞在することができるだろう。

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革新的な企業やランドマークのあるシアトルだが、長い歴史のある建物や市場も健在している。後編ではシアトルの普遍的な名所や、注目のワイナリーを散策していく。

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<掲載リスト>
アマゾン・スフィア、アマゾン・ゴー、ウィルモッツ・ゴースト、ディープ・ダイブ(2111 7th Ave, Seattle, WA)
スターバックス・リザーブ・ソードー・ストア(2401 Utah Ave S, Seattle, WA)
スペース・ニードル(400 Broad St, Seattle, WA)
チフリー・ガーデン・アンド・ガラス(305 Harrison St, Seattle, WA)
エアリューム(2003 Western Ave Suite C, Seattle, WA)
ソルティーズ オン アルカイビーチ(1936 Harbor Ave SW, Seattle, WA)
パープル カフェ アンド バー(1225 4th Ave, Seattle, WA)
フェアモント・オリンピック・ホテル(411 University St, Seattle, WA)

Photograph:Ari Takagi
Coordinate:Kyoko Matsuda
Text:AERA STYLE MAGAZINE
Special Thanks:Visit Seattle

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